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「岡山県立美術館所蔵 雪舟と水墨画」 千葉市美術館

omote
千葉市美術館の「雪舟と水墨画」展を見て来ました。
雪舟の故郷岡山にある岡山県立美術館では、水墨画の展示を方針とし、収集してきました。今回は、その岡山県美の貴重な水墨画コレクションの中から、中国宋代の牧谿、室町時代の雪舟、江戸時代の宮本武蔵、浦上玉堂、明治の富岡鉄斎に至る66点より水墨画の世界を紹介しています。

展覧会の構成と共に印象に残った作品で振り返ります。

第一章 中国絵画-憧憬の中国-
・伝 夏珪 「山水図」 南宋時代
入って正面に、観客を迎えるように1点展示されている。それが、これから始まる水墨画の世界のまさにプロローグに相応しい印象を醸し出していた。
1点だけで、これだけオーラが出ているのはすごい。

・伝 馬遠 「高士探梅図」、「採芝図」 元-明時代
「伝」はついてしまうが、どちらも優美な筆遣いの美しく繊細な香りのする作品。ことに、梅の枝の様子はこれ以上ない程、細い。
「採芝図」の小さく小さくきのこが描かれている様子に注目。

・伝 月壺 「百衣観音図」 元時代 重要美術品
仏画であるから、モチーフはみな同じ。抱一など琳派も「百衣観音図」を描くが、これらの中国伝来の絵画がルーツなのだろうか。とても良く似ている。

第一章の最大の目玉は恐らく玉澗の「廬山図」<重要文化財>なのだろう。展覧会チラシ裏面にも掲載されていた。玉澗は、中国より日本で人気のあった作家とのこと。が、私には残念ながらその良さは感じられなかった。

・牧谿 「老子図」
roushi
鼻毛にわずかに残った頭髪もざんばらな老子の絵。着衣の濃墨が映える。

第二章 日本の水墨画たち-雪舟から武蔵まで-
サブタイトル通り、ここでは雪舟がまだ拙舟と名乗っていた頃の作品から始まり、宮本武蔵の作品中心での展開。

・「渡唐天神図」 雪舟等揚 室町時代
同様の作者不明の「渡唐天神図」も会場内に展示されていたが、雪舟のそれは、松と梅が同心円状に丸く樹に坐した天神を取り囲むように描かれているのが特徴的。この時代「渡唐天神図」は数多く描かれていたが、天神がやや横向きに座っている姿というのはないようだ。
気になって、2002年の東博・京博で開催された「雪舟」展図録を調べると、この作品も出展されていた。
なお、「雪舟」展では上図の他「神農図」、「山水図(倣玉澗)」の3点が岡山県美からは出ていた。
もちろん3点とも、本展で見ることができる。

・「出山釈迦図」 拙宗等揚
どこかなよっとした釈迦図。水墨画による人物図を見ると、必ず着衣表現に目が行く。墨の濃淡、線の太さ細さだけで、これだけの表現をする技術というものに感心してしまう。

拙宗時代の作品はこの他「雪景山水図」も出ている。
雪舟については、ぼんやりとしか知らず、結構名作はあちこちで見かけていたが、中国絵画がマイブームなだけに、かの地で絵を学んだ雪舟に俄然興味がわいてきた。
早速帰りに千葉市美のミュージアムショップで「日本の美をめぐる 雪舟」を購入しお勉強した。
千葉市美のミュージアムショップはいつも欲しい物が何かある。私にとって危険な場所だ。

それと「雪舟」の署名が気になった。あまりカッコ良い字体ではなく、しごく素朴で恰好をつけていない署名である。時代は全く異なるが、蕭白の飾り文字と比べると大変な違い。

・雪村周継 「瀟湘八景図屏風」 紙本墨画金泥六曲一双 
こちらは見事な八景図屏風。これ見られただけでも大満足。海を描く左隻がことのほか素晴らしい。

・雲谷等益 「楼閣山水図屏風」 紙本墨淡彩六曲一双 江戸時代
雪村の屏風とはかなり画風は異なる。どちらかと言えばかっちり、きっちりという印象を受ける。
こんな描き方の水墨画を栃木県美の「朝鮮絵画と日本」展でも見たような。。。

・宮本武蔵 「布袋竹雀枯木翡翠図」
この作品が一番武蔵のイメージに近い感じがした。雀や枯木はモチーフとしてよく彼の作品で見た記憶あり。武蔵の水墨画は有名だけれど、上手いのか下手なのか作品にばらつきがあるように感じる。

第三章 岡山出身の四条派画家-柴田義重と岡本豊彦-
サブタイトル通り、2名の岡山出身の作家に焦点を当てて紹介している。
特に気になったのは、柴田義重。「西園雅集図」は、近代日本画の走りではないだろうか。
既に明治の日本画の息吹がした。
人物の表情を見ていると、西洋画っぽい。

第四章 江戸時代の唐画と富岡鉄斎-中国愛好の系譜-
ここでの私的みどころは浦上玉堂、浦上春琴、富岡鉄斎の3名。
鉄斎は実のところ、あまり好みではないが、玉堂、春琴の作品は目から鱗的な感動があった。

・浦上玉堂 「山澗読易図」
gyokudou

山の表現がまるで、きのこもしくは筍のようである。この技法は玉堂オリジナルなのか?

・浦上玉堂 「春山染雨図」
こちらは水の表現が特異。うずまきのような波。まるで鳴門のうずしおであった。

・浦上春琴 「名華鳥蟲図」
春琴の作品は緻密。蝶も虫も花も、きれいにきちんと丁寧に描いている。中国の花鳥画の影響か。

様々な墨の表現を楽しめます。

*1月25日まで開催中。

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岡山県立美術館所蔵 雪舟と水墨画 千葉市美術館

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岡山県立美術館所蔵・雪舟と水墨画 @千葉市美術館

 2006年の「浦上玉堂展」でコラボが実現した両美術館の交換展。千葉→岡山には「浮世絵展」、そして岡山→千葉が「雪舟展」というわけである。 岡山は日本における水墨画の巨匠雪舟の故郷であることから、岡山県立美術館では水墨画の名品を収集してきている。 第1章

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再び、なでしこ様

> なんでも屈託のないのが好きですが、老子の鼻毛は、 
>えっ、いいんですかっ!?と思っちゃいました。
> こんな目のつけドコロな私・・・

あの鼻毛、あそこまで強烈にしなくてもと思います。
しかし、他の皆さんが高尚な感想や紹介を書かれているのに
ここで二人して鼻毛で盛り上がってるってのが笑えます。
難しく考えなくても、楽しく鑑賞できればいいですよね!

No title

伝 雪舟「神農図」は、神様というより、やんちゃな感じがしました。
なんでも屈託のないのが好きですが、老子の鼻毛は、 えっ、いいんですかっ!?と思っちゃいました。
こんな目のつけドコロな私ですが、今年もよろしくお願いいたします♪

一村雨さま

こんばんは。
コメントのお返事が遅くなり申し訳ございません。
千葉市美では浦上玉堂の展覧会を過去にやっていたようですね。
確か、ミュージアムショップに図録が残っていたような。。。
次回行ったら、男女の陰陽云々について確かめてみます。

No title

浦上玉堂の描く山々は男女の陰陽を表すと
2年前の展覧会のときに聞いた覚えがあります。

私も日本の美をめぐる 雪舟を買って
勉強しようと思います。

あーうる様

ご回答ありがとうございます。
既存の画法を参考にしつつ、玉堂オリジナルな部分が相当あるようですね。

No title

カットの部分は強いてあげれば馬牙皺に似てる感じはします。ただ円の下の部分が馬の歯ぽく見えません。米点の上に馬牙皺の円の部分だけ乗っかってる感じでしょうか。

あーうる様

> 玉堂の山の表現は米法山水のアレンジです。少し分かり辛いかも知れませんが、ウイキペディアの米芾作「春山瑞松図」を参考にしてください。

⇒ コメントありがとうございます。
  早速、ウィキペディアで「春山瑞松図」を拝見しました。
  確かに、こんなもこもこした点法の山もありましたね。
  きのこ山の大胆なカットも米法山水のアレンジなのでしょうか。

No title

玉堂の山の表現は米法山水のアレンジです。少し分かり辛いかも知れませんが、ウイキペディアの米芾作「春山瑞松図」を参考にしてください。
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