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「京都御所ゆかりの至宝-甦る宮廷文化の美-」 京都国立博物館

暁斎展以来かな、京博の特別展「京都御所ゆかりの至宝」展を見ることができた。
やはり、京博あなどってはいけない。

約130点で京都御所ゆかりの品々、これらは御所や宮内庁に伝わる品々、と天皇の下賜品や移築された御所建物の障壁画の名品までを一堂に集め、宮廷文化の全貌をかえりみる初めての機会。
展覧会構成にしたがって感想を簡単に書いてみる。

1章 京都と天皇の遺宝
天皇といってもここで展示されているものは室町時代後半から江戸時代半ばの至宝。歴代天皇の直筆、奉書などが多かった。

中でも「後陽成天皇宸翰女房奉書」は、豊臣秀吉に朝鮮出兵をいさめる内容の手紙であり、めったに古筆など読めないのに、この奉書に限っては冒頭部分が私でさえ判読可能だった。
天皇が朝鮮出兵に心痛めていた様子がこの奉書で伺われる。

見事なちらし書きを披露している「正親町天皇宸翰仮名消息」(室町時代・大雲院)も美しく惚れ惚れした。
天皇は達筆でないと、つとまらない。

・「金装三葉葵桐紋蒔絵飾太刀」
太刀は他にも展示されていたが、これは別格。細工の細かさ、豪華さはさすが。秀忠へ時の天皇から下賜されたという曰くつきの品物。これが個人蔵というから驚く。

・「日月蒔絵硯箱」仁和寺
サントリーの蒔絵展に出展されても良さそうなのに、蒔絵の名品。

・「霊元天皇宸翰和歌袱紗」御物
こちらは、正真正銘御物である。御物などこの機会を逃したら、次にお目にかかる日が来るのかどうかさえ危うい。この袱紗、あまりにも美しく感動してしまった。

2章 桂宮家と桂離宮
京都ゆかりの至宝と言えば、桂離宮は切っても切り離せない。
ここでは、この利休の引手、釘隠が6組9枚展示されている。これらの所蔵先は宮内庁京都事務所となっていた。七宝でできた花文引手やら木瓜形のやらあったが、一番好きだったのは月字形引手。
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これなど桂離宮のイメージを引手で表現する逸品。

他には茶道具の良い物がぞろぞろ出ていたが、上に同じく宮内庁京都事務所所蔵である。
中国明時代の「青貝唐絵硯箱」、「染付山水文水指」などがとりわけ良かった。

最後に狩野探幽「源氏物語図屏風」(右隻)宮内庁三の丸尚蔵館蔵があったが、後半屏風が続々出て来て最後には記憶が消えてしまっていた。もったいない。

3章 宮廷と仏教
個人的には、このコーナーが一番良かった。

・「水天像」平安時代 京都国立博物館蔵 国宝
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水天の表情が何やらなまめかしい。平安時代という古さにも関わらず、状態が非常に良く彩色も線もしっかり残っている。本展マイベストはこの水天。本当に美しいお顔だった。更に衣服の錐金の細かさと言ったら…溜息もの。

その隣に「孔雀明王像」(鎌倉時代・智積院蔵)もあって、孔雀明王が好きな私としては、これもしっかり堪能した。重文指定のものだけあって、見事。

・普賢菩薩騎象像 平安~鎌倉時代 妙法院 重文
残念ながら前期展示に仏像はこれだけ。でも品のある普賢菩薩で満足。大倉集古館のものに似ている。

4章 宮廷の装束
各天皇のお召しになられた装束が展示されている。高貴な方のご使用、所有物を「御料」というらしい。展示作品名に軒並み付帯されているので、調べてやっと意味が分かった。

5章 御所の工芸
ここでは、釜屋助左衛門という作者の唐金茶道具などを展示。

6章 紫宸殿の荘厳-賢聖障子絵
いよいよ、ここから京博らしさのスタート。
江戸時代初め仁和寺に下賜された狩野孝信による障子絵20面を一挙公開。ずらりと並んだ中国の賢聖名臣の肖像作品は地味ながら壮観な景色。
これだけでも、来た甲斐があったと思った。

7章 御所をかざった障壁画
こちらは狩野派の障壁画がどかんどかんと並んでいる。
状態がいま一つのものが多い中、やはり抜きん出てその存在感をアピールしていたのは、伝狩野永徳作品である。
永徳本人の手による作品ではないかもしれないが、何かしら惹かれるものがある。
・「牡丹麝香猫図襖」 南禅寺
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・「枇杷雉子図襖」 南禅寺
これらの障壁画は天皇の即位などで、御所建物が新たに造営され不用となった旧御殿が門跡寺院に下賜されると同時に一緒にもたらされたもの。

・「唐人物図屏風」 狩野甚丞筆 仁和寺
・「楼閣山水図舞良戸貼付」 狩野貞信 麟祥院
・「厳島図襖」 狩野洞春 光明寺
なども好印象。

8章 御所の障屏画
7章では狩野派による障壁画の紹介であったが、最終章では安政度造営(1855年)の御所・清涼殿の障壁画が展示されている。ここでは、土佐派-主として土佐光文-の名所図が使用されれいるのも興味深い。題材も花鳥画から名所図に転じている。
いずれも宮内庁京都事務所所蔵の名品。

最後は、狩野派に学んだ山本素軒「琴棋書画図屏風」(六曲一双)で見事に締めくくられていた。

*2月22日(日)まで開催中。

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遊行七恵さま

シンガポールからご帰還されたのですね。
お疲れのところ、早速のコメントありがとうございます!
寛永年間って、私にはピンと来ないので、後でしっかり
作品リストをチェックしてみます。
工芸品で紹介し忘れたのが、青磁の壺。
あれも美しかった。

No title

こんばんは
今回の展覧会では障壁画もよかったですが、工芸品の美にときめきました。
あの月の釘隠しなんか最高に素敵ですね。
それと挙げておられる水天、わたしもめちゃお気に入りです♪

展示を見る中で、寛永年間にも惹かれ始めました。
その意味では、この展覧会はいい指標になってくれたようです。
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