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金比羅宮への旅(4) 「書院の美」展

さて、高橋由一館を出発し、本宮を再び目指します。ここからの記憶が実はあまり残っていません。旭社という本宮と見紛うようなお社を過ぎるとやがて、本宮に到着。無事参拝をし、いよいよ「書院の美」拝見です。
その前に「神椿」でサンドウィッチで軽く腹ごしらえし、「書院」へと向かいました。

東京芸大での展示については、このブログでわずか2行程しか残していません。こんなはずじゃあない、もっと素晴らしいはずなのに。。。期待が大きすぎたのか感動がわいてこない展覧会となってしまいました。
やはり、金刀比羅宮で見てみたい!この思いが強くなり、今回の旅となったわけです。

結果、素晴らしい内容であったことは旅程編で書いた通りです。では何が違っていたのか。
明確な違いが現れたのは応挙の「瀑布古松図」でした。この障壁画は前回複製画を見ていた筈ですが、ここでは全く別モノ、見た瞬間圧倒されます。
凄い凄い凄い。。。言葉になりません。

「瀑布古松図」は書院横のお庭とその背後の山、更には隣の「七賢の間」とをつなげた作品でした。滝から流れる水流はそのまま庭の池に続いています。絵画が庭の一部なのか庭が絵画の一部なのか、両者を隔てるものはなく全てが一体と化している。
障壁画はむろんのこと、お庭や池も移動させることはできません。この金刀比羅宮でしか、応挙の意図を感じ取ることは難しいのです。

通常公開時は、この障壁画のある部屋の中には入ることができず、ガラス越しにしか見ることができません。私はこのお部屋に入った時、自然と正座をしていました。それが絵を見るのに一番落ち着いて自然な形であると身体が勝手に動いた感じです。
かつては貴人が接待されていたように、現在の自分も同じ体験ができるのです。こんな体験はこの先あるかどうか。

この日は曇り空でしたが、薄暗いことが幸いして、金箔が殊更美しく映えていました。1日中、このお部屋にいらっしゃる係の方のお話では、夕暮れ時も素晴らしいとのこと。
プライスコレクションの展覧会の際、照明の当て方で障屏画の見方が変わることを知りましたが、ここでも光によって作品の見え方が異なる日本絵画の素晴らしさを再び感じます。

このお部屋では丸天井や欄間などの建物も見所です。当時、天井の角を丸く作ることは最高水準の技術であったそうです。

もう1つ。
次の邨田丹陵の「富士一の間」「富士二の間」も空間を活かした作品です。こちらも係の方が一番作品が美しく見える位置を教えて下さって、正座して富士の山を遠目で見ました。
すると、富士山の麓で狩をする武士という作品意図が明瞭に分かります。


更に奥書院へと続きます。
奥書院と表書院の間に、若冲の「花丸図」襖絵と「象頭山社頭並大祭行列図屏風」が展示されています。後者は、まさに自分がたどってきたそのままの道のりが描かれており、江戸時代とさほど変わっていない参道とその雰囲気を感じとれます。これも、階段を上ったおかげ。

奥書院に入ると最初は茶室に通され、正面に鹿を描いた作品(岸岱の弟子作)があります。やがて奥書院上段の間へ。
ここでも、入ったと同時にもう声が出ません。金の美しさと若冲の花の絵がきらめていて、まぶしい程。金箔や画料の輝きまでは複製画で再生することはできないのだと再び痛感。
このお部屋は金刀比羅宮の別当の住居であったそうで、蚊帳を吊る金具が4隅に取り付けられていることから、往時の状態がうかがわれると教わりました。
いかめしいガードマンの方がこういったことを教えて下さるのも楽しかったです。
このお部屋では、釘隠しの細工にも注目。応挙の部屋にあったものとは違っています。

この後、岸岱のお部屋へと続きますが、あまりにも素晴らしい作品の連続で既に感覚は麻痺状態。
呆然自失のまま、芸大展示で一番お気に入りの群蝶図や柳の間を拝見。
柳の間には、今回初公開の若冲作「飛燕図断片」がかつてそこにあったであろう、壁の前に厳かに展示されています。

何はさておき、繰り返しになりますが、かつてと同じ状態で作品を拝見できるのは、非常に貴重な経験でした。あらためて、金刀比羅宮の関係各位の皆様にお礼申し上げます。


最後の白書院では田窪恭治による製作途中の「椿」が壁一面に鮮やかな彩を添えています。
応挙、若冲、岸岱の名画を横に、作品の制作にあたるのは名誉でもありますが、非常にプレッシャーのかかる仕事ではないでしょうか。
あと2年後に完成予定だそうですが、完成の暁には再び訪れたいものです。


次回、宝物館編で金刀比羅宮への旅は最終回です。

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mizdesign様

こんばんは。

日本は狭い。
どこにでもその気になれば行けちゃいます。
皆様をあおってしまったようですが、その感動は現地に
行ったからこそですよね☆

感動山盛り

こんばんは。
書院は言葉に表し難い感動が山盛りでした。
四国って意外と近いと分かったことも発見でした。

どうもありがとうございました!

No title

こんばんは。
皆さん、日帰り強行スケジュールで驚きです。
アート魂燃えまくり?!
日帰りでも何でも良い作品、良い空間に出会えたら
疲れもふっとびますね。

おかげさまで

こんばんわ。
おかげさまで昨日、日帰りで行ってきちゃいました。
あの空間で見るだけでぜんぜん違いますね。
四国まで行って見て大正解でした!

Minnet様

こんばんは。
仰るとおり、建物、お庭全てと一体となった作品で
応挙はここまで考え抜いて描いたのかとつくづく感心しました。
日本文化の極みだと思います。
これに限らず、日本画と畳みに正座して向き合うことの素晴らしさを
感じました。

現地が一番

こんばんは。
すばらしい。
大変貴重な体験をされましたね。
障壁画は、現地で見るのが最高だと思います。
とくに応挙の障壁画は、建物の空間と一体となっていたのではないでしょうか。
私もいつか畳に正座して向かい合えたらと思います。(今回は無理そうです。)
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