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「KAZARI 日本美の情熱」 サントリー美術館

開館以後、訪れるのは今回で3度目でしょうか。
サントリー美術館の展覧会は巡回することが多いため、巡回先の関西で見ることが多く、足が遠のいていました。
さて、久々のミッドタウンですが、人が少ない。もう、飽きられてしまったのか?入館したのは5時過ぎでしたが、展示会場も混雑はなく、ゆっくり堪能できました。
「KAZARI」をテーマにした企画ですが、非常に面白い。同じ作品を見るにしても、視点を変えるだけで、こんなに楽しい見方ができるのか・・・と目から鱗が落ちること請け合いです。
日本古美術界重鎮の辻惟雄先生の監修が光ります。

展覧会は以下4章構成ですが、見ごたえある作品が満載です。
第一章 かざるDNA
(1)イントロダクション 「かざり」の源流
冒頭は日本のあけぼの縄文土器。国宝・重文クラスの土器がお出まし。
そして、なぜかこの章で最大の目玉「浄瑠璃物語絵巻 四巻」 伝岩佐又兵衛筆が。
血みどろさ、残虐さは一切なく、ただただ精緻な筆致でディテールすべてを描ききっています。わずかに人物の顔の描き方が又兵衛らしい。

(2)荘厳と祭祀 神仏へささげるかざり
仏教・神道などの祈りの場を荘厳した中世の舎利容器(しゃりようき)、華鬘(けまん)、華籠(けこ)などを展示し、かざることと信仰との結びつきを紹介。
ここでは、本展マイベストの「春日龍珠箱」(奈良国立博物館蔵)に注目してください。
箱の大きさもさることながら、特筆すべきはそこに描かれた一風変わった絵柄です。8人の宮廷人らしき人が各々龍を背負っています。龍の表情もどこかとぼけていて、かわいい。
見れば見るほど不思議な箱(注:6/16までの展示)。


第二章 場をかざる
(1)中世のかざり
室町時代の「座敷飾り」を見本帳と実際に展示した空間演出を再現展示して紹介します。

(2)室内を彩るかざり
生活の場で使われてきた品々、屏風や、宴席で用いられた漆器、陶磁器などが中心に展示されています。
・「秋冬花鳥図屏風」 四曲一双 サントリー美術館蔵 室町時代
・「邸内邸外遊楽図屏風」 個人蔵 六曲一双 江戸時代前期
桃山時代の屏風の流れを組む優美であでやかな遊楽図屏風。見事な出来栄え。

陶磁器は九谷、鍋島、伊万里、小清水、中国宋代、明代の名器等々がこれでもかと並びます。
やきもの好きな方は必見でしょう。

この豪華なやきもの群の最後を飾るのが「つぼつぼ」。土製小壺で、おもちゃのような小ささ。江戸時代の懐石料理の器として使用されていたようですが、華麗な器を見終わった最後がこの「つぼつぼ」。対照の美で展示のうまさを感じます。


第三章 身をかざる
(1)武将のダンディズム
戦国時代を中心に、自己を誇示することを目的とした変わり兜、甲冑(かっちゅう)、陣羽織などの奇抜な装飾や、優美に装飾された刀など、非日常の戦場に赴く装いにおいて、「かざる」意識がいかにはたらき、表現されたかを紹介します。

普段、兜、甲冑には興味のない私ですが、今回は違います。ことに「黒漆塗執金剛杵形兜」など、密教法具を握った拳を飾りにした兜で、こんな重いものをかぶって歩けるのか?立てるのか?。江戸時代に入ると武具も機能性でなく装飾性が重視されたことがよく分かります。装飾美=権力の誇示。

また陣羽織には現在に通じるようなデザイン性を見せてくれます。
「黒黄羅紗地御神火模様陣羽織」 桃山時代 大阪城天守閣蔵 
本展図録の帯に使用されている意匠「神火模様」。これだけピックアップする見せ方が上手い。
言われなければ見過ごしてしまうような所にも飾りの美があることを教えてくれます。


(2)町衆の粋
江戸時代、庶民の粋の世界を紹介します。男性の装いでは、用途をこえて意匠に凝り、華美を競った煙草入れや印籠等を展示。女性の装いでは、華やかな小袖の他、素材・細工・意匠に凝った櫛(くし)、簪(かんざし)などの装身具が展示されています。

特に男性の煙草入れ、紙入れのデザインを見ていると、今販売されていても決しておかしくありません。


第四章 動きをかざる
(1)芸能のかざり
元来は神仏への祈りや祭儀、饗宴のために発達した芸能における「かざり」を紹介。舞楽をはじめ、能や狂言、歌舞伎の意匠を凝らした衣装を展示。

(2)祭礼の華、風流(ふりゅう)のかざり
本来「かざり」はハレの日に祝祭の場を、日常から非日常へと変貌させる演出でした。作り物をかざし、扮装にも趣向を凝らす風流踊りや祇園会の山鉾巡幸などに代表される、日常と離れた、祭りという本来はハレの空間を作り上げる一過性の装飾を紹介しています。

最後の最後で珍しい作品を見つけました。
「ちょうちょう踊り図屏風」 小沢華嶽筆 19世紀 個人蔵 注:6/16までの展示
ちょうちょう踊りって何???見ると、人々が様々な仮装、かぶりものをして、踊っています。その中には町民だけでなく、武士も困ったなぁといった風情で輪の中に入っている様子が可笑しい。
解説がなかったので、図録を見ると京都で流行した踊りとのこと。
「ええじゃないか」踊りが流行したとかつて、日本史で習いましたが「ちょうちょう踊り」は知らなかった。。。


作品リストは全335点を掲載。7期に分けて展示が異なっていますので、見たい作品がある方はサントリー美術館HPより作品リストで展示期間を確認の上、足を運んだ方が良いでしょう。
次週のNHK「新日曜美術館」で特集されます。関心がおありの方はぜひ!

*7月13日(日)まで開催中。おすすめです。
なお、本展はこの後2か所を巡回します。
・京都文化博物館 8月2日~9月15日 ・広島県立美術館 9月27日~11月9日

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「KAZARI-日本美の情熱-」展

サントリー美術館で開催中の 「KAZARI-日本美の情熱-」展に行って来ました。 辻惟雄先生とサントリー美術館からの今年最高のプレゼント。 予習なんて必要なし。とにかく足を運んでみて下さい。 そこには縄文時代から江戸時代まで我々日本人がいかに デコレー...

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一村雨さま

こんばんは。
ちょうちょう踊りの絵、どこから見つけて来られたんでしょうね。
あれだけ、面白い作品はなかなかお目にかかれないように思いますが。
「飾りが人間の本能」・・・深いですね。
確かに古の時代より、人は目的を持って身を飾っていたのでしょう。

飾りは楽しい

やはり、飾りというのは人間の本能なのだと感じました。
だから、それに対する規制や統制もいろいろあるのですね。
楽しめました。

No title

最後の「ちょうちょう踊り」がよかったです。
しなやかな踊りの輪に着ぐるみが入って、
とても楽しい絵でした。

あべまつ様

面白いですよね!この展覧会。
辻先生のお話をお聞きしたいのですが、申込締切は
いつまででしたっけ。もう手遅れですね、きっと。
兜と着物があんなに面白いものだとは!新鮮でした。

No title

こんばんは。
今日、行ってきました。めっちゃくちゃ面白かったです。
眼福でした。好きなものだらけに囲まれ、最高の気分でした。
しかし、7回展示替えじゃ、困ってしまいますね。
作品リストもちっちゃくて、作戦を練るのに大変です。
でも、また行きたくなりますね。

遊行七恵さま

こんばんは。
この展覧会、展示替えだけでなく会場によって、展示される作品
されない作品があるそうです。
詳細は図録に記載されているようです。
目玉の浄瑠璃物語絵巻は、絵巻好きには垂涎ものでした。

No title

こんばんは
六月ツアーにサントリーも考えてたのですが、やっぱり京都で待ちます。
しかし7期の展示換え・・・!うーんうーんですね。
京都は何回の展示換えを考えているのか・・・
予習させてもらいました~

No title

@Tak様
本当に盛りだくさんの面白い内容でした。
KAZARIという平凡なテーマでこれほど、発見があるとは思いもよらず、
監修者の力量ですね。
しかも、一点一点テーマにふさわしい物が選ばれているのに感心しました。

@ogawama様
こんばんは。
NHKの放映前に行かれることをおすすめします。
絵巻は混雑するとゆっくり鑑賞できないし、サントリーは決して広く
ないですから。
私は後期か次の京都で再訪するかもしれません。

面白そうですね

昨日近くに用事があったので行こうと思ったのですが、時間が15分しかなくてあきらめました。なかなかよさげですね。
以前結構空いていると聞いて「和モード」に行ったら、すごく混んでました。出足は鈍くても、油断せず早めに行った方がいいかもしれません(と自分に)。

No title

こんばんは。
私も先日観て参りました。

超お勧め展覧会かと思います。
こんなに楽しい思いしたの久々です。
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