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特別展「狩野永徳」 京都国立博物館

「京都限定30日間の奇跡」と華々しいコピーで宣伝されている「狩野永徳」展です。
これだけの大作を一度に見られる機会はもうないことでしょう。

展覧会は
・墨を極める(1号室、2号室、4号室、5号室)
・永徳と扇面図(3号室)
・為政者たちのはざまで(6号室)
・時代の息づかい-風俗画-(中央室)
・桃山の華ー金碧障屏画-(7~9号室)
・壮大なる金碧大画(10号室)
計6部より構成されています。
部屋番号は入口より右手から順に1号室→2号室・・・5号室の後、中央室を挟み6号室~10号室→出口です。


丹念に見て行きましたが、やはり印象に残ったのは前評判通りの作品でした。
順を追って振り返ってみようと思います。

・「花鳥図襖」京都・聚光院 狩野永徳筆 (1号室)
4


永徳らしい伸びやかな梅樹が特徴。生き物のような激しさと言われる筆使いはこの作品でも垣間見ることができますが、後年の作品と比較すると若干大人しめというか上品さも感じます。

・「梔子に小禽図」 狩野永徳筆
虫を捕らえようとする鳥が身構えた瞬間を梔子と共に描いた作品。
大作ぞろいの本展でしたが、この一幅は永徳の違った一面を味わえます。個人的に好きな作品。

・「柘榴図扇面」 狩野永徳筆 (3号室)
永徳は扇面制作にあまり関与しなかったということですが、数少ない作品のうち永徳真筆と謳われるものを見ることができました。
そのうち一番気に入ったのが「柘榴図」。
梔子といい柘榴といい何を書かせても上手い人です。

・「洛中洛外図屏風」米沢市上杉博物館 狩野永徳筆 (中央室)
2左

2右


前評判の高い作品の一つですが、金箔の美しさにはただただ息を飲むばかり。きらきらぴかぴか、献上品にふさわしい屏風です。
画面が大きい上に、細かい内容なので観客はここで塊となり動きません。
混雑必至の山場です。オペラグラス等持参された方が良いかと。
コーナーの隅で、屏風のハイビジョン映像が流されています。
永徳は23歳でこの屏風を描いたそうですが、大胆な作品と対照的な緻密で繊細な描写、天才ぶりを発揮です。
京都の風景と街中の人々の生活ぶりがそこかしこに描かれ、いつまで見ていても飽きません。

・「洛外名所遊楽図屏風」 狩野永徳筆 (中央室)
新発見の本作は、前述の洛中洛外図屏風に比べると小ぶりで金ぴかぶりも地味ですが、永徳の緻密な筆はここでも冴えています。

・「織田信長像」京都・大覚寺蔵 狩野永徳筆 (6号室)
6


神経質そうな性格が画面から感じられます。
保存状態がよく、色が美しい肖像画。隣に並べてあるもう一つの信長像より、この大覚寺蔵の方がきりっとした信長です。


・「唐獅子図屏風」宮内庁三の丸尚三館蔵 (2作とも10号室)
1


・「檜図屏風」 東京国立博物館蔵
3


やはり、最後はこの2点に尽きるかと。
「唐獅子図屏風」は大きいの何の。
サイズ感は図録や画像ではもっとも伝わりにくいものですが、実物を前に立った時、思わずひれ伏したくなるような迫力です。
シンプルな構成が却って迫力を増しているのかもしれません。
本展でのMyBestはこの作品。

「檜図屏風」はご存知永徳最晩年の名作。
檜の湾曲ぶりは、狂おしいほどで永徳は精神的にも肉体的にも疲労していたのでしょうか。
どこか破れかぶれのような感じを受け、見ていて悲しくなりました。

最後の展示室でこの2品含め、更に里帰り作品としてホノルル美術館蔵「老松桜図屏風」等の大作計5品があります。
洛中洛外図で力を使いすぎず、余力を残して観覧することをおすすめします。


京博はお茶や食事をする場所が館内になく、今回特にそれが辛かったです。宣伝に力を注ぐのも良いのですが、観客が利用しやすい優しい施設を目指していただければと思う次第。


*11月18日(日)まで開催中。
場内が狭いため、土日は入場制限ありそうです。

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はろるど様

こんばんは。
永徳は、真摯な方だったのでしょうね。
相次ぐ注文をさばき、スケジュール通りに
行かない時は注文主に遅れる旨の文を書いたりと
律儀なお人柄だったようです。

その真面目さがあだになり早逝。
もう少しゆっくりと好きな絵を描いて欲しかったです。

PS:TBが入っていないようですが。。。
はろるどさんの永徳記事は皆さんのコメント満載でしたね。

memeさんこんばんは。
実はこの記事を拝見した後に展覧会へ行きましたが、檜図へ実際に接するとそれを悲しいと仰られるのにとても納得しました。息苦しさもそうですが、見ていると心苦しさも感じるような作品でしたよね。

>京都の風景と街中の人々の生活ぶりがそこかしこに描かれ、一まで見ていても飽きません。

洛中洛外図を心ゆくまで観賞しようと思うと、一体どのくらいの時間がかかるのでしょうか。とてもじゃありませんが、一度の観覧では隅々まで味わえません。

今更ながらで恐縮ですがTBさせていただきます。

Minnet様

コメント有難うございます。
私が気になったのは唐獅子を所有している
三の丸尚蔵館でこの作品を展示することが
あるのかということです。

もしやこれが最初で最後の対面となりませんようにと
願うばかりです。

こんばんは。
今回は《花鳥図押絵貼屏風》や《洛外名所遊楽図屏風》などの初公開作品がたくさん見られて良かったです。《唐獅子図屏風》との対面は、ずっと忘れられないと思います。私もTBさせていただきます。

MaMiMu様

こちらこそ、ご無沙汰しております。
永徳展相当の混雑ぶりのようです。

的を絞って是非楽しんで来てくださいね。
レポート楽しみにしています。

ご無沙汰しております。
若冲プレビューのMaMiMuです。
この週末に見に行く予定です。
またレポートしたいと思います。
参考になりました。ありがとうございます。

あおひー様

こんばんは。
京博には、私もかなり不満があります。
ハード面(スペース、休憩所、カフェ)をもっと充実
していただければ、作品をもっと楽しめるのに。
あまりの人ごみでろくに作品を見られない方も
いらっしゃったのではないでしょうか。

特にお年を召された方には、きついと思います。

わたしも唐獅子がぐっときました。
あの獅子には魂が込められてましたね~。
京都でやるのは全然かまわないのですが、あの会場のキャパはなんとかしてもらいたいですね。

@とら様
確かに、他の狩野派の絵師による作品にはない
力量を感じました。
「縄文」ですからね。

@hokuraijin様
私は混雑を回避するため、敢えて休暇をとって本展に
のぞみました。
人が多いとそれだけで疲れますよね。
最後の部屋はやっぱり印象が強かったです。

@紫さま
「しぶらはったかも・・・」はんなりとした京都弁に
参りました。
唐獅子図が私も一番好きです。
三の丸尚蔵館所蔵ですが、あそこでこんなに大きな
作品は飾れないのではと思いました。

@Tak様
等伯絵画も併せてご鑑賞された由。何よりです。
後日のレポート楽しみにしています。
私はやはり永徳より等伯作品に惚れてます。

こんばんは。

日帰りで永徳展堪能してきました。
桃山文化にどっぷりと漬かれることのできた
一日でした。満足満足。

それにしても「唐獅子図屏風」
想像以上の大きさでした。

聚光院さんのせいかも?

こんばんは。

会期の短さは、秋の行楽シーズン、特別公開目白押しの大徳寺ですから聚光院 さんが長期間の貸し出しをしぶらはったせいかも、と勝手な事を想像しながら見てきました(笑)
今週末などもすごい人出のようです。
唐獅子図屏風、予想以上の大きさ、迫力で、感動の後、気がつけばなぜかにやにやしながら見てしまってました。

re:特別展「狩野永徳」

目を引く作品はやはり似てしまうのでしょうか。
とにかく人が多すぎて落ち着いてみることが出来なかった。
空いていてもいつも「ざっと見」派ですが・・

とにかく、太い幹に衝撃を受けています。

永徳

こんばんは、TBとコメントありがとうございました。
この展覧会を観て、狩野派といっても永徳は飛びぬけた存在だったということがよく分かりました。

アイレ様

こんばんは。
作品数の割りにちょっと疲れましたよね。
洛中洛外図のようなちまちました細かい作品を隈なく
見ていくのは、相当しんどいです。
しかも、人がお団子状態ですから、なおさら。

永徳作品はあまり好みではありませんが、天才
絵師だったということは肌身に感じました。

同じ日に行かれたんですね~

memeさん、こんばんは
私は夜間開館を狙って行きました。
意外と人が多くてびっくりでしたが、皆夜間開館時の方がすいていると思ってきたのかな?という感じです。
最初から凄いパンチが繰り出されて、最後にはヘロヘロでした。しかもその最後が「唐獅子図」であり、「檜図」ですから、お腹一杯です。
新発見の永徳筆が結構ありましたから、京博でずっと調査・研究していたのでしょうね~
会期が一ヶ月はもったないです。

ogawama様

こんばんは。
無難なレポートに終わってしまいました。
混雑すると見ものの「洛中洛外図」はほとんど
近づけないかもしれませんね。

琳派がお好きなら細見美術館や京博近くの
智積院は時間がなくてもOKかなと思います。

早速ですねー

頼もしいレポートありがとうございます!
私は来月行く予定ですが混雑必至、他所にどれだけ回れるか不安なところです。
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