スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

「河口龍夫-見えないものと見えるもの-」 名古屋市美術館

椅子

2週間ほど前から体調を崩しているため、今日は遠出をやめ近場の名古屋市美術館で開催中の「河口龍夫」の展覧会へ行って来ました。
今回の展覧会は、兵庫県立美術館との同時開催、2つの場を使用し河口作品を媒介として「関係-見えないものと見えるもの-」を展観していくコンセプトです。

たまたま行った時間にボランティアガイドの方による解説があったので、参加しました。
これが良かった。
解説なしでは、分からなかった見所やツボを教えていただいたおかげで、一層作品を楽しく鑑賞することができました。また、一緒に参加されていた方々の感想も参考になり、一人で見るのとはまた違った見方もできたと思います。

作品リストがなかったため、ほぼ記憶のみで作品をたどってみます。

会場入口正面にあった作品「関係-腰掛けた水」(1998年)。

鉛で覆われた椅子の上に、蜜蝋で黄色に彩られた盥がいくつか重なって置かれています。
中にはお水が張られており、その水の上に銅製の小さな鉢とこれまた鉛で覆われた種子が1つ入っています。
さらに、吹き抜けの天井には滑車でつながれた青色の円錐形おもりが、水面に弧を描く。

この作品を最初見た時は、おもりの動きにばかり気を取られてしまい、作品全体の意味がよく分かりませんでした。
円錐形のおもりは地球の自転を象徴しているそうです。
そして、作品を通じ下記の関係を私達は考えることができます。

・対面した二つの椅子 → 空間
・滑車で結ばれた二つのおもり → 存在、時間?
・鉛と種子 → 生と死

種子は蓮の種なのですが、銅製の鉢が蓮の花のようにも見えます。


次に、中へ進んでいくと今度は不思議な音と匂いが。。。
その正体はひまわりの種子。
今回の展覧会にあたり、カナダ産のひまわりの種子を5.4tも用意したそうです。

そのひまわりの種子が目の前に山積みとなって出現。
匂いの正体はこのひまわりの種でした。

では音の正体は?

なんと、2階からひまわりの種が降って来て、山の一角をなした瞬間の音だったのです。
2階からは観客がスコップで種子をすくって、透明なパイプに種子をそそぎます。
パイプは種の山のほぼ中央落下点に設置され、パラパラと音を立てて落ちていく。
ひまわりの種子に覆い隠されているのは、鉛でできたピアノと椅子。
会期終了時には全てが覆いつくされる予定です。
ピアノには1つ秘密がありますが、それは展覧会出口近くで流れている映像にて確認できますので、お見逃しなく。

会場に設置されていた解説パネルの作家自身の言葉によると、「芸術は精神の冒険だと思っている。また、美術は芸術の中でも視覚を中心としたものと考えられているが、自分は視覚だけでなく五感を使って感じるものと捉えている。視覚という垣根を越え、境界を曖昧にすることが目的。見えるものを見えなくしたり、見えないものをより見えなくすることで、その目的を実現したい」云々(注:ここで記載した内容は、あくまで概略)。


「関係-種子 四季の時間」では、鉛の長方形レリーフが壁一面に展示されています。
そのレリーフには種子が埋め込まれているのですが、左から順に

・たんぽぽ
・スイカ
・コスモス
・りんご

と季節を象徴する植物が選ばれているのがミソ。
更にレリーフの置き方にも工夫があって、左端と右端がパズルのような補足関係に配置されています。
作者はこれらを通じてめぐりめぐる四季、循環を鑑賞者に伝えていました。

2階には大掛かりな空間インスタレーションが二つ。
「関係-電流・種子の時、化石の時」。
これは大掛かりな理科の実験をアートにしたら・・・こうなりましたという感じ。
室内一面に銅板が置かれ、その銅版を同じく銅で覆われたもしくは銅製のオブジェがつないでいます。
床には低電流が流れており、この銅板、銅オブジェをめぐって、途中小さな豆電球や砂磁石で描かれた文様があったり。
さらに、銅でできた箱庭には亀の化石(本物)が。
化石は、生死を象徴するものとして種と同じく河口作品に使用されているものです。

もう1つは見えないものを見えるようにした作品。
暗い室内に天井からの光を通して言葉を床に浮き上がらせています。
言葉自体が「愛」「生」「闇」「関係」等々のように、目に見えないものを表現しているものが選ばれていました。

作品全体を通じ、夏に見た藤本由紀夫展を思い出しましたが、こちらの方が分かりやすかったと思います。

*12月24日まで開催中。
兵庫県美での共催展は16日までです。

コメントの投稿

非公開コメント

はろるど様

こんばんは。
本日兵庫県美での河口龍夫展に行ってきました。
感想は後日アップしますが、兵庫は空間の広さと建物を
上手く活かしていましたね。

浮遊する蓮の船は圧巻でした!
あれを見られただけでも、行った甲斐があります。

こんばんは。私は兵庫県美の方へ行ってきましたが、やはり解説ツアーがあるとまた見方が変わってきそうですね。こちらの記事を拝見して見えないものと見えるものを問う河口の制作の方向が、少し見えてきたような気もしました。ありがとうございます。

それにしても同時2館での個展開催とは凄い作家ですよね。
あまり他の例を知りません。両方見るとより楽しめてきそうです。
カレンダー
09 | 2017/10 | 11
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31 - - - -
ブログ内検索
twitter
最近のエントリ
カテゴリー
最近のコメント
最近のトラックバック
天気予報

-天気予報コム- -FC2-
カウンター
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。