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「浮世絵の中の源氏絵 源氏物語誕生1000年記念」 太田記念美術館

東京に出てきて、いくつかの美術館の会員になったが、一番会員になって良かったなぁと思うのがここ太田記念美術館。
毎月展示替えがあり、更に年に数回特別展も開催される。

今月の展覧会は源氏物語にまつわる浮世絵を紹介する内容。実は、多忙ゆえ、今月はパスしようかと思っていたら、こちら「弐代目・青い日記帳」のTakさんが今回も素晴らしい記事を書かれていたを拝見し、やおら出かけて来ました。Takさん、ありがとうございます!

さて、展覧会は次の3部構成になっています。

①浮世絵師たちが描く王朝世界
②背後に隠された源氏物語
③これが源氏物語? 大ベストセラー小説『偐紫田舎源氏』の世界

今回の個人的な収穫は何と言っても1階の展示作品の数々でしょう。
畳スペースでは毎回肉筆浮世絵の良いものがとっかえひっかえ展示されていますが、今月は垂涎ものでした。

・葛飾北斎 「源氏物語図」
hokusai

北斎から「源氏物語」のイメージは全く浮かびませんでしたが、天才は古典も描いていたのですね。
しかも、北斎による源氏物語です。もう、さすが。もう肉筆浮世絵という枠組みは超えてますね、完全に。朧月夜も光源氏も表情が読み取れて、しかも豪華。美しいです。

・岩佐又兵衛 「伊勢物語図」
源氏物語特集なのに「伊勢物語」???何て固いことを言わず、楽しみましょう。
ここで、岩佐又兵衛の肉筆にお目にかかれるとは、嬉しくて小躍りしそうになりました。
東博の浮世絵コーナーで最近見た肉筆より、ずっと状態が良いです。ところで、又兵衛は自称「土佐派末流」なんですね。
血みどろ又兵衛からは想像できませんが、こちらの「伊勢物語図」における人物描写、都会の男と、田舎の女を見ていると、繊細な筆使いは土佐派かもと思わせるものがあります。

次に浮世絵ですが。
お気に入りの月岡芳年「月百姿 石山月」(下図)が出てました。礫川浮世絵美術館で見たものより、状態が良かったです。色が美しいって大事ですね。
yoshitoshi

小林清親「古代模様 紫式部」などを横目に見つつ、なんといきなり酒井抱一「源氏物語図」の扇面画が!
浮世絵ではないのに、突如さらりと扇面画があるところがすごいです。

しかも、抱一の作品琳派らしさ溢れていて、金箔の扇子に源氏絵が彩られているのですが、一番気に入ったのは、図中の襖絵の水鳥の様子。扇子絵の中にある襖絵まで、しっかり琳派してました。
細かすぎる、美しすぎる~と後ろ髪ひかれつつ、次に進みます。

②背後に隠された源氏物語では、浮世絵お得意の見立てを使用した作品がずらり。
・鳥文斎栄之「女三之宮 衣通姫 小野小町」
古典に題材をとった美人画3点です。どういうわけか、女三之宮がかわいくて良かったです。

・歌川広重 「江戸むらさき名所源氏 見立」シリーズは源氏物語のどのお話のどの場面を表しているかを推理して当時遊んでいたのでしょうか。教養人いやもしくは庶民の典雅な遊び心がうかがわれます。

2階にあがると、一気に庶民の源氏物語へと転じます。
『偐紫田舎源氏』は江戸時代に源氏物語を下敷きに相当アレンジした別物作品として創作されましたが、これが江戸庶民に大人気。
これだけ沢山の小説を題材にした浮世絵が描かれているとは、その人気のほどが伺われます。
ここからは、典雅とか優雅な王朝世界とは全く別世界。

どろどろとした「ザ・人間模様」満載です。品はなし。
特に三代歌川豊国(国貞)の作品は凄かったです。この作家の人気ぶりが分かる気がしました。
壁ではなくて、平たいケースに展示ケースにあった三枚続きの連作は素晴らしかったです。
画面全てに、色が溢れてました。源氏物語と言いつつ、完全に国貞の世界。妙に登場人物たちが艶めかしいのでした。

個人的には地味ですが版本が良かったです。
・井原西鶴 「好色一代男」
日本史の教科書で習った「好色一代男」を初めて見た!

・菱川師宣 「やまと絵づくし」「団扇画様集」
初期浮世絵の素朴な図版が好きです。

そんなこんなで、年の瀬まで目一杯楽しませてくれました。

*この展覧会は本日で終了していますので、ご注意ください。

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Tak様

お風邪の具合はいかがですか?
きっと、一気に熱が出てしまった方が治りは早いかもしれませんね。
漢方薬なども効果的です。

太田記念は、面白い作品が目白押しでした。
三代豊国の三枚続きのきらびやかさは、圧巻です。

No title

こんにちは。

お役に立てて光栄です!

かなり二階が濃い内容となっていましたね。
不思議な形の作品もあったりと全く飽きさせることない展示。
太田さんの底力(まだまだこんなもんじゃないかな)


風邪予防大事です。はい。

あおひー様

こんばんは。

先日はお世話になりました。
又兵衛は、もう少し状態が良ければ言うことなしでしたが、今回のはまだましな方。

抱一の扇面はいかがでした?

遊行七恵さま

こんばんは。

> 国貞ゑがく、光氏たちのきんきらりんな世界、とても好きです。

⇒おっしゃる通りのきんきらりんの世界でした。これが3枚びっしり何セットも続くのですから。
江戸時代というのは、今以上に煌びやかな世界だった気がします。

とら様

こんばんは。
先日はマスク姿で失礼しました。風邪を引いていた訳ではなかったのですが、ついつい予防の癖が。。。

> 鳥文斎栄之《女三之宮 衣通姫 小野小町》。女三の宮の足元には仔猫、右後ろには御簾と細かい描写でしたね。

⇒三之宮の足もとの猫、覚えてます。それもあって、記憶が残ってたのかもしれません。

No title

こんばんわ。
おかげさまで最終日に行ってくることが出来ました。

やはり、又兵衛はよいですね。
ぼんやりとした雰囲気というか気分みたいな空気が漂ってるのがたまりませんね~。
ああ、これで保存状態がよかったら。。というのは贅沢かな。

No title

こんにちは
国貞ゑがく、光氏たちのきんきらりんな世界、とても好きです。
こういうのは当時の庶民も楽しめるし、現代の我々も喜べるので、嬉しいですね。
江戸文化と言うのはやっぱりえらいものだと思います。
江戸も平安もどちらも鎖国した中で、独自の文化が発達した、ということを改めて思い出しました。

No title

鳥文斎栄之《女三之宮 衣通姫 小野小町》。女三の宮の足元には仔猫、右後ろには御簾と細かい描写でしたね。
2階に上がってすぐにマスクの女性から声を掛けられ、「だれの見立て?」と訝ってしまいました。
あそこでmemeさんにお会いするとはまったくの想定外でしたから。
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