スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

魅惑の陶製人形・知られざる日本のノベルティ 愛知県陶磁美術館

愛知県陶磁美術館で開催中の魅惑の陶製人形展と知られざる日本のノベルティ展へ行って来ました。
両展は別企画展となっていますが、双方関連性が非常に強く、魅惑の陶製人形展を見た後に日本のノベルティ展を見るとより理解が深まり楽しめると思います。
地元愛知県に住んでいながら初めて知ったことが多く、多くの知見を得ることができました。

魅惑の陶製人形展は展覧会構成が素晴らしく冒頭にはご当地瀬戸焼きの技術の粋を集めた陶製人形の傑作2点を紹介。カウンターパンチを出しておいて、第1章第1部 アジアの陶製人形(中国) 古代から均整のほほえみでは、まず陶製人形の歴史を前漢時代、漢時代の古き中国の加彩俑から辿ります。愛知県陶磁美術館蔵の婦人俑、侍女俑は過去に見て来たものに比べて個性があって愛らしさがありました。加彩から三彩そして中国の誇る白磁へと磁態は変化。職人たちが時の皇帝の命により技術研鑽に切磋琢磨した様子がひとつの国でも見られるのが面白い。

第1章第2部 アジアの陶製人形(日本)では、中国に比べて日本ではどうだったかを紹介。ご存知、土偶や埴輪から始まり、ここから一気に飛んで江戸時代の有田焼色絵人形の登場。色絵人形が西欧諸国に輸出された前置きなのか、第2章ではヨーロッパでつくられた陶製人形へと展開。ヨーロッパでは陶製人形を「フィギュリン」と呼び転じて現在の「フィギュア」という言葉ができたのだと知りました。ドイツではマイセンはじめ各社で高レベルのフィギュリンが制作され人気を呼びます。

第3章 日本の陶製人形では江戸時代以後の日本の陶製人形の紹介で、女性として初の陶製人形作家:月谷初子(名古屋・御器所に在住していた)の存在に驚きました。現在の東京藝大(東京美術学校)卒業後、陶彫の世界に入り、森村組のデザイン担当もしていたといいます。彼女の作る人形の表情の豊かさは西欧のものとは大きく異なり魅力的でした。

第4章 子供人形〜欧米からもたらされたキャラクター
だんだんテレビ番組:なんでも鑑定団を彷彿とさせる内容に近づいてくるのですが、大正5年に日本に始めてローズ・オニールのキューピー人形が輸入され、その現物が展示されていました。数年後、国内バージョンのキューピー人形が制作され、両者の違いにも要注目。平成に入ってもキューピー人形の人気は一部マニアに人気で復刻版は販売と同時に即完売だったとのこと。

第5章 日本から世界へ 〜ノベルティという、瀬戸の陶製人形
いよいよ瀬戸の陶製人形のお出ましです。西欧の陶製人形の流入で瀬戸の職人も陶製人形の制作を開始。器用という日本人気質をフルに発揮し、オリジナルを凌駕する出来映えの陶製人形が次々に作られるようになります。丸山陶器、加藤徳松(テーケー製陶所)、光和陶器、ゴトー、愛新陶器、池田丸ヨなど最盛期には何社も陶製人形を制作する会社や個人が現れ、次々に瀬戸の陶製人形は主に海外を発注先として輸出されていく。とりわけレース人形、レースを陶磁器で表現する技術は驚嘆もの。ぜひ現物を見てその技術と美しさを目にして欲しいと思います。

第6章 おもしろ陶製人形 〜いろいろなかたち〜
ここでは一風変わった陶製人形を紹介。例えば、ビリケン人形、ブック型ノベルティ、ペコちゃんのレース人形まで幅広い、何でも作ってしまう技術に再度感心しきり。ピエロランプは後述する知られざる日本のノベルティで実際に点灯している様子を見ることができます。

第7章 今日から明日へ 〜瀬戸のノベルティ100年〜
サブタイトルから分かるように、今年は瀬戸のノベルティ:陶製人形制作が始まって100年の記念年。本展開催主旨はこれだったかと納得。昭和も後半1980年代、90年代に入ると表現力や更に技術レベルが高じた人形たちが続々と紹介されています。やはり人形は顔が命。その表情に要注目で海外で作られたものとの違い、そして陶製人形はどれも洋風の顔立ちをしている点にそれまでの歴史を伺うことができます。

最終の第8章は瀬戸ノベルティのこれから、本展のために新たに制作されたテーケー名古屋人形正当株式会社の超絶技巧(最近流行ってますねこの言葉)豪華レース人形《名古屋人形》2014年と前年に制作された《アン王女》を紹介。全盛時には20程度あった陶製人形会社もどんどん減少し現在では数社しか残っていません。瀬戸の陶製人形をテーマにした展覧会は19年ぶりとのことでしたが、この間も瀬戸のノベルティ事情は大きく様変わりしているそうです。

そして、そんな瀬戸の貴重なノベルティ(陶製人形)を収集・保存しているのが「瀬戸ノベルティ文化保存研究会」。同研究会の公式サイトもあるので、ご感心ある方は検索してみてください。
研究会の協力でもうひとつの企画展「知られざる日本のノベルティ~オキュパイドジャパン、白雲陶器など~」へと展覧会は続きます。技術の高さゆえ、技術力は卓越したものがあるのに廉価ものとして扱われ美術・工芸品扱いされなくなっていった白雲陶器の名品が揃っています。あの白を出すまでの苦労がかえって首をしめることになるとは何とも皮肉な結果。そして、オキュパイドジャパンは、戦後、アメリカ占領下の瀬戸で生産されたノベルティ人形のことで、これらの多くはアメリカで高く評価され人気があるため、国内に残っているものが少ない。アメリカからの里帰り品を一同にあつめ一挙に展示されていますが、その技術、種類、多様さに驚くばかり。
占領下でのノベルティ制作の一次資料の多くは会社の消失などにより破棄されこれまでなかなか出て来なかったそうですが、本展開催に際しての調査で一次資料の所有者が見つかり、「オキュパイドジャパン」の名前が入ったインボイスや帳簿など、新出資料も展示され非常に興味深いものがありました。

開催期間:2014年6月21日〜8月17日

コメントの投稿

非公開コメント

カレンダー
07 | 2017/08 | 09
- - 1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31 - -
ブログ内検索
twitter
最近のエントリ
カテゴリー
最近のコメント
最近のトラックバック
天気予報

-天気予報コム- -FC2-
カウンター
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。