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「20世紀のはじまり ピカソとクレーの生きた時代」 Bunkamura ザ・ミュージアム

クレー

名古屋市美術館からの巡回を経てピカソとクレーの生きた時代」を観ました。
全作品数64点とそれほどないが、なかなか見ごたえのある内容でした。
ただ、タイトルは「ピカソとクレーの生きた時代」と思わせぶり?ですが、別名を付けるとするならば、「ノルトライン=ベストファーレン州立美術館所蔵西欧近代美術コレクション展」と言った感じでしょうか。
今回、同館が改修工事のため休館する機会を利用して、そのコレクションを日本で展示紹介しようとする試みです。

展覧会構成順で印象に残った作品を振り返ります。

第1章 表現主義的傾向の展開
表現主義を標榜しつつ、しょっぱなはフォービスムのマティス「午後の休息」1904年が登場。
明るい色彩のみを使用し、まぶしさで輝いていた。

・フランツ・マルク 「3匹の猫」 1913年 
この作家を知らなかった。動物をよく描いたそうだが、この3匹の猫も大胆な色彩と構図で、確かにドイツ表現主義の魁のように感じる。一瞬シャガール?と思ったけれど、シャガールであれば、猫だけ3匹というのはあり得ないか・

・マルク・シャガール 「祝祭日」 1914年
シャガールは2点あって、うちこの祝祭日はシャガールらしからぬシンプルな画面。
ユダヤ教を意識したテーマ。人物の頭上にさらに小さな分身が乗っている。

第2章 キュビスム的傾向の展開
キュビスムと言えば、この人ピカソの登場。ピカソは全6点。
中でも一推しは「二人の座る裸婦」1920年。古典主義時代の作品。あまりにも存在感があった。
この時代のピカソの作品は好きなのだが、その中でも特に良いと思う。落ち着いた色合いの背景が気になる。
帰りにこの作品だけポストカードを買おうとしたが、印刷だと暗くなり過ぎていて、買うのをやめた。
やはり、本物だけが見せる味ってある。

・「鏡の前の女」 パブロ・ピカソ 1937年
もう顔だけでマリーテレーズ・ワルテルと分かる。
画面左の黄色の花瓶、鏡の中の赤・白・黒の幾何学模様、マリーの着衣の青が上手くバランスがとれている。さすがピカソ。

同じくピカソの「フェルナンドの肖像」も気になった。

第3章 シュルレアリスム的傾向の展開
この章の個人的見所はルネ・マグリット。未見作(以下)ばかりで嬉しかった。
・「とてつもない日々」 1928年
マグリット
女性の裸体にからみついたような男性の半身。男性の半身は女性の身体の線を壊すことなくその1部と化している。見ようによっては、壁から男が飛び出して女性を壁に引きずり込むようにも見える。
面白い。

・「庶民的パノラマ」 1926年
通常横に展開されるであろう風景が縦につながっている。まるで、家の2階1階地下階といった感じ。
各界はそれぞれ美しく(?)描き分けられて、吹き抜けで上手くつながっている。
不思議なマグリットの世界。

・「暗い庭」 イブ・タンギー 1928年
シュルレアリスム主宰者ブルトン旧蔵作品。「不在の淑女」と2点あったが、暗い色調で、どちらかと言えばシュルレアリスムらしくないこちらの作品の方が気に入った。

第4章 カンディンスキーとクレーの展開
冒頭カンディンスキーの1914年作3点が並んでいた。久々にこの年代のカンディンスキー作品を観る。
ロベール・ドローネーのクレーの始祖というべき作家のものも1点あった。
これ以後ドローイング含む27点のクレー作品で展覧会は終わる。

・「畑の中の黄色い家」 1912年
いたずら書きのような水彩作品。こんな作品はクレーの中でも好み。

・「ムッシュー・ペルレンシュバイン」 1925年
スプレーを使用して制作。以前何かで画像を観ていたので、実作に出会えてうれしかった。

・「リズミカルな森のラクダ」 1920年 (トップ画像)
今回チラシやポスターにも採用された作品。もっともクレーらしい作品だと思う。

「宝物」「赤いチョッキ」などを眺めていると毎度のことながらクレーの作品は詩的でリズミカルだと感じる。
「助けを呼ぶ声」「踊りの場面」、ことに前者はピカソっぽいドローイング。線の巧みさはピカソも素晴らしいが、クレーも上手い。

*3月22日まで開催中。 

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一村雨さま

こんばんは。
3匹の猫を描いた作家は動物を多く描いていたとか。
きっと、他の作品の動物たちも生き生きとしているのでしょうね。
もう1点くらい観たかったです。

ogawama様

こんばんは。
こちらのコメントを拝見する前に、ogawamaさんの記事に
コメント入れさせていただきました。

> 「二人の座る裸婦」、良かったですねー。
> 精神が満たされるような、豊穣さがありました。
⇒ 何と素晴らしい表現。
  なるほど私が惹かれたのも、この豊饒さ故だったのかも。
  作品の魅力を言葉にできるセンスに脱帽です。

No title

本当に思わせぶりなタイトルですよね。
単純なタイトルの方がずっと良かったなぁと思います。
私も「3匹の猫」がお気に入りです。
ちょっとキュビズムタッチですが、猫がとても生き生きとしていて
良い感じです。

よかったです

「二人の座る裸婦」、良かったですねー。
精神が満たされるような、豊穣さがありました。
私はこの展覧会はアレが見られただけで高得点です。
更に他の作品も佳品が揃っていたと思います。

とら様

こんばんは。

> マグリットの「とてつもない日々」には驚きました。

⇒同感です。あの作品はとてつもないですね。
 今回は今まで見たことのない作品ばかりだったので、
 実りが多かったです。

あおひー様

こんばんは。
ピカソは点数の割に良い作品が出ていたと思います。
二人の座る裸婦が見られただけで大満足です。
個人的にはクレーの方がもの足りませんでした。

ノルトライン=ヴェストファーレン

マグリットの「とてつもない日々」には驚きました。
女性の足の影が背後の青い布の下に消えていくのはとてもシュールです。
クレーも楽しい作品が揃っていて、楽しめました。
 

No title

こんばんわ。
タイトルにあるピカソが思ってたよりも少なくて拍子抜けしちゃいました。
でも、その代わりに大好きなマグリットの作品を3点も見れて大満足。
クレーも何点かいいなあと思うのに出会えてよかったです。
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