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「藤井達吉にいた大正 大正の息吹を体現しフュウザン会と前衛の芸術家たち」 碧南市藤井達吉現代美術館

今日の愛知県は既に夏。半袖Tシャツがちょうど良い、汗ばむほどのお天気でした。
さて、本日は午前中に愛知県美の「杉本健吉」展を午後から西尾の岩瀬文庫から碧南市藤井達吉現代美術館へ行って来ました。

藤井達吉の名を耳にしたことがある人は、どのくらいいるのでしょう?
かくいう私もこちらの美術館のオープンで初めてその名を知った次第。以下展覧会チラシからの抜粋でまずは藤井達吉についてご紹介します。

藤井達吉は1881(明治14)年、愛知県碧海郡(現・碧南市)に生まれた美術工芸家です。藤井は工芸の近代化を目指した前衛的な美術家として現代を駆け抜けました。ヨーロッパの前衛芸術動向を自らの創作活動に反映させたフュウザン会の結成にかかわるなど、新しい芸術創造活動に向けて情熱を傾け、近代工芸界の歩みの最先端にいたのです。。。以下略。

本展では、藤井達吉の作品を彼と交流のあった芸術家たちの作品約83件117点と併せて展観し、大正という時代を検証します。

展覧会構成とともに印象に残った作品、作家について。

第1章フュウザン会第1回展に参集した人々。

まず、この第1章に驚きます。
・岸田劉生 「赤土と草」 浜松市美術館蔵
岸田ファンとしては、この作品大好きです。後の切り通しの写生につながる一点。

・萬鉄五郎 「風景(春)」宮城県美術館 「静物(噴霧器)」岩手県立美術館
両作品とも初見。いずれも大正1年頃の作品で、色づかいが鮮烈。これが見られただけで早満足。

・斎藤与里 「木陰」 加須市教育委員会蔵
ゴーギャン風。

・川上涼花 「あざみ」 個人蔵

・高村光太郎 「手」 個人蔵
左手ひとつで、ここまで圧倒的な存在感のある彫刻を作れるところが凄い。何度見ても感動。

他にも木村荘八、川上涼花らの作品はゴッホなど西洋絵画の影響を多分に感じた。時代が新しい西洋絵画を取り入れようと躍起になっていたのだろうか。
その中で、単なる模倣に終始せずオリジナリティーを出して行った作家それが藤井達吉なのではないかと思う。彼の作品は第2章で取り上げる。

第2章 藤井達吉と交流した人々

この章では津田青楓の刺繍作品、河合卯之助の陶芸、高村豊周の青銅花入れなど、藤井達吉と交流があった面々と藤井本人のバラエティに富んだ工芸作品を鑑賞できる。

・高村豊周 「青銅切花入」 個人蔵 大正7年
野の花があしらわれた花入れ。形もさることながら、一輪の野の花が愛らしい。欲しい。。。

・「棕櫚図屏風」 六曲一双 個人蔵 大正5年頃
この作品は圧巻。棕櫚を見た瞬間、京都相国寺のジャクチュウの棕櫚を描いた障壁画を思い出す。
藤井作品は、銅・打出・七宝でこれを表現。

藤井達吉は、美術学校入学を反対され、七宝店に入社した。彼の生い立ちそのものが、作品に見事に活かされているのが最大の特徴である。

第3章 大正時代と藤井達吉の前衛
ここからは藤井作品の独壇場。驚くほど多様な表現だが、その手法のみならず図案家としての非凡さに驚嘆せざるを得ない。
「蜻蛉鬼百合文乱箱」はまさに大正の琳派だ。
そして、この3章では屏風対決?が見られる。これは必見。
・斎藤与里 「塩原錦秋」 大正7年 埼玉県近代美術館
・川上涼花 「草花図屏風」 大正7年 萬鉄五郎記念美術館
・藤井達吉 「草木図屏風」 「山草図屏風」「大島風物図屏風」
すべて二曲一双。

油彩あり、刺繍あり、螺鈿、七宝、鉛象嵌など日本古来の屏風絵とは逸脱した手法であるが、過去にとらわれない自由な表現、こんなのあり!?的な美しさである。
三者三様の良さがあり、日頃なかなかお目にかかれない大正時代の芸術の一端に触れられた。

地階展示室では藤井お手製の草花栞や札入れなど多岐にわたる工芸品が展示されている。

神坂雪佳を彷彿とさせる、いやそれ以上かもしれない。

藤井は愛知県の「小原和紙工芸」生みの親でもあり、現在小原では、藤井の継紙作品が展示されていて、こちらも是非見に行きたい。


碧南市藤井達吉現代美術館はこの4月5日にオープンしたばかり。周囲はお寺が多く、どこか懐かしい町並みです。美術館外観はその町並みを損なうことなく町に溶け込んでいるように思いました。
1階にはカフェもあり、こちらでは豆腐などの素材を使ったケーキや美味しいコーヒー(本当に美味しかった)やランチ(次回トライしたい!)も食べられます。

作品リストには作家名にフリガナもふられており、これが私には大変ありがたかったです。さらにさらに、なんとこの美術館は、金曜・土曜は夜9時まで(入場は8時半で終了)開館しています。愛知県内では画期的とも言える心意気。
地階にはゆったりした図書コーナーがあり、雑誌「美術手帳」がバックナンバー含めてずらりと並んでいます。もちろん、画集や関連美術書も充実しており、私などここで1日いられるだろうなと思いました。4時頃入館して、気が付けば早6時半。

本当にくつろげる美術館です。
夏には美術館がある「大浜陣屋の世界」と題する企画展も予定されており、お寺巡りと併せて楽しもうと思います。

国内からこれだけの大正期の作品を一同に見られる機会はなかなかありません。
愛知県内問わず、多くの方に是非見ていただきたい展覧会であり、美術館です。

*6月8日(日)まで開催中です。

追伸:悲歌・哀歌さま、展覧会のご案内とチケットありがとうございました。素晴らしい内容で、この場を借りて心から御礼申し上げます。

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藤井達吉のいた大正

藤井達吉の作品を初めて眼にしたのは、たぶん’05年の工芸館での『日本のアールヌーヴォー』で観た諸々の作品だったと思う。次に’06正月の松...

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No title

こんばんは
この展覧会は「本当に行ってよかった展覧会」の上位に入る内容でした。
カフェ、おいしそうですね。
わたしが行ったときは満員御礼で、座れなかったのです、残念。

杉本健吉展は行けなかったので、memeさんのレポお待ちいたします。
昨年、香雪美術館で見た内容をグレードアップした、ということなので、楽しみにしてたのですが、惜しいことをしました。
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