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「朝鮮王朝の絵画と日本 宗達、大雅、若沖も学んだ隣国の美」 栃木県立美術館

tochigi

最近、中国絵画にはまっている。
その中国絵画との関連浅からぬ「朝鮮王朝の絵画と日本 宗達、大雅、若沖も学んだ隣国の美」を見に栃木県宇都宮市まで行って来た。
本当は併せて、足利市立美術館の「牧島如鳩」展にも行こうと目論んだが、寝坊して宇都宮駅に着いたのは12時。結局、足利は次回持ち越しとなった。

まずは、展覧会作品リストをご参照ください。
漸く、栃木県美のHPにアップされたのですが、本展は静岡県美、仙台市博物館、岡山県美へ巡回する予定になっていて、各会場で展示作品が異なるという曲者状態。
栃木県美でも展示替えは週単位(計6週)にリストに掲載されているため、お目当ての作品、例えば伊藤若冲の「白象群獣図」「奈蟲譜」などは、いつ展示されるのかをチェックしてからお出かけしないと、「あれれ?作品はいずこ」ということになりかねないので、要注意。

当日の展示数はリスト掲載作品数(○印を数えた)は156点。いつもは、常設で使用している1階最奥の展示室も企画展で使用し、最後のこの部屋が一番見ごたえがあったりする。

展覧会構成順に簡単な感想を。
第1部 朝鮮絵画の精華
第1章 朝鮮絵画の流れ:山水画を中心に
1前期 (章立てだけで3行も費やしている・・・。)

山水画は、先週大和文華館でお勉強したばかり。そこで学んだ北宋山水画技法「蟹爪樹」(かいそうじゅ)「雲頭皴」(うんとうしゅん)などを使用した山水画をここでも見ることができる。
中国山水は、日本のみならず当然朝鮮へも伝わっている証。

作品番号12「雪景山水図」は、その技法を極端に使用していて驚いた。大和文華館で見た作品中、蟹爪樹の使用は自分でもよく理解できたが、雲の頭のように山を描いている箇所というのが、判然としなかった。
この「雪景山水図」はとても面白い。山はみんな雲のようにふわふわと丸っこい。山ではないような浮遊感が漂っていた。
さすがに、ここまで極端に使用されると私にも判る。

中国山水画のとても良い復習となった。

この後、中期・後期と続くが朝鮮絵画らしいと思う作品に目が行く。
作品番号:34 「喜慶楼榜会図」 (東国大学校博物館)
は第一印象が明らかに朝鮮らしさを感じる。

全体的な感想としては、中国絵画の模倣から始まったせいか、上手いというより一生懸命お手本を見つつ描いている的な感じを受ける。
洗練されたというより素朴な感じ。

第2章 仏画の美 高麗から朝鮮王朝へ
作品番号94 「阿弥陀八大菩薩図」 延暦寺 はとても状態が良く美しい。
また、華厳経がいくつか展示されていたが、日本の経文とは異なる金色の装飾が施されており、お国柄での違いを感じた。

第3章 絵画と工芸、越境する花鳥の美
ここで、絵画ばかり続いていた内容が変わり、陶磁器が現れる。
染付やら鉄砂やら良いものがぞろぞろと。
葡萄紋と栗鼠の図柄が好まれたようで、たくさん展示されていた。

第4章 「民画」誕生
ここで一番驚いたのは「紙織法」を使用した絵画。
朝鮮版ロイ・リキテンスタイン?と思わせるスクリーン模様で、絵を浮かび上がらせる。
作品番号196:「紙織魁星点斗図(北斗七星図)」 中でも一番かっこいい。

紙織技法は手間暇かかる高度な技であったそうだ。この後若冲作品と一緒に展示されていた。

作品番号164「虎図」 はこれぞ民画という作品。虎が可愛いのなんの。今でもキャラとして十分に使用できると思う。
この他にも虎は様々に描かれていて、どれもキュートでちっとも怖くない。
想像上の生き物、伝承だけで描いたのだろうか。まるでリアルではない。


第2部 日本人のまなざし
第5章 交流のかたち-朝鮮通信使の果たした役割
作品番号226 「金鶏図屏風」 8曲1隻 三星美術館
明らかに目立っていた。何しろ背景色が赤なのである。この作品は栃木県美でしか見られない。
見られて良かった~。

この展覧会、各章だけで、十分ひとつの展覧会ができそうなテーマであり作品群。もったいない。

第6章 日本画家のまなざし-日本絵画に与えた影響
ここまでたどりつく頃には大量の作品で、かなり疲弊。
しかし、ここからがまた凄い。
印象に残った作品を列挙。
作品番号254 伝蛇足 「山水図」 重要文化財 群馬県立近代美術館
作品番号261 啓孫 「虎渓三笑・山水図」 3幅 栃木県立博物館
作品番号273 制光 「瀟湘八景図」 栃木県立博物館
作品番号277 雪村周継 「瀟湘八景図屏風」 6曲1隻

最後の最後で若冲登場
思いがけず
作品番号308 「白象群獣図」に出会う。初めての鑑賞。
jyakucyu

私が見ていない最後のます目技法の作品。想像していたのより、状態が良かった。
やはり描かれている象や動物、構図が良い。思わず見とれる。
その影響で、頭の中が白象群獣図でいっぱいになり、次の目玉「菜蟲譜」になかなか切り替わらない。
作品番号「菜蟲譜」も、ここ栃木県美だけの展示である。11/18より展示最終日まで見ることができる。
今のところ、前半部分だけを展示していた。場面替えするのかは不明。

また「白象群獣図」は、11/18~11/30のみの期間限定展示なので要注意。静岡・仙台・岡山でも展示される予定だが、展示期間は不明。

ということで、相当端折った記事になってしまった。とても全部をご紹介しきれなかった。

作品リストは、「Art&Bell by Tora」のとら様の進言で準備されていたが、リストと展示順序がバラバラになっていたりで、全体としての印象がまとまらなかったのも一因。
何しろ大風呂敷な内容なので、とても1度見ただけでは把握できない。

静岡県美での展覧会に再訪しようと思う。何度見ても楽しい展覧会であることは間違いない。

*栃木県立美術館での展覧会は12月14日まで開催中。

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jchz様

コメントありがとうございます。
静岡では若冲もそろい踏み(ただし菜蟲譜はなし)するそうですね。
確かに栃木の仏画展示はちょっとさびしかったです。

「鎖国という外交」で日本史の見方を知りたいなと思っています。
元々日本史好きなので良いのですが、この本ハードカバーなのですね。
お値段が一番の問題かも・・・。

No title

こんばんは。面白い展覧会でしたが、展示替えリストを睨んでいると、やっぱり静岡へも行くか…という気持ちになってきます。仏画はどうも、静岡のラインナップのほうがよさそうで。
朝鮮通信使について、私は『「鎖国」という外交』(小学館)がいい参考になると思いますが、絵画の見かたというより、絵画史料の読み方を論じていますので、好き好きかもしれません。

とら様

昨夜はありがとうございました。
さて、このマス目描き作品は秀逸でした。
何と言うか、カラフルすぎないのも品が良く、構図も絶妙。
何度でも遭遇したいものです。

PS:仙台の展覧会楽しそう。見たかったです。

No title

 《白象群獣図》は、これぞ若冲ですね。枡目描の3点のうちでは、これが一番品格があります。なにせ個人蔵だけあって、この白象群獣図は神出鬼没。よいところで遭遇されましたね。わたしの遭遇記は↓
http://cardiac.exblog.jp/m2006-10-01/#5911367
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