スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

「風景ルルル-わたしのソトガワとのかかわり方-」 静岡県立美術館

ルルル

昨日アップした旅程の中で、どの展覧会から書こうか迷ったが、やはりこの静岡県美の展覧会からご紹介したいと思う。

現在、私個人が公立美術館の中で一番注目している美術館、それは静岡県美である。その静岡県美が6年ぶり!に開催する現代アートの企画展、しかも巡回なしのオリジナル企画。
果たして、どんな内容なのか訪れる前からワクワクしていた。

まずは静岡県美のHPを引用させていただき展覧会の概要について。
この展覧会では、現代作家8人の表現を「風景」を切り口に読み解きご紹介します。
本展でとりあげる風景表現は、断片的で、どことなく軽く、ゆるい
ささやかで、流動的であるといった点が特徴といえます。
私たちはいま、共有できるコミュニティー、フィールド、理念、理想が成り立ちにくい時代に生きています。
個々に多様な背景と内面を持ったわたしと、そのわたしを取り巻く複雑な外界(ソトガワ)とのかかわり方を、この断片的でゆるい風景は、映し出しているようです。
絵画だけでなく、写真、映像、インスタレーション作品を交えてご紹介します。
「風景」をコレクションの柱とする美術館が選んだ、時代の感性との出会いをお楽しみください。


どうやら、キーワード「どことなく軽く、ゆるい」のようです。
そして、そんなイメージから学芸員の方が選出した出品作家さんはこちらの8名(敬省略)。
・高木紗恵子
・照屋勇賢
・柳澤 顕
・鈴木理策
・内海聖史
・ブライアン・アルフレッド
・佐々木加奈子
・小西真奈

名前すら知らないという作家さん(ゴメンナサイ)は柳澤顕と佐々木加奈子とブライアン。
パンフレットに記載されている作家のプロフィールを見ると、ブライアン、柳澤、鈴木の3名以外はみな「VOCA賞」に入選していることに気付いた。
なるほど、だからブライアンと柳澤は知らないんだ。

結局よくあるグループ展のような形式を取っているのだが、それでも見ごたえある内容だったのは、やはり作家一人一人の力量によるものが大きく、出品作品が良かったというのが最大の理由。
作品そのものに力があるのが第一だが、同じ作家の作品でも映像と絵画のコンビネーションや絵画でもドローイングや制作にあたってのメモの組み合わせ、写真など分野をバランス良く見せていた。

さて、作家ごとに感想を少し。

・高木紗恵子
絵画(でいいのかな)8点。最初見た時、大好きなゲルダ・シュタイナー&ユルツ・レンツリンガーのアートを平面化したのかと思った。受ける印象がそれほど近かったため。
冒頭にあった「業火」「ワイルドライフ」シリーズ、どれも系統は同じだがウレタン塗装のアクセントが効果的。

・照屋勇賢
大人気の照屋さん。今年の7月、原美で「アートスコープ」に出品されていた。
出品作は、おなじみトイレットペーパーの芯を使った「コーナーフォレスト」や「Dessert Pruject」シリーズなどと新作?「告知-森」シリーズ(2008年)が見られる。

さらに、イチオシなのが「天地創造のためのレシピ」2008年である。ペーパーナプキンに色鉛筆で構想メモと作品イメージが何枚も何枚も描かれている。殊に面白いのは、時折添えられた作家の言葉。
例えば、「青い宇宙ゼリーの上に、コンペイトウ時代がやってくるように」とか「溶岩ゼリー」「シリアル朝」とか言った具合。
こんなこと考えながら制作したら、楽しそう~☆

・柳澤 顕
京都市芸術大学油画専攻を卒業された1980年生まれ、若い!ちなみに高木も京都市芸卒の1980年生まれ。
初めて作品を見たが、コンピューターを使用して半自動的に作画されたもの。これに人を仲介として組み合わせを変えて作品を作り出していくらしい。
ちょっと苦手。

・鈴木理策
故郷熊野を撮影した「海と山のあいだ」シリーズが9点。
このコーナーはもっと仕切って、照明を落として欲しかった。漫然と写真を並べただけでは、東京都写真美術館の展覧会を見ただけに、ちょっとつまらないかな。

・内海聖史
内海もつい先ごろ東京都現代美術館の「屋上庭園」に出展していたのが、記憶に新しい。
が、今回は大ヒット。
照屋と内海が8名の中では、一番インパクトがあった。
内海の作品は美術館のエントランスホールの天井付近壁面に文字通りの大作「色彩に入る」2007年、「色葉を踏む」2006年が展示されている。これ、必見です。

更に展示室には「十方視野」2008年がある。基本的に作風に変化はないが、静岡バージョンは見せ方がとても良かった。部屋に入った瞬間、「おっ」という感覚を味わえる。

更に、お楽しみは常設であったが、これは最後にご紹介。

・ブライアン・アルフレッド
SCAI THE BATH HOUSEの扱い作家さん。
絵画、ペーパーコラージュ、アニメーションとバラエティに富んだ展示。
一番良かったのはアニメ「There is Light That Will Never Go Out」2006~2008年。
3分34秒と程良い長さ。映像は、この作家の個性を一番うまく表現する手段なのではないだろうか。

・佐々木加奈子
「アンネ森に入る」シリーズ、「放課後シリーズ」など、自身を圧倒来な存在感をもった風景(歴史的に有名な場所など)に写し込み、作家のイマジネーションを写真化する手法。

驚いたのは「アンネとの会話2」2008年というビデオインスタレーション。3分40秒。
床にあるスクリーンを下を見下ろす状態で鑑賞するのだが、映像にあるのはトロッコと架線。
ここからは見てのお楽しみ!

・小西真奈
2006年のVOCA賞受賞から2年。
受賞作の「キンカザン1」「キンカザン2」に久々の再会。他新作2点を含め計8点の絵画を展示。
風景の中に、背を向けた人物が描かれている。
新作も大して変化はなく、鮮やかに風景と人物が描かれている。どこか懐かしい感じ。


展覧会のテーマであるゆるく軽い風景との関連性は、作品リスト兼作家プロフィールをご参照いただくとして、私が一番関連性を感じたのは常設展「Resonance(レゾナンス)-共振する感覚」での展示であった。
静岡県美所蔵の名品と「風景ルルル」出品作家の作品とのコラボレーションである。
同様の試みは、今年愛知県美術館「タイムスケープ」展で行われたと記憶しているが、静岡は見せ方が上手い。

・高木紗恵子×椿椿山
・小西真奈×岡鹿之助・長谷川潔・原勝郎
・鈴木理策×狩野探幽
・柳澤顕×浦上玉堂
・佐々木加奈子×アンぜルム・キーファ
・内海聖史×小松均

最後の小松均×内海聖史のジョイントは素晴らしかった。
巨大「赤富士 上下」と「三千世界」の共演であるが、必ず後ろのガラスケースを見ることをお忘れなく。

これらの組み合わせはもちろん、現代美術は専門外という静岡県美学芸員さんのイメージでのカップリングである。選抜理由もそれぞれ、解説されているので納得。
こちらの展示の方が、テーマ「風景」に合致していたと思った。

なお、会期中1階で草間弥生の「水上の蛍」も鑑賞可能です。

また、静岡市の「旧マッケンジー邸」と「中勘介文学記念館」を使用しての関連企画展も昨日まで開催されていましたが、こちらは残念ながら時間がなく見送ることに。。。

ワークショップやアーティストトークなど静岡市をあげてのイベント化をしようという努力が伺われます。

展覧会会場入口には展覧会のイメージ映像作品まで置いてあった。こちらもあの高木正勝さんが作成にかんでいるという代物。
展覧会イメージビデオって他ではあまり見ない。こちらの出来も言わずもがなGOOD。行かれた方は要チェックです。

なお、展覧会の詳細や旧マッケンジー邸などの展示についてはこちらのブログ「しぞーかでアートざんまい」さんで紹介されています。


*展覧会は、12月21日まで開催中。

トラックバック


この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

風景ルルル@静岡県立美術館

 静岡県立美術館で開催中の「風景ルルル」展を観ました。副題は「†わたしのソトガ...

風景ルルル@静岡県立美術館

静岡県立美術館で開催中の展覧会 「風景ルルル」に行ってきました。 副題は 「~わ

コメントの投稿

非公開コメント

mizdesign様

こんばんは。
ここにも書きましたが、内海さんの作品は、常設での赤富士との
セッションが良かったです。
照屋さんのパフェは、本物で今もカビとりに係の方がご苦労されて
いらっしゃるのでしょうか。

ところで、「もったいないお化け」って何でしょうか?

青春18切符

こんにちは。
待ちに待った青春18切符の季節になったので行ってきました。
片道4時間半ほどの旅でした。
内海さんの作品は本当に美しかったです。
草間さんの揺らぎ煌く世界も堪能。
イメージビデオはチラッと見ながら通り過ぎてしまったのが残念。
これほどの展示が巡回なしとは、もったいないお化けがでそうです。

KLINでなくKIN様

こんばんは。
厳しくないですって、新幹線ひかり号ならたった1時間ですよ。
その気さえあれば、すぐです。すぐ!

はるばる出かける価値はあると思いますよ。

ああ!

このメンバー凄く良い感じのセレクトですね。
静岡県美凄い。私が好きな小西真奈さんの
絵もある!ああ、年内までなんですね・・・、
厳しい・・・。

はろるど様

鈴木理策の写真と狩野探幽の「瀟相八景」が仲良く並んでました。
こんなのが見られるのは、今回限りかも。

18きっぷは12/10から使用開始です。
間に合いますよ~。

No title

こんばんは。照屋さんに内海さんとはまた面白そうですね。鈴木理策と狩野探幽など想像もつきません。以前、この美術館にてドナルド・ジャッドと和室の組み合わせを見て感心したことがありますが、仰るように静岡は見せ方のセンスが良いですよね。行くたびに感心します。

来月の21日まででしたか。確か18きっぷが…。

p.s 遅れましたが、チケットをどうもありがとうございました!
カレンダー
09 | 2017/10 | 11
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31 - - - -
ブログ内検索
twitter
最近のエントリ
カテゴリー
最近のコメント
最近のトラックバック
天気予報

-天気予報コム- -FC2-
カウンター
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。