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「茶人のまなざし 森川如春庵の世界」  名古屋市博物館

「茶人のまなざし 森川如春庵の世界」展に行って来ました。名古屋市博物館が放つホームラン級の展覧会です。

さて、森川如春庵(もりかわ にょしゅんあん)の名をご存知の方はどれだけいらっしゃるでしょうか?古美術に詳しい方であれば「佐竹本三十六歌仙絵巻の切断に立会い、巻頭の「柿本人麿」を引き当てた人物という知識をお持ちかもしれません。
如春庵は、今の愛知県一宮市の素封家(大地主)で、知る人ぞ知る尾張の数寄者であり、事業を手がけることなく、生涯に何と3千回もの茶会を催したと言います。中京の麒麟児と言われるその姿を垣間見ることができる貴重な機会にめぐり合いました。
展覧会概要と構成は以下の通りです。

<概要>名古屋市博物館公式HPより引用
如春庵森川勘一郎(1887~1980)の名は、三井財閥の総帥鈍翁益田孝(1847~1938)らとともに佐竹本三十六歌仙絵巻の切断に立ち会い、巻頭の「柿本人麿」を引き当てた人物として、あるいは今は切断されてそれぞれ国宝や重要文化財に指定されている紫式部日記絵詞の発見者として知られていますが、後世森川如春庵の名を最も高からしめたものは、本阿弥光悦作の茶碗「時雨」を所持していたことでした。
 昭和42年、43年の二度にわたって名古屋市に寄贈された「時雨」を含む如春庵蒐集品188件211点は、平成18年2月16日に一括して名古屋市博物館に移されました。本展覧会はこの移管を機に、寄贈資料のみならず、昭和の大茶人であり、古美術品蒐集家であった如春庵がかつては所持し、今は他所にあってそれぞれ高い評価を得ている茶道具・美術品を一堂に会し、如春庵蒐集の精華を再現しようとするものです。


<展覧会構成>
第一章  如春庵森川勘一郎の人と交友
第二章  蒐集よもやまばなし
第三章  如春庵と茶の湯

如春庵は、わずか16歳にして黒楽茶碗=本阿弥光悦作「時雨」(重要文化財・名古屋市博物館蔵)を祖父に欲しいと伝え、手に入れます。16歳にして光悦の茶碗を欲するその感性は天性のものでしょうか。更にその3年後17歳で森川家当主となっていた如春庵は同じ光悦作の赤楽茶碗「乙御前」(個人蔵)を購入するのです。
個人的には「乙御前」が私の好みで、もうこの茶碗の前に立った時には陶芸音痴の私でさえ、戦慄しました。
赤楽


さて、本展の最大の見所は益田鈍翁と如春庵との交流ではないかと思います。両者が初めて言葉を交わしたのは大正二年の大師会、如春庵は26歳でした。如春庵は40も年上の鈍翁に対し、「あなたは金の力でものを買うが、私は目の力で買っている」と言ったそうです。何と言う度胸!
しかし、そこで怒らなかった鈍翁も偉い!懐が大きいと言いますか、その後2人は世代を超えた交流を続け、まるで祖父が孫を可愛がるように、孫が祖父に甘えるように、丁々発止のやりとりがあったりエピソードは尽きません。

展示作品については詳細を述べるのは避けますが、名古屋市博物館蔵の森川コレクションは寄贈時に公開や貸し出しをできる限り避けることが条件であったため、この半世紀全貌が明かされぬまま、専門家の間では幻のコレクションと言われていました。
今回の展示では、名古屋市博の森川コレクション作品だけでなく、かつて如春庵が所持しその後人手にわたってしまったものも一同に展示されており、大変見応えのある内容です。会場を出る時にはどっぷり数寄の世界に浸っており、もっともっと如春庵や茶道具について知りたくなっていました。
図録は名古屋市博物館30周年記念に相応しく、厚みたっぷり、中身もたっぷりで2,200円。
残念だったのは、作品リストが準備されていなかったこと。図録を見よということ?

絵画では
・「稲の図」伝任月山筆 元時代 名古屋市博物館蔵
稲

・「伝仏鬼軍絵巻断簡」重要美術品 鎌倉時代 個人蔵
などは、普段なかなかお目にかかれない作品です。

1時間半の鑑賞では時間不足で全てを堪能できず、展示替えも行われるため再訪します。名古屋市では愛知県美で「木村定三コレクション」(3/23まで)も開催されていますが、時代の差はあれ、個人コレクションとして比較すると非常に興味深いものがありました。
4月号(2/28発売)の古美術・工芸雑誌「目の眼」でも特集されています。私は今回図録は買わず、このコンパクトな小雑誌を買いました。特集記事だけでなく古美術や書に関するコラムも面白く、この機会に継続購読しようかと。。。

目の眼


茶の湯好き、陶芸好き、古美術好きの方には一推し、必見の内容です。

*4/13まで開催中、期間中展示替えがあり。詳細は名古屋市博物館HPをご参照ください。
この後、10/4~11/30に三井記念美術館に巡回します。

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三井文庫 『森川如春 ―茶人のまなざし―』

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「森川如春庵の世界」展

三井記念美術館で開催中の 特別展「茶人のまなざし 森川如春庵の世界」展に行って来ました。 「中京の麒麟児」と呼ばれた森川如春庵のコレクションを名古屋に続き初めて公開する展覧会。たまたま会場でばったりmemeさんにお会い出来たのは幸運中の幸運。「元中京

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Tak様

こんばんは。
「土地性」まさにそれですね、三井に欠けていたのは。
どうも同じ展覧会とは思えませんでした。
名古屋市博には、開催者の熱意を強く感じて、
それが鑑賞者に伝わってきました。

No title

こんにちは。

東京展の記事TBさせていただきました。
出来れば名古屋で観たかったです、これだけは。

量だけでなく「土地性」のようなものも
含めてよさが分かるものもありますからね。

oki様

こんばんは。
チケットプレゼントは何かと身辺が慌しくなり、結局応募できずじまい。
暁斎展のチラシを入手しましたが、海外からの里帰り作品や先日
成田で見た引き幕も出るようで、個人的には期待いっぱいです。

No title

「目の眼」プレゼント応募されましたか?
僕は今日東山魁夷のチケットが当選して届きましたよ!
memeさんはどちらに応募されたのかな?
ネットを見る限り、京都の暁斎はあまり話題になっていなくて当選しそうですね。

No title

@oki様
貴重な情報ありがとうございます。
「本誌掲載時は匿名希望」と書いて早速応募してみます。

@tsukinoha様
三井記念美術館の雰囲気は荘厳です。
特に入ってすぐの展示室は、作品が一層映えます。
ぜひぜひ、おでかけ下さいませ。

No title

こんにちは。
記事を拝読してう~んと唸りました。これは是非とも出かけなくては。(東京住まいですが、まだ三井にさえも行ってないんですよ・・)嬉しい情報ありがとうございます。

No title

「目の眼」の読者プレゼントは申し込まれましたか?
京都の暁斎と東京の東山魁夷ですが、初めて申し込めばたいてい当たりますよ!
僕は二回もこの雑誌の「読者の広場」に「世田谷区、○×」と実名で何の断りもなしに掲載されてあべまつさんに見つかってしまいました/苦笑。
チケットのやり取りをしているとそういう不便なところもありますね。
古美術の雑誌はこれと「小さな蕾」がともにコンパクトでいいですね。

No title

@oki様
こんばんは。
ご指摘の「目の眼」については追記しました。
この雑誌面白いですね。コンパクトサイズで軽いのも気に入りました。
この展覧会は茶道具だけでなく、絵画、書なども併せて楽しめます。
古美術は、はまりますね。

@mizdesign様
こんばんは。
三井記念美術館なら、国宝の時雨や乙御前も一層映えることでしょう。
織部の焼き物も逸品ぞろいです。
同じ展覧会を別会場で見ると展示方法による違いも明確になって
別の面白みを発見できるかもしれませんね。

生涯3000回

こんばんは。
生涯3000回の茶会開催って凄いですね。
それだけで観に行きたくなります。
東京に来るとのことなので、楽しみに待ちます。

No title

この展覧会ですね、古美術雑誌の「目の眼」で特集されていたのは。
今では如春庵といっても名前を知らない人が多いと雑誌インタヴューで嘆いておられましたが僕も知りません/笑。
ということで三井記念に巡回するのを楽しみにしています。
いやーあ、古美術の世界は奥が深いや。
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