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「丸木スマ展 樹・花・生きものを謳う」 埼玉県立近代美術館

久しぶりに、胸が熱くなるような展覧会に出会った。
埼玉県立近代美術館で開催中の「丸木スマ展」である。女性画家:丸木スマ氏の名前と作品を知ったのは、静岡県美で見た「日曜美術館30年展」でのこと。数ある著名な作家による作品群の中で、突如私の前に現れた色彩豊かな、こどもが描いたような絵。
「んんん~っ」と見た瞬間、誰の作品???とすぐにキャプションを見たのをよく覚えている。それがスマさんの絵だった。

丸木スマは、原爆の図で著名な(と言いつつ未見)丸木位里の母、位里の妻である洋画家、丸木俊にとっては義母にあたる。スマが絵筆をとったのはなんと70歳過ぎ。
息子夫婦の作画活動や指導を受けつつ、丸木スマの画風を確立し、のびのびとした生命力ある作品を81歳で亡くなるまでに、700点以上遺した。
今回は、彼女の大回顧展である。

展示は、作品テーマごとにされている。
・山里の息吹
・季節はめぐる
・花ひらく
・大地のめぐみ
・いのちの鼓動
・かけがえのない日々

一番の魅力は、その色彩。そこでその色を持って来ますか?と思うような奇抜な配色にもかかわらず、バランスは崩れていない。スマさん曰く「色が張り合うんじゃ」。
特にタイトル「ひまわり」では黄色の花に対して、茎や葉は、緑ではなく青を使っている。背景は大地の色を表す黄土色。

もうひとつの魅力は、画面いっぱいを余す所なく描きこんでいるところ。
ことに、晩年の大作「簪」や「春駒」は見事と言うよりない。「春駒」では初期の頃には見られない黒い太線を輪郭線に用いつつ、作品に強いアクセントを出している。

最後のテーマ「かけがえのない日々」ではスマ自身の自画像や絵を始めた頃のスケッチ(文部省配布の学習帳に描かれているところが泣かせる)を見ていると、こちらまで楽しくなってくる。
展示されていた自画像は、全て笑顔だった。

丸木スマは、被爆者で生活に追われ働きづめだった。人生終盤で、生きがいと思える絵に出会って「もっと生きたい」と語っている。


今回は、丸木スマの作品と現代作家3名による作品とのコラボレーションが行われているのも見もの。
木彫:須田悦弘、安藤栄作、写真家:かわしまよう子の3名は各々自然と向き合って作品制作にあたっている。
彼らの作品が、丸木スマの作品にそっと寄り添うように並んでいる様も好ましい。

全てを見終わった時、涙がこぼれそうになった。
今日は、長崎原爆投下の日。丸木スマや被爆者の皆様に心より哀悼の意を表します。

*8月31日まで開催中。
なお、明日8月10日の15時~ 須田悦弘氏によるアーティスト・トークが開催されます。

*追加情報
渋谷区松濤美術館で開催中の「大道あや展」の大道あやは丸木スマの長女。
大道あやも母と同じく60歳と高齢になって絵筆をとっています。
私も、後日見に行く予定。

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oki様

こんばんは。
この衝撃的な最期について、図録解説では「不慮の事故」としか
書かれていません。
明かしてはならない過去もあるような気がいたします。

No title

スマは顔見知りの青年に殺されて犯人も投身自殺してしまうんですよね。
隠居して暇を持て余していた老人が絵をきつかけに「今が花よ」と人生を謳歌した世界があった、しかも読み書きもできない老人がー。
絵のパワーというものを改めて思うとともに、青年との間に何があったのかまことに残念ですね。
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