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「木村定三コレクション 名作展」  愛知県美術館

愛知県美で25日から開催中の「木村定三コレクション 名作展」を見て来ました。木村定三氏(1913-2003)は名古屋で著名な美術収集家として知られ、90歳で亡くなられた後、3000点もの膨大なコレクションを愛知県美術館に寄贈されました。
普段、木村定三コレクションは県美の一番奥の専用展示室で展覧されていますが、展示数はごくわずか。年初にロートレック展の後、木村定三コレクション室を覗いたら、浜田知明の版画や地元アーティスト鷲見麿などの現代アートが紹介されていて、収集作品分野の幅広さに驚いたばかりです。

今回の展覧会は、3000点の中からよりすぐった名品約200点を一挙公開しています。
結論から申し上げますと、素晴らしいコレクションで木村氏の審美眼、収集家としての魅力ははかり知れないものがあると感じました。

展覧会構成と感想は以下の通り。

第1章 古代の形象
青銅器、玉器、印象、銅鏡などオリエント・中国など古代の人々の造形を紹介。

入口入って目の前にあった中国・春秋時代(紀元前8~5世紀)青銅壺は素晴らしかったです。精緻な紋様と緑青の入り方が抜群に作品をひき立てているような印象を受けました。

・青銅鍍金蚕 漢時代
紀元前2世紀に既に蚕は存在していたのですね。青銅であっても実物そっくり。蚕に比べて、隣にあった蛙は、ちょっと似てませんでした。

・青玉へき
玉器は中国において神霊とつながる物と信じられ、中でも妖しさに虜になったのが、「玉へき」祭器や身分を示す標識として使用されていたそうです。
形は円形で、紋様が彫られています。このような「玉へき」を過去見た記憶がないのですが、玉器はその歴史を感じさせず、当時のままの姿を見せてくれます。

第2章 祈りの造形
仏画、仏像、密教法具、経筒などの仏教美術をテーマとした作品を展示。

仏像は中国の石造、日本の不動明王像(平安時代)まで、どれも素晴らしいの一言。
石造の中で1つ、獅子?とと思われる1対の動物がありましたが、その表情の滑稽さも今回初めて目にしたものです。

・「阿弥陀三尊来迎図」 14世紀
保存状態が良く、仏の表情までよく見てとれます。

仙がいの力が抜けた禅画もあり、これがやっと仙作品の本物と出会うことができました。

第3章 仮面
鎌倉時代の舞楽面、室町時代の能面を展示。

第4章 近世絵画の諸相
江戸時代の絵画名品を展示。

いきなり、歌川豊春の肉筆美人画「遊女図」(画面が大きい)が目に入ります。すごい。。。
・「王子喬図」 英一蝶
・「六歌仙図」 伊藤若冲
・「薔薇蝶狗子図」 長沢芦雪
・「林檎図」 鈴木其一
・「寒山拾得図」 曽我蕭白
など11点と展示数わずかですが、見応え十分。これだけで、満腹感あり。

第5章 茶の湯の芸術
朝鮮茶碗から桃山~江戸時代の名茶碗、茶道具がずらり。

・「緑釉日本地図角鉢 源内」 江戸時代
日本地図を器の絵に使うとは、驚きです。しかも、現代でも目にする日本のかたちとほぼ同じ。地理学、地図学が発展していたことが伺われます。周囲には緯度を現しているのか数字や方位も描かれています。

中国・清時代の螺鈿合子と小盆は非常に細かい幾何文が施されており、精緻の美の極みを見た気がします。

第6章 南画の系譜
ここでは木村定三コレクションが誇る与謝蕪村、浦上玉堂、小川芋銭を中心とした南画約35作品を展示。
重文指定を受けている蕪村の「富嶽列松図」、玉堂の「秋色半分図」「酔雲醒月図」など5作品を一度に鑑賞できました。

これらの名品とは別に私の関心をひいたのが小川芋銭の作品たち。
・「若葉に蒸さるる木精」 1921年
明治という新しい時代を感じさせる斬新な色使い。幻想感を高めています。

レアものかどうかは不明ですが、あの萬鉄五郎の日本画もあり、洋画だけではなかったのか!と新鮮な驚き。しかし、私は彼の洋画の方が好きです。

平福百穂、森田恒友など初めて知る作家の名前もありましたが、静かな雰囲気で飽きずに眺められそうな作品でした。

第7章 熊谷守一とその周辺
熊谷守一の作品は前述の各章でもそのテーマにちなんだ作品が数点並んでいましたが、ここではお馴染みの絵画と絵付けをした器が2点。長谷川利行、須田剋太、香月泰男のコレクションも併せて紹介。

・「伸餅」 1949年
高橋由一の豆腐のように真っ白な四角いお餅が3つ。お餅というよりはんぺんに見えます。

須田剋太の作品は、力強い。昨年展示されていたとりわけ「東大寺落慶供養」は華やかです。

第8章 「近代日本画」
村上華岳、岸田劉生、福田平八郎、土田麦僊らの名だたる作家の作品ばかり。

・「村嬢姿」 岸田劉生 
やはり、お気に入りの劉生作品に吸い寄せられます。ちょっとどろり系入っていますが、楽しく遊ぶ童女達が漫画チックに描かれていて楽しい。

・「櫨紅葉」 福田平八郎
久々に福田平八郎の良いものを見たような気がします。こういう作品を描けるのが平八郎の魅力だと思うのですが、なかなか出会えません。

大変な作品群で見所満載にも関わらず、場内は閑散としており、ゆっくり名品を鑑賞できます。


更に、今回常設展では新収蔵作品として、東松照明の写真55点と川瀬巴水の版画40点が特別公開されています。もちろん、愛知県美の誇る名画クリムト「黄金の騎士」など西洋絵画やドイツ表現主義作家の作品なども展示。

これで、しめて入館料500円は破格のお値段かと。なお、名古屋市営地下鉄・市バス1日乗り放題の「土日エコきっぷ」を呈示すると100円引きで400円!

所蔵品だけで、これだけの展示ができる愛知県美術館は、本当に素晴らしいと思います。公立美術館の所蔵コレクションでこれだけ幅広い分野を網羅できるのは、国内でもここだけではないでしょうか。


*「木村定三コレクション名作展」「川瀬巴水」特集展は3月23日まで開催中。
名古屋ボストンの浮世絵名品展と併せて名古屋詣ではいかがでしょう。お薦めです。

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oki様

お申し出ありがとうございます。

それでは、日程予定が決まり次第、当方よりご連絡
させていただきます。

No title

memeさんこんばんは。
本日「わたしいまめまいしたわ」のチケットが入りました。
これにはぜひ行きたいとおっしゃられていたから3/9までにはこられるのでしょう。
memeさんの日程予定を拝見して、それに合ったチケットが入っていれば差し上げるという方法でいかがでしょうかね。

@oki様

ありがたいお申し出、ありがとうございます!

行けるものなら、飛んででも行きたいのですが、
さすがの私も次回の上京予定が立ちません。
3月上旬を考えているのですが、日帰りになりそうで
埼玉にまわる時間は残念ながら作れそうにありません。

日程がかたまった際、oki様のお手許にチケットがまだあれば、
是非おすそ分けいただければと思います。

No title

こんにちは。
埼玉の展覧会は巡回してこれが最後なのですよ。
memeさんが埼玉こられるしか観る方法はないですね。
ちょうどチケットもあります!
memeさんとはまだチケットのやり取りしていませんでしたね。
ぜひ行きたいといわれていた近代美術館「わたしいまめまいしたわ」も数日で入る予定ですし、新美術館の横山大観もあります。
ご希望の節は送付先をメールでご連絡ください!

oki様

こんばんは。
熊谷守一の無駄をそぎ落とし、対象をシンプルに
かつカラフルに表現する作品の良さがだんだん
分かってきました。
初期の写実表現作品との変遷をしっかり見たいです。
埼玉の展覧会は巡回ないのでしょうか?

No title

ほう、そちらでも木村定三コレクション展が開かれているのですか。
僕は今日埼玉の熊谷守一に行ってきまして、愛知県美術館の木村定三コレクションからかなりありましたよ。
守一はいいね、「天皇さんがわたしの絵をごらんになって「子供の絵か」とお聞きになったんだそうです」とは守一自身の言葉、しかし無駄なものをそぎ落とすのが難しいんですよね。
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