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「ロートレック展」 愛知県美術館

気が付けば、はや6日。
4日、5日の「のだめスペシャル」が原因でブログ更新も怠ってしまいました。

さて、年明け3つ目の展覧会はロートレック。こちらも、気が付けば会期終了が14日と迫っており、慌てて行って来ました。

ロートレックのポスター、素描、油彩をはじめ彼が生きた時代に関する写真・映像を加え約300点で構成されています。作品は年代順でなく、テーマ別に展示されていました。

私が注目したのは「ロートレックと日本文化」についての展示です。
ここでは、当時のジャポニズム隆盛と浮世絵がロートレック作品に与えた影響を考えさせる試みでしたが、一見するだけでは分かりにくかったと思います。会場を出た後、図録を読んで「なるほど~」と思いました。
ここでは、関連作品として浮世絵も数点展示されています。展示会場によって、使用される浮世絵は違うようで、愛知県美では展示がありませんでしたが、他会場では歌麿の名品も出た?出る?ようです。今回は、写楽、勝川春亭、歌川国安の作品が出ていました。

<浮世絵からの影響>

1.「影」の使い方。
浮世絵では人物群を黒く影にして背景に使用することがありますが、ロートレックのポスターにも同じ手法が使用されています。言われてみれば、かの有名な「ムーラン・ルージュ、ラ・グーリュ」にも黒い人影が見えます。
ムーラン


2.大首絵方式
ロートレックは演劇やショーのポスターを手がけることが多かったのですが、ここにも歌舞伎役者を主題にした役者絵の影響を見ることができます。
例えばアリステッド・ブリュアンを描いたポスターに見られる役者の個性、特徴を誇張するような強烈さは、確かに浮世絵にヒントを得たのかもしれません。

3.娼婦→主題が似ているという結びつき
ロートレックは娼婦を多く描いています。浮世絵もご存知の通り、遊女をモデルとした美人絵が山ほどあります。ロートレックは娼婦と生活をともにすることで、彼女達の華やかな表の姿だけでなく、裏の姿をリアルに捉えました。
今回私が良いなと思った作品は、ほぼ全て娼婦を描いた作品でした。

・「赤毛の女<身づくろい>」1889年 オルセー美術館
赤毛

舞台の出番前なのか後なのか、細い女の背中からは気だるさ、しどけなさを感じますが、それでも彼女の背中は美しい。
ロートレックは赤毛の女性を好んで、モデルにしたそうですが、本作も髪の色が赤であるために、背中の白さが強調されているような感じを受けました。

・連作「彼女たち」
このリトグラフシリーズ最高です。髪を梳るポーズ、鏡を覗き込むポーズ、眠る姿等、娼婦達の日常である様々な場面を素晴らしい線で描ききっています。
このシリーズは100部限定で販売されたのですが、作品の出来とは対照的にほとんど売れなかったと解説にありました。
確かに地味な作品ですが、ロートレックの娼婦に対する視線、気持ちが伝わってきます。

・「ひとり」
「疲労」の下絵として描かれた作品ですが、この下絵の方が断然良かったです。
ベッドに疲れ果てて、仰向けになり足をだらんとさせた様子からは虚脱感、孤独だけの世界。
こんなポーズをとっている日が自分もあるような。。。思わず共感してしまいました。


他には、雑誌「ミルリトン」に提供していた挿絵、表紙絵も素晴らしかったです。

全体的に、油彩よりリトグラフ・ポスターが中心であるため、油彩を期待して行くとがっかりするかもしれません。
会場の半ば頃から、華やかなパリの歓楽街に自分がすっぽり包まれたような気がしてきました。ロートレック作品を通じて、当時のパリを回顧する展覧会であったと思います。

*1月14日(月・祝)まで開催中。この後サントリー美術館に巡回します。

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Tak様 

こんばんは。

ロートレックの名は、絵画より先に筒井康隆の
「ロートレック荘事件」で知りました。
中学生だったかな~。懐かしい。

No title

こんばんは。

図録には各美術館で展示公開される
浮世絵が載せてありましたね。
贅沢いえば全部観たいところです。

「ひとり」はロートレックならではの作品&視線でしたね。

とら様

こんばんは。
lysander様のコメントにもありましたが、雰囲気を味わう
展覧会だったと思います。
ロートレック=歌麿系 に1票投じます。

ロートレック

映画が何本かあってよかったですね。
「ひとり」も見てきましたよ。
浮世絵としては歌麿系のような気がします。

あべまつ様

こんばんは。
「30年前・・・」激務時代?に反応してしまいました。
ビデオのヘアスタイルまで記憶が及びませんが、そんなに
凄い髪型でしたか?
あのダンスは、一発アイデアものですよね。

No title

こんばんは。今年2回目のサントリー美術館行ってきました。
パリの喧噪と、ジャポニズムのうねりと、彼自身の生涯が混然としていて、
でも、彼を愛してやまない人々の心が溢れていました。
memeさんの「ひとり」の感想が、30年前の私なら一緒~と思いました。
ロイ・フラーのビデオありましたが、踊っているのは代理人だそうです。
真面目で凄すぎる動きと、ヘアスタイルに一人で受けてました。

lysander様

こんばんは。
確かに仰るとおり。
パリの喧騒、盛り場の雰囲気満載でしたね。
パリのこの時代を生きたロートレックの生き様が少しでも
理解できていれば良いかなと思います。

No title

memeさん
こんばんは

サントリー美術館の展示を観てきました。
雰囲気を楽しむ...そんな展示だったと思いました。

oki様

ロートレック作品をテーマに当時のパリ風俗史を知るという
面白い趣向の展示でした。
ここには記載しませんでしたが、ダンサーやサーカス芸人の
映像も一緒に展示され、会場にいると、自分がパリに入り込んだような
錯覚さえ覚えます。
ぜひ、お楽しみくださいませ。

No title

久しぶりの毎日新聞主催の首都圏でのイベントということでサントリーも気合が入っております。
「六本木ムーランルージュ」なるチラシまで作っています!
考えれば同時期に横山大観が新美術館で始まるので、これはしごする人も多いだろうなー。
浮世絵とのつながりを楽しみに待っています。

遊行七恵さま

こんばんは。
TBちゃんと着地していますので、ご安心ください。
ロイ・フラーの写真と踊りの様子が分かるVTRはありましたよ。
あのコーナーにあった彫刻も良かったです。

作品リストが愛知県美にもなかったのだけが残念です。

No title

こんばんは
TBしましたがうまくいってるかなぁ・・・というところです。
この展覧会は本当にいい展覧会でしたね。
わたしも「彼女たち」にとても惹かれました。
以前見たことはあったのですが、改めて眺めると、孤独と愉悦とを感じます。

そちらではロイ・フラーのショーのVTRなどありましたか。
あれはやはり世紀末の匂いのするものでした。

No title

あべまつ様
何と言っても今回のマイベストは「ひとり」という油彩です。
この1枚は、あべまつ様のおっしゃる「そこはかとない悲しみ」に
溢れています。
ぜひ、お出かけの際にはチェックしてみてください。

No title

こんばんは。
サントリーにロートレックが来るのを楽しみにしています。
彼の作には何かそこはかとない悲しみが存在していて、
光の当たらない所、人のどうしようもなさがあるようで、そこが好きな所です。
パリの素敵な時代でもありますね。
ゴッホが浮世絵に憧れたように、
パリで浮世絵や日本工芸美術が人々の心を魅了したことが誇りに思えます。
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