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「国宝 大絵巻展」 九州国立博物館

漸く、九州国立博物館へ行くことができました。開館後なかなか食指を動かされる展覧会がなかったのですが、今回の「国宝 大絵巻展」は気になって気になって。できることなら、前期展示期間中に行きたかったのですが、東京への異動が決まり、GW明けの出陣となったのでした。

さて、大宰府駅から太宰府天満宮を抜けると、なが~いエスカレーターで上へ上へ。どこかで経験したような。。。江戸東京博物館そっくり。こちらも福岡ご出身の菊竹清訓氏設計です。虹色に輝く連絡トンネルは、どこか宗教色を感じないではありませんが、抜けると目の前に九州国立博物館の山並み型の屋根が見えて来ます。

早速3階の企画展示室へ。

本日の担当学芸員:畑靖紀氏による講演「絵巻の魅力-物語の楽しみ方」から、本展の見所と企画者の意図をご紹介します。

<本展の見所>
1.絵巻のみ展示される展覧会。
2.京博の名宝を厳選し、国宝・重文多数。
全26作品のうち、国宝9点、重文14点。
3.1作品あたりの展示場面を長くし、前後期で約150場面を展示。

<開催側の意図したもの>
1.絵巻特有の「巻物」の意義を伝える。掛け軸でも屏風でもない特徴がある。
2.絵巻は触って、動かして、手元で見るもの。


講演は企画展を見た後に聴講したのですが、一番最初の展示を見た時感じたのは「いつもと違って、絵巻が近い!」ということ。
私は昨年奈良博で開催された「院政期の絵画展」で絵巻に目覚めたのですが、それ以後京博、奈良博、東博等々、絵巻は何度も見ています。しかし、今回ほど絵巻を近くで見られたことはありません。
愛用の双眼鏡を持参していたのですが、双眼鏡より顔を近づけた方がよく見えるのです!!!

その最大の理由は、絵巻の展示位置にありました。
これは私見なので、本当かどうかは分かりませんが、他の博物館での展示より絵巻が観客側より、つまり展示ケース手前に引き寄せられていたように思います。ちょうど、手元あたりに絵巻が来るように置かれています。

見事に学芸員さんの意図は伝わって来ました。各章の合間合間に絵巻コラムのような解説があって、とても分かりやすかったです。出光美術館の解説方法に似ているかもしれません。

では、順を追って印象に残った作品とともに振り返ってみます。

第一章 あつめる-王朝の絵巻-

・絵因果経 
奈良時代の作品とは思えないほど保存状態が良い。絵巻は巻いた状態で保存されるため、空気に触れることがなく傷みにくいこと、修復が上手く施されている結果だと思う。
どこか絵本を見ているような素朴な絵。ここは入口最初の展示であるため、どうしても混雑する。
閉館15分前にもう一度戻ったら、誰もいなくて1人で独占してしまった(フッフ)。

・粉河寺縁起 
奈良博で見て、私を絵巻世界にいざなった作品。再会。

・餓鬼草紙
餓鬼を含め登場人物すべての表情がとても豊かなので、見ていて楽しい。国宝指定される作品はみな表情が上手く描けている作品が多い。途中、後半に出展されている「百鬼夜行図」との共通性についてプチ解説があったのも好感。なかなか自分では気付かないから、いろいろな視点を教えて下さるのは鑑賞者にとってありがたい。

・芦手絵和漢朗詠抄
料紙の美しさと書と絵のハーモニーを堪能。


第二章 つたえる-高僧の生涯-

・華厳宗祖師絵伝 義湘絵
こちらも再会作品。何度見ても素晴らしい。

・一遍聖絵(第12巻)
本展唯一の絹本着色。

・法然上人絵伝(第2巻)
絵ばかりで詞書が少なく、サイズが他の作品より一まわり大きいので、必須人物も大きい。

・本願寺聖人親鸞伝絵(第4巻)
他の作品は見たことあるかも・・・と思ったが、これは間違いなく初見。

・羅什三蔵絵 
細かい描写、特に絵巻冒頭の龍の描写は見事。

第三章

・矢田地蔵縁起 (上巻)
色が美しい。上巻最後の釜茹で場面は度迫力。お地蔵様の青々とした頭が忘れられない。雲の描写も他の作品とはどこか違う。続きが見たい~~~。
餓鬼草紙と並び、今回ベスト3のひとつ。

・真如堂縁起 (下巻)

・泣不動縁起
病気が他の人に移って行く場面がある面白いストーリー。実際に人の間を移っていく「病気」の頭には髑髏が描かれていた。この頃(室町時代)から、髑髏はあったのだ。ベスト3入り。

・壬生地蔵縁起
この作品が重文指定されていないのは納得できる。絵がいまひとつで、人物の表情が上手く描かれていない。

第四章 たのしむ-御伽草子の世界

前期展示の重文「福富草紙」「是害房絵」を見たかった。。。いつかいつか。

・日高川草紙
こちらも奈良で見ているので略。

・百鬼夜行図 後半部分(京都・真珠庵)
これがあの百鬼夜行図。妖怪のオンパレード。もう少しじっくり見るつもりが、最後にあったので集中力が続かず切り上げる。

・仏鬼軍絵巻 後半部分
仏様と鬼との戦いが描かれる。初見。

展示会場には、各展示室でDVDを使用した解説が流れていました。
さらに、最後に絵巻を体感するコーナーがあります。さすがに本物を手にすることはできないので、絵巻のコピーをハンドルで回しながら順々に見ていくという工夫です。

もう1つ九博特有の工夫が。
百鬼夜行図のコピーを使って、当時の様々な風俗、衣装等をイラストとともに紹介しています。

詞書を読むことができたら、もっと楽しめるのにと徐々に欲が出てきます。内容についての概略は解説展示がありましたが、展示は巻物のうち1部となっているものがほとんど。
元々複数巻にわたる絵巻全てを展示するのは難しいので、図録や作品集で全体を追うしかないのが辛いところです。本物を全巻見るのは不可能なんだろうなと思います。

絵巻はアニメーションの原点だと、今回も感じました。日本のアニメ隆盛のルーツは既にここから始まっていたのではないのでしょうか。

前期展示作品を含め全展示作品を掲載した図録は1800円。
やっぱり買ってしまいました。じっくり解説やコラムを読みたいし、絵巻は繰り返し見ることが多いので(自分への言い訳)。

*6月1日(日)まで開催中です。

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