スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

「琳派から日本画へ -宗達・抱一・御舟・観山-」 山種美術館

tsubaki
速水御舟 「名樹散椿」 重要文化財 1929年

東京国立博物館で開催中の「大琳派展」もいよいよ会期あとわずか。
そんな中、11月8日から山種美術館で「琳派から日本画へ」と題した展覧会が始まった。
本展では琳派の「たらしこみ」などの技法を近代の日本画家達がどのように取り入れ、作品に活かして行ったかに焦点を当てている。

作品リストはこちらをご参照いただくことにして。
山種が所有する琳派作品が相当数出展されている。中でも数多かったのは抱一作品。
また目玉作品は昨年40周年記念展にも出品されていた
・伝宗達 「槇楓図」
・絵 俵屋宗達 書 本阿弥光悦 「四季草花下絵和歌短冊帖」
・鈴木其一 「四季花鳥図」
・速水御舟 「名樹散椿」
これらの作品だろうか。

私は40周年記念展を見逃したのでどれもこれも初見。
う~ん、良いものを持ってらっしゃると感動しきり。
しかも、当日は肌寒い天候だったせいか、いつも賑わっている山種美術館も観客がまばら。
短冊帖を除く3作品は最奥の展示室で展示されていたが、ほぼ貸切状態で心ゆくまで鑑賞できた。

この部屋には下村観山の大作「老松白藤」や本阿弥光甫の「白藤・紅白蓮・夕もみじ」の三幅対も展示されていたので、どこを向いて良いのか右を向いても前を向いても後ろを向いても、めったとお目にかかれないような作品ばかり。

伝宗達の「槇楓図」は東博に出品されていた屏風とよく似ている。山種の屏風は状態がイマイチで色も若干あせているのが残念。
特徴的なのは槇の幹のカーブだろうか。ほぼ半円を描くようなうねりを見せているが、実際にこんな姿をした木だったのだろうか。

その隣にあったのが昭和で初めて日本画の重文指定を受けた「名樹散椿」。

一見して気になったのが椿の幹。
写実を排除して、デフォルメし曲線を強調したかのような幹と枝ぶり。
次に注目したのは背景の金地。解説によると、御舟は金箔を使わず「撒散らし」といって金粉を捲いてすり潰し表面を滑らかにしていったという。
なるほど、金箔使用で見かける継ぎ目の全くない滑らかな金地は椿をより引き立てている。
椿に目を向けると、五色の椿の艶やかさもさることながら、花開く前の蕾が実に美しかった。葉に隠されて少しだけ顔を出している椿の花の描きっぷりも細やかで、さすが御舟と思わせる。

更に右横にあったのが鈴木其一の「四季花鳥図」。
これまた、色鮮やかで今描き上げたかと思うほど。ここでの注目はひよこと母鳥。
其一の描く鳥の顔は、今風で目がきょろっとしている。
通常の日本画に描かれる鳥の目はもっと細いような気がするのだが如何?

ここで、次の壁面に移ると本阿弥光甫の三幅対がある。
中でも「白藤」が気に入った。
藤の花房だけをこんなにもクローズアップした絵は初めて見た。垂れ下がる藤の白い花たちが可憐。
光悦の孫だというが、確実にDNAが受け継がれたものと見える。

散椿や四季花鳥図の対面にあるのが下村観山の「老松白藤」。
この作品は構図に注目。
大きな松の大木は上下すっぱり切れていることで、より松の大きさを見る者に感じさせる。
その松の枝に垂れ下がる白藤が松に生えた髭のようにも見え、老松のどっしりとした姿に花を添える。

抱一作品の中では、「飛雪白鷺」「菊小禽」などが優れていた。

個人的には宗達&光悦の最強コンビが織りなす「四季草花下絵和歌短冊帖」がお気に入り。
ただ、これは本来18点から成るにも関わらず、ケースが小さいため17点しか見られなかったのが残念。あと1点なのに。。。展示されていた17点はもう美の極致であった。

近代日本画では荒木十畝の「四季花鳥」をテーマにした四幅対が素晴らしい力作。画面一杯あふれんばかりに草花が鮮やかな色彩と共に描かれている。まさに琳派の向こうを張った感じ。

以上いずれも名品ぞろいなのだが、山種美術館の展示室は狭い。
せっかくの名品がこれではもったいないように思う。ことに、今回は東山魁夷の大きな作品も展示されていたが、大きすぎて十分に鑑賞するスペースがない。

来秋の移転オープンが待ち遠しい。

*12月25日まで開催中。

トラックバック


この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

「琳派から日本画へ」山種美術館・・・宗達と御舟の饗宴

秋深まる夕暮れ、錦秋の千鳥ヶ淵公園を歩いて、山種美術館に行く。俵屋宗達「槇楓図屏

コメントの投稿

非公開コメント

mizdesign様

こんばんは。
なるほど、新旧の対比ですか。
私はそこまで、頭がまわらずぼ~っと名品に囲まれる幸せを
感じていました。
あの金のつややかさが忘れられません。

絶品

こんばんは。
「槙楓図屏風」と「名樹散椿」の揃い踏みを観てきました。
金地にうねる幹、緑と赤が見え隠れする構図に類似性を感じ、前者の枯れた色味と後者の鮮やかな色彩に新旧の対比を感じました。
この両者を並べた時点で勝負あった!と思える絶品でした。
散椿の金地が金粉をすり潰したモノとは知りませんでした。勉強になりました。
カレンダー
09 | 2017/10 | 11
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31 - - - -
ブログ内検索
twitter
最近のエントリ
カテゴリー
最近のコメント
最近のトラックバック
天気予報

-天気予報コム- -FC2-
カウンター
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。