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「桃山・江戸の華やぎ 古唐津・古武雄」 愛知県陶磁美術館

愛知県陶磁美術館で6月15日まで開催中の「桃山・江戸の華やぎ 古唐津・古武雄」に行って来ました。

図録を読んで知ったのですが、本展は昨年3月、九博でトピック展として開催された「江戸のモダニズム 古武雄 まぼろしの九州のやきもの」をベースに愛知県陶磁美術館独自に第1部に古唐津を追加し再構成されています。
そのため、古唐津は古武雄をメインで紹介するための前座的な役割が大きく、古唐津ファンにはちょっと物足りないかもしれません。
とはいえ、出光美術館蔵の重文「鉄絵柿文三耳壺(絵唐津)」や近年重文指定を受けたばかりの文化庁蔵「鉄絵芦文大皿(絵唐津)」をはじめ猪口などの酒器(酒器がのっていたお盆も素敵でした)や片口など賞玩しがいのある逸品が出展されていました。中で、面白いと思ったのはドリッピングよろしく釉薬を垂らした景色が粋な唐津で、桃山時代の陶工のチャレンジ精神が如何なく発揮され、後に続く古武雄との関連も感じられます。古唐津は絵唐津、斑唐津、高麗唐津などいくつか種類があり、パネル解説されているため初心者でもとっつきやすいのではないでしょうか。

古武雄はこだけおと読み、江戸時代前期(17世紀前半)から19世紀にかけて佐賀県西部で誕生した陶器で、大ぶりな皿が多く、大胆な釉薬のかけ流しや松や兎など多彩な文様がみどころ。古武雄は、雑器として民藝で紹介されてきたため美術品としての評価は近年になるまで低く、ここ最近再評価の気運が高まっているそうです。出川直樹著『やきもの鑑賞入門』(とんぼの本)新潮社刊で、民藝の功罪について述べられていましたが、こんなところにも弊害があるのだと思い起こした次第。

古唐津と同時に展示されたことで、特に文様の違いに目を奪われました。古唐津は比較的簡素で単純な線描、草や花文が多いのですが、古武雄はとにかくダイナミック。また文様も魚文やら貝がら装飾が施されたものなど装飾性も高いのが特徴で、釉薬も古唐津以上に垂れ流しや刷毛目を意図的に施したり、スタンプ状のもので文様を施し埋め込む象嵌技法も駆使され、より多様な表情を作り出しています。

陶器は立体であるため、絵付け部分を一方向からすべて眺めることはできません。そのため、会場では陶器の絵付けされた側面部分を開いて平面図にしたパネルが何点か掲示されていたため、より絵画的側面で古武雄を鑑賞することが可能になっていました。そうして見ると、特に松図が面白く、横に長い枝振りの松が文様として好まれたのは枝振りが横に広がっている植物的な特徴のためなのかなど疑問もいくつかわいてきました。釉薬のたれながした表情が面白い、好ましいと思った江戸時代の陶工と20世紀アメリカの画家も同じであったのでしょうか。陶器は絵具とキャンバスのようなしみ込むステイニングはさすがに難しいかなと思いきや、染み込むまではいかずとも奥行きを感じさせる濃淡ある色彩を見せるものもあり。

70点もの古武雄の名品が紹介されるのは東海地区初とのこと。また、古武雄が九州だけでなくアジア諸国からの出土が報告されており、海外へ輸出されていた可能性があるとか。今後の研究が待たれるところです。
桃山時代の古唐津、江戸の古武雄、九州陶器の変遷を辿れる好企画でした。

なお、敷地内の県民茶室では企画展開催中の特別企画として人間国宝の故荒川豊蔵と加藤唐九郎のお茶碗でお抹茶をいただけます。各1点のみなので、既に使用されている方がいらっしゃる場合は待つ必要がありますが、運良く荒川豊蔵の茶碗で一服することができました。やはり茶碗は手にもって、茶が入った姿を賞で口をへりにつけてなんぼかなと思うのでした。この2点のお茶碗は写真撮影不可とのこと。生菓子付で550円です。

同時開催中の「世界をみる眼 古陶磁とガラス:西垣千代子コレクション」は世界各地のビーズコレクションに惹かれました。一見海中のウミウシを思わせる文様やカラフルな色、様々なビーズは地域によって固有の特色もありましたが、共通点もあるのが面白い。個人コレクションというのは、所蔵家の個性が表れます。


そういえば、日本民藝館で「九州の陶磁展」が4月1日〜6月8日まで開催中です。こちらではどんな紹介がされているのかも気になります。

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