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「文晁・崋山の新感覚 江戸南画の潮流Ⅱ」 飯田市美術博物館

さる方に、招待券をいただいた。
飯田市美術博物館の開館20周年特別展チケットである。
飯田市って、確か長野県では?さすがに遠いと思って、行くのを止めようと思ったけれど、そのチケットをよく見たら大好きな崋山の名前が出ている。
そして、更に心ひきつけたのはチケットデザインと紙質。白地に黒の水墨画調デザインで、手許に光に当てるとキラキラ光る。
キラキラ光るチケットなんて初めてで、嬉しくなってしまった。関係者の方々の心意気がチケットに現れているように思って、何とか頑張って行ってみようと計画を立てる。

飯田市は長野県でも愛知県にほど近い。通常名古屋からは高速バスが2時間で結んでいるため、さほど遠い訳でもなかった。しかし、今回は計画を立てるのが遅かったのと、3連休、紅葉の時期と重なったため、1時間に1本しかない高速バスで、ちょうど良い時間帯のバスは全て満席。
これは無理かと諦めかかった時、豊橋から飯田線で飯田駅まで行けることが分かった。
というわけで、豊橋乗換飯田線での旅となった。やはり、鉄子なのかもしれない。
豊橋⇒飯田は特急ワイドビュー伊那路で約2時間半。往復5時間、飯田滞在はわずか1時間15分。
普通ならこんなことはしないだろう。

前置きが長くなったので、本題へ。
入口でチケットを提示し中に入ろうと思ったら、立派なチラシが何と4種類もあった。
表の水墨画が全て違う4種類、裏面は共通。とってもカッコ良いチラシなので、記念に4種類全て頂戴した。
期待高まる中、まずは第1展示室へ。
ここでは、中山高陽、宋紫石、林十江、立原杏所から地元長野ゆかりの作家佐竹蓬平、鈴木芙蓉を中心とした展示となっている。

以前板橋区立美術館へ行った際に、立原杏所、林十江が面白いと思って、いつか作品をまじかで見たいと思っていた所だった。今回もその板橋や世田谷区立郷土資料館など日本各地から作品が集まっている。

・林十江 「木の葉天狗図」 茨城県立歴史館蔵
大胆な水墨表現で天狗を描く。十江らしい一作。

・立原杏所 「那珂湊口晩望図」 個人蔵
現代的な遠近法を用いた革新的試みを感じさせる。スケッチ風で西洋画的な雰囲気を持つ。
こういった作品が杏所の魅力だと思う。

佐竹蓬平は、南画を学ぶも独自の境地を開き、むしろそれにとらわれることなく、自由奔放大らかな画風の作品が多い。「十八学士図」(個人蔵)などは、画面いっぱいを使って十八人の学士を楽しげに描いた作品。

・鈴木芙蓉 阿波藩のお抱え絵師であった鈴木芙蓉の作品は佐竹とは大きく異なり、畏まった感じを受ける。特に良かったのは「那智大瀑真景図」 飯田市美術博物館蔵。絹本墨画淡彩の大画面。
作品の前に立った時、風に揺れる滝の水が自分にもふりかかるような気がした。迫力の1枚である。

芙蓉の作品は徳島市立徳島城博物館から沢山出展されていて、「諸葛孔明像」「鳴門暁景図」「芳山春景図」等々、気に入った作品多数。

第2展示室は、いよいよお待ちかねの谷文晁、渡辺崋山らの作品が並ぶ。

・谷文晁 「山水図」 個人蔵
墨彩山水画の優品。

・谷文晁 「木村兼葭堂像」 大阪府所蔵
木村某の人物画は、いかに崋山が文晁の流れを組んできたかがよく分かる。
谷文晁もこうした写実的な人物画を描いていたとは、これまで意識したことがなかった。明らかに新感覚な作風である。

・金子金陵 「白梅双鴨図」 「芙蓉白鷺図」 佐野美術館蔵
この2枚は素晴らしい。崋山は金陵に絵を学んだという。師の面目躍如であるが、崋山の作風とはやはり異なる。

・渡辺崋山 「高氏愛虎図」 静嘉堂文庫美術館
静嘉堂は有名な崋山の「芸妓図」を所蔵しているが、こちらの作品も優品。

・渡辺崋山 「牡丹図」 田原市博物館蔵
botan

腹切り牡丹と言われる作品。蛮社の獄で蟄居処分となった崋山の生計を助けんがために、弟子たちが崋山の作品を市中に売りに出した。この牡丹図はそのひとつであるが、逆に蟄居中でありながら売るために絵を描くとはと反感を食らうこととなり、切腹のきっかけとなってしまった作品。

・渡辺崋山 「黄梁一炊図」 個人蔵
崋山の絶筆とされる作品に出会った。これが今回の最大の収穫か。無論私の好きな崋山らしい写実性は見られないが、死の覚悟を迎えた心情の一端が伺われるか。作品を見る限り、悟ったような落着きを感じる。

・椿椿山「吉村貞斎像」 田原市博物館蔵
崋山よりも、むしろ弟子の椿山の肖像画が多く出展されている。崋山ゆずりの写実作品。むしろ人物の目の描き方は、椿山の方が大人しい。

この他崋山の次男渡辺小崋の作品も3点出ていた。

これだけ見られれば大満足。飯田まではるばるやってきた甲斐があったというもの。
欲を言えば、もう少しじっくりゆっくり見たかった。

*11月9日まで開催中。

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