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うた・ものがたりのデザイン 大阪市立美術館

フライヤーに掲載された小袖の美しさにひかれて見に行ったら、いずれもがあやめかカキツバタといった具合にデザインが秀逸で丁寧に刺繍や染めが施された小袖や振袖が満載だった。

展覧会構成は次の通り
序 章 王朝のデザイン 葦手と歌絵
第一章 和漢朗詠集のデザイン
第二章 和歌のデザイン
第三章 物語のデザイン
第四章 謡曲のデザイン

染織品を含め蒔絵、漆芸を中心とした工芸品に日本の和歌や物語、能の謡曲のデザインがいかにとりこまれ日常において親しまれていたかを紹介する。
冒頭の展示ではかな文字を肩や背中に配した小袖が目に付く。タイプグラフィー原初の好例ではないかと思うが、それだけでは終わらない。かな文字とあわせて刺繍されている絵柄で古来より親しまれている和歌をイメージさせるものとなっている。教養ある人が見ればすぐに「古今和歌集のあの和歌のお着物ね!」といった具合に、教養を二重の意味で身につけている訳で、現在と比較すると何とも雅な世界。鈴木春信の浮世絵に隠しネタが織り込まれ、裕福な商家や知識人たちの間でクイズのような遊びとして親しまれていたことが思い浮かぶ。

物語のデザインになるとかな文字の導入は少なくなり、源氏物語や伊勢物語で人気の場面を象徴するモチーフが取り入れられて、ことによっては、その小袖を着用することで想い人に想いを伝えるなどと洒落たこともあったのではと推測され、これを発注した女性たちはさぞや楽しかっただろうと羨ましくなった。

能の謡曲のデザイン、実はこれが一番見たかったのだが、この1年半自分としては能楽鑑賞を頑張っているが、まだまだ未見の謡曲をデザインに取り入れた作品が多く、まだまだ未熟だと少々ここでは落ち込む。訪問の2日前に横浜能楽堂で見た「竹生島」だけは、はっきりと記憶が残っていて「竹生島」デザインの作品が数点あったので嬉しかった。知っている曲の作品はやはり嬉しい。能のデザインでは江戸後期〜明治にかけての小袖があり、能は明治時代に衰退期を迎えた筈だが、明治初期には商家?もしくは裕福な知識階級の間では愛されていたのだなと、これが現在まで能が脈々と続いて来た証左であるように思われた。

前後期で展示替えがあり、前期展示は見ることができなかったので図録(2300円)を購入し、母に見せたら昔の着物は手仕事で素晴らしい。今の着物は生地も薄く大半がプリントの大量生産の安物が多い、そういう着物はすぐに分かると嘆いていた。確かに、小袖にあった意匠も文字も手技による刺繍が施されているのが間近で見るとよくわかり、夏物は別として冬時の着物はずっしりとした重量感のあるものが多かったなと思い出した。

明確な企画意図が伝わる好企画。また、常設では近世絵画特集が行われているが例によって若冲はじめ常設とは思えない豪華な展示となっている。両展示を見て企画展を2つ見たような満足感と心地よい疲労が残った。

12月7日まで。11月30日には講演もあり。

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