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「漆、新しき経験 池田巌 1960-2008」 菊池寛実記念 智美術館

ikeda

大倉集古館やホテルオークラのある通り沿いに瀟洒な外観をしたビルがある。前を通った時に、それが美術館であることが分かり、いつか入ってみたいと思っていた。
今回、さる方にチケットを頂戴したので、早速行って鑑賞と相成った次第。

展覧会は先週の日曜美術館アートシーンで放映されていた「漆、新しき経験 池田巌 1960-2008」
である。チケットを頂戴しなければ、まず自分で見に行こうとは思わない分野、すなわち私の苦手な工芸系である。

本当に、食わず嫌いは良くない。建物の魅力と相まって、良い展覧会であった。

美術館HPによる展覧会概要は以下。

漆と竹の作家、池田巖(1940~)は、花生や茶器などの茶の湯のための器物を主に制作し、素材の魅力を生かしたシャープで現代的な作風は高い評価を受けています。
本展覧会では、3メートル近い大きさの最新作から古典的な茶器まで、これまでの池田の仕事を作家自選の60点余の作品によりご紹介します。


智美術館HPへのリンクはこちら。
http://www.musee-tomo.or.jp/exhibition.html

何より驚いたのは、展示方法、展示デザインの良さである。
これが作品の良さを一層際立たせているのは間違いない。同じ作品を通常の美術館で展示しても、今回のような感動を得られなかったのは間違いない。

まず、玄関ホールから地下展示室へのアプローチ。
長くゆったりとしたらせん階段の壁面には銀の和紙がはられ、その上に書家の篠田桃紅氏の「いろは歌」の料紙が「真・行・草」の漢字をかたどったコラージュ作品としてほどこされている。最大の特徴はガラスの手摺り。これはガラス工芸家の横山尚人氏によるもので、このガラスの手摺りに導かれて下へ下へと誘われる。

このアプローチこそが、美術館創立者(菊池智)のアイディアであり美意識の発露である。

展示室に降り立つと、そこからはもう美の世界一色。作家が用意した世界に自分も溶け込んでいく。

展覧会の冒頭に、池田巌の漆塗りの竹オブジェが出迎えてくれる。家の玄関にある飾りのよう。

新作のオブジェも悪くはないが、池田作品と初めて触れた私には、これまでの作品である茶器が好ましかった。
茶筒と思しき小さな円筒は、種々様々な姿をしている。
これが竹でできているとは、言われなければとても分からない。
とにかく、形状がこの上なく美しいのだ。フォルムの重要性、次に配色。
思わず手に取って愛でたくなるように愛らしい。

「金地にレモン形」はタイトル通り、茶器の蓋を上から見るときれいなレモン型をしている。
ごくごくシンプルなのに、これほどまでに惹かれるのはなぜだろう。

照明は落としてあり、黒い空間の中に作品が浮かび上がってくるような、いや役者が舞台に立った時のように1点1点の作品が、緊張感を持って置かれている。

今回の目玉である3mの最新作は白い砂上にある。
作家曰く
「大作2点は智美術館に何度となく足を運んでイメージし、想を練りあげた作品。白砂の空間と黒砂の空間、ここにどんな作品を置くかが一番問題だった。何度も何度も立ち尽くして作品をイメージし、頭の中で鮮明に固めたが、後はそれをいかに近づけるか。」
自分自身との対話の中で生まれたのが今回の新作。

2005年、池田は漆を塗った竹をたたき割り、引き裂き、「用」をもたない作品を新たに生み出した。今回の最新作は更にそこから一歩進んだ。
作品の前にある長椅子に座り、しばし呆然とする。
宇宙的でもあり、神秘的でもあるオブジェが目の前にあった。

参考作品として、アルブレヒト・デューラーの「聖エウスタキウス」やドナルド・ジャッドの抽象作品が併せて展示されているが、池田作品とマッチしていた。

誰にも邪魔されず、静かな鑑賞を楽しめる。
また、足を運びたくなる美術館であった。

*11月24日(月・祝)まで開催中。

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遊行七恵さま

こんばんは。
こちらは、現代陶芸が専門の美術館だそうです。
こんな拙い記事でお役に立てば何よりです。

No title

こんにちは
ここはスタイリッシュな空間に工芸品を展示する、と言うのがとても素敵で、イケてる美術館だなぁと思います。
この展覧会、行きたかったのですが、残念ながら見送ったので、こうして記事が読めて嬉しいです。
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