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「智積院講堂襖絵記念完成記念「田渕俊夫展」 日本橋高島屋

tabuchi
関西遠征シリーズが続くかと思いきや、フェイントで本日からスタートした「田渕俊夫展」に行って来ました。先週のNHK「新日曜美術館」の特集にもとりあげられていたので、ご存知の方も多いことでしょう。私は見逃したのですが、今更激しく後悔しました。
予想をはるかに超えた頗る良い内容だったのです。

現在日本橋三越で田渕俊夫展を開催していますが(1月18日まで開催中)、今回の高島屋の展覧会は京都智積院講堂内の襖絵60面の完成と昨年10月の奉納を記念し、一般公開に先駆けて紹介するものです。

7時前に到着したのですが、お客さんはまばら。広い会場内で襖絵をじっくりゆっくり堪能しました。
金剛の間、胎蔵の間、大悲の間、不二の間、智慧の間とお部屋ごとに襖絵が展示されています。
昨年の東近美で行われた東山魁夷の展覧会の時のように、畳が手前に敷かれており、その向こうに襖そのものがあるため、かなりの臨場感が得られます。
畳が敷かれているため、入場した際には新しい畳の香がするのも好印象。

まずは金剛の間にある2作品。ここは「夏」をイメージして「けやき」(6面)と「めだけ」が置かれています。入口正面にあるのが「けやき」。
こちらは、世田谷公園のけやきをスケッチしたものだそうですが、特徴的なのはけやきの太い幹が途中でずっぽり折れていること。
にもかかわらず、その横から枝が伸び、更に枝葉を伸ばすという植物の生命力ある姿を幻想的に捕えています。
白い襖に消えて行きそうなけやきは、夢の1シーンのようです。

胎蔵の間は、「胎蔵」の言葉から「春」をイメージした2作品「枝垂れ桜」と「柳」です。
この2作品は好みがわかれるかもしれません。
私は断然「柳」が良かったです。敢えて全体でなく柳の木の上部を描かず中間部より下だけを描いたことで、柳の木のスケール感を醸し出している所がお見事。
横一杯にしだれる柳の枝を見ていると、母なる胎内に抱かれているかの感覚が起こりました。

智慧の間は「秋」がテーマ。「ススキ」と「柿」の2作品です。
いずれも素晴らしい作品なのですが、「柿」は忘れられません。一見すると、「柿」とは分からないように思います。その枝ぶりは寂寥感が漂い、晩秋の趣。孤高の人を思い浮かべました。

大悲の間は「冬」です。冬山を描いた2作品ですが、ここでは特に技法に着目しました。
和風点描絵画と申しましょうか、水墨画で点描画表現をこんなに幻想的(語彙が乏しい~)かつ空気感が漂うものなのでしょうか?
山の稜線をほんのわずかのタッチで表現している所など泣かせます。
こちらの作品は、智積院と言えば思い出す長谷川等伯の「松林図」を想起させるやもしれません。
技法は異なりますが、画面から漂う森閑とした雰囲気は同じです。

最後は不二の間。ここでは「朝陽」と「夕陽」の2作品。
両者は向かい合わせに展示されていますが、どちらもタイトルを見ずとも時間帯がすぐに分かるはず。
「夕陽」は1日の終わりを。水は描かれていないのに、そこに水辺があって景色が映り込んでいるように見えました。とにかく美しいです。

「朝陽」の方は、新しい何かが生まれてくるそんな気持ちが伝わって来ました。朝靄の立ち込める中、太陽は描かれていないように記憶していますが、それでも陽の光が見えてくるのです。

お客さんは会場内に3人程になったので、椅子に座って作品の前で暫くぼ~っとしてしまいました。
白と黒、墨の濃淡だけでこれほどの表現ができるなんて、水墨画とは本当に驚くべき絵画法です。
ことに田渕作品は、引き算が見事だというのが強い印象です。

智積院でも公開していただけるかと思いますが、ぜひ再見したいもの。

*1月27日まで開催中。18時以降は入場料半額で空いているようです、オススメします。

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はろるど様

日本橋三越は、展示スペースは狭くてイマイチでしたが
内容は盛り沢山でした。
名古屋に巡回する予定もあったかと思いますので、他と
からめて日程が合えば行く価値ありです。

No title

こんばんは。おすすめに従い18時以降に行ってきました。半額とは嬉しいですよね。場内も数人で、静かな環境で楽しむことが出来ました。

>引き算が見事

同感です。三越を見逃したのだけが悔やまれます。

Tak様

Takさんの記事拝見いたしました。
等伯の作品も「楓図」と「けやき」を並べた画像が興味深かったです。
さすが、Tak様のブログですね。
読んでも見ても楽しめます。

No title

おはようございます。

モノトーンの精神性の高い、且つ贅沢な空間でした。
長谷川等伯を意識したかのような「けやき」見事でした。

oki様

こんばんは。
田渕さんはお言葉一つとっても、深い内容で
いろいろ考えさせられました。
水墨画にも田渕さんの姿勢が垣間見えます。

図録は残念でしたね。
私も迷いましたが、実作とはかけ離れているので、
今回は見送りました。

とら様

こんばんは。
先程、そちらにお邪魔して感想拝見しました。
「柿」とすすき、そして映像コーナーは制作の
秘密に迫る内容で興味深かったです。

No title

僕も今日夕方行ってきました。
結構お客さんいましたよ。
田渕の水墨は見事ですね。
ビデオでもやってましたが、富士山に取材に行って、富士山をスケッチせずに、すすきに眼をやるのがなんともー。
雑草を通して人生がみえる。
ところで、真言宗智山派って、埼玉や千葉にお寺が多いんですね。
図録、見本を見ずにー他の人が占領していたー買って損した。
絵の中に解説いれてる!

No title

TBありがとうございました。
軽快なフットワークですね。参考になりました。
そろそろ高島屋ー三越をつないで観てこようと思っています。
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