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「Blooming:ブラジル-日本 きみのいるところ」 豊田市美術館

マレーネ
マレッペ「甘い椰子の木」2001年

ブラジル人現代アーティストと言えば、一番に頭に浮かぶのは、エルネスト・ネト。
豊田市美術館で開催中の「Blooming:ブラジル-日本 きみのいるところ」に行って来ました。冒頭のネト最新作は無論、これまで知らなかったブラジル人アーティストと日本人アーティストのコラボが見事な内容です。
結論から申し上げますと、昨日アップの旅程編にも書いた通り、個人的には今年見た現代アート展では一番の出来。

出品作家は15名。その全てにコメントを残したいのは山々ですが、特に気になった作家と作品のみご紹介いたします。

・キアラ・バンフィ
チケット販売を行っているメインエントランスの壁面を飾る「種を蒔く」に、誰もが目を奪われます。
鏡とビニールテープ(それとは全く気付かないが)を使って、絵筆を運ぶと琳派を思わせる意匠が表現されています。ブラジル的琳派と名付けたくなります。

展示室では屏風に着想を得て制作された「入ってきた風」でシックな作品を展開。流線形の美しい線が、展示室の壁を美しく彩っています。アクセントになっているのが木製の屏風もどき。デザインのセンスが抜群です。

・サンドラ・シント
「わたしが燈せるすべての灯り」は、世界の成り立ちを繊細で精巧なドローイングで描いています。疑似プラネタリウム空間。宇宙に漂っているような感覚です。
作家がここで示したいのは、世界の隅々に溢れる恩寵に満ちた光だとか(作品解説による)。青のグラデーションをバックに、展示室内に置かれているビーズクッションに寝転んで作品鑑賞ができます。
強烈な癒し空間でした。

・トニーコ・レモス・アウアッド

「反映した考古学」は、「削りだし作品」。
巷でラッキーカードなどと称して、シルバーインクが付着したカードをコインで削ると当たり・はずれが分かる・・・という仕組みを絵画作品に応用。
ここでは展示室壁面一面に、シルバーインクを塗りこみました。鑑賞者(来館者)は自由に手持ちのコインでこの壁を削ります。すると、その下から本来の絵画作品が現れるという仕組み。「幸運占いのような絵画」と作品解説にありましたが、言い得て妙。
私が行った時には、ほぼ全貌が現われていて(開催から4日で現在の状況になったそうです)、海の女神や食べ物、幾何学模様などなど考古学的モチーフが描かれていました。

「サイレント・シンギング」
前述の「反映した考古学」の手前に、ラメで色とりどりに輝く小さな砂浜が広がっています。これが、作品。たった、それだけの作品なのに、美しく感動させる何かがあったのは作品が持つエネルギーのせいでしょうか。

・島袋道浩
日本人アーティストでは、彼の活躍が印象的でした。
今回は、モレーノ、カシンといったミュージシャンとのコラボ作品「ヴィデオアルバム」と「ペペンチスタのペネイラ・エ・ソンニャドールにタコの作品のリミックスをお願いした」の2作が出展されています。
いずれも、音楽と映像をミックスした作品ですが、前者はボサノバが流れ(展示室に入るとすぐに聞こえてくる)、すっかり夏気分。映像は海で泳ぐ姿を映し出しており、完全癒し系でした。

一方、「タコ」の方は、同じブラジルでもサンパウロの2人組朗詠者(ペペンチスタと呼ぶ)が、タコ取りする島袋を音楽と共に詩で語る、何ともユニークな作品。

・リヴァーニ・ノイエンシュヴァンダー
3本のビデオ作品を出展。映像作品が多い中で、このリヴァーニ作品では「エピローグ」が良かった。
アリがリオのカーニヴァルで使用されたカラフルな紙吹雪をせっせと片付ける様子が映し出されていますが、その色合いがブラジルらしい明るさで、演出を使わず偶然の美を見せてくれます。


展示室を出ると、豊田市美術館の2階池にきらきらと輝く蓮が浮かんでいます。

・アナ・マリア・タヴァレスの作品「ヴィクトリア・ヘジア・ナイアのために」。
角度や光の当たり方で、タイルの色彩が変わります。蓮と言っても、アマゾンを象徴する花「オオオニバス」。まさに、豊田市美のためのインスタレーションです。

・エルネスト・ネト
「ぼくらの霧は神話の中へ」
外部は黒、内部は紫、入口は緑の布で覆われた作品。今回の作品の特徴は骨組みを木を使用していること。解説によれば、ネトがこの作品を考案する際、岡倉天心の「茶の本」を読んでいたそうです。
中央にターメリックが吊り下げられているのは毎度のことですが、形態や色の変化が本作の見どころでしょう。


ネトだけでない、ブラジル作家を知る貴重な展覧会です。ぜひ足をお運びください。
愛知県は日本でもっともブラジル人が住んでいるそうですが、場内には姿がなかったような。。。
それだけが気がかりでした。

映像作品も全て鑑賞すると、約5時間程度必要です。行かれる際は、時間に余裕を持ってお出かけください。なお、本展の図録は現在作成中で今月下旬に発売のため、現在は予約を受け付けしていました。


*9月21日まで開催中。作品のほとんどは写真撮影可能です。

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