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はじめての美術館10 「日本の民画-大津絵と泥絵-」 日本民藝館

mingei

ついについに、民藝運動の総本山「日本民藝館」を訪れた。
日本民藝館は私のバイブル藤森照信著「美術館三昧」にも紹介されている名建築美術館のひとつである。設計は「美術館三昧」によれば柳宗悦・吉田亨ニとなっている。

最寄駅は京王井の頭線駒場東大前下車徒歩5分。駅から民藝館までに至る道の両脇は文字通りお屋敷ばかり。閑静で瀟洒な住宅街で、こんな所に住んでみたいと思わせるものがある。
目指す民藝館は、大谷石の石塀が目印で、当たりの建物とはやはり一味違うので、すぐわかる。

入口の抜けると、広い大谷石敷の土間になっていて、観客は靴を脱ぎスリッパに履き替えて鑑賞する。この大谷石の土間を毎日係の方が磨かれるそうで、摩耗してつるつるになっていた。

年末年始にかけて、民藝運動に加わっていた英国人「バーナード・リーチ絵日記」(下図)を読み、ほんの少しは民藝運動の一端が垣間見えた気がした。無名の職人による民衆的美術工芸の美を発掘し、世に紹介することに努めたというのが活動の趣旨ではあるが、活動により民藝による作家という新たなブランドを作り出してしまったようで、矛盾も生じてしまったのが悲しい。

リーチ


柳宗悦と親しかった白州正子さんの著書を拝見していると、矛盾が生じ、民藝の仲間うちでも上手くいかなくなってきた様子が書かれていた。

さて、今回之特集は「日本の民画-大津絵と泥絵-」である。隣駅の松濤美術館ではちょうど「素朴美の系譜」という展覧会を開催中で、そこでも民藝館の大津絵はいくつか出展されていたので、併せてご覧になると良いと思う。私も民藝館の帰りに、松濤美術館で後期展示を楽しんだ。

大津絵はこれまでも何回か見ていて馴染み深い。元々東海道の宿場町大津で土産物として描かれ売られた絵で、実に素朴な表現で神仏画から風俗画まで描かれるようになった。
対して泥絵は見かけることがまずない。
そもそも泥絵って何?と思いきや、受付でいただいたパンフレットにちゃんと説明されている。
泥絵は、遠近法などの西洋絵画の影響を受けて、胡粉が基調の不透明な泥絵具で描かれるようになった江戸期の絵画を指す。最初長崎に始まり、上方、後には江戸へと伝播し、眼鏡絵や名所絵図として量産された。

これら大津絵と泥絵を柳宗悦が「民画」と称し使い始めた。

いずれも、相当数作品の展示はあったが、泥絵より大津絵の方に愛情を感じる。泥絵は前述の通り、長崎のものから江戸で作成されたものまで、きちんと網羅されているので、違いも分かりやすかった。
泥絵は珍しいし、西洋画的な要素もあり、インパクトは強い。しかし、大津絵は1点、1点、作品に愛敬があり、和む。
企画展スペース以外の常設展示の部屋でも大津絵はやきものなどと併せて展示されており、違和感なくマッチしていたと思う。

土間を除いて床は、板張り。飴色で使い込んだ感じが美しい。
展示スペースは細かく小部屋単位で区切られ、作品にはタイトルと年代だけの簡単な名札が付けられるのみ。
まず解説なしの状態で作品と向き合って欲しいという柳の意向が反映されている。

その日はたまたま第2土曜で民藝館向かいの西館(旧柳宗悦邸)も公開されていたので、見学した。民藝館開館1年前の1935年に完成、母屋は民藝館と同じく柳の設計で、72歳で亡くなるまで生活の場として使用されていたもの。
ここで、一番印象的だったのは、書斎で、壁という壁にぎっしり本がおさまっていた。部屋の中央に係の方がちょこんと座られていて、部屋の主で自分が侵入者のように感じた。

*3月22日まで開催中。西館は、展覧会開催中の第2・3水曜、第2・3土曜の10時~16時半まで開館。

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『築嶋物語』に再会/日本の民画(日本民藝館)

○日本民藝館 特別展『日本の民画-大津絵と泥絵-』(2009年1月6日~3月22日) http://www.mingeikan.or.jp/home.html  松濤美術館から井の頭線で1駅、展覧会をハシゴ。滋賀県大津の名物「大津絵」と、安価な泥絵の具で描かれた「泥絵」を特集する。どちらも民衆のた...

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jchz様

民藝館では、小さい椅子まで販売しておりましたか。
ミュージアムショップは覗いたのですが、やきものは目に入りましたが
椅子はなかったような。
駒場近辺にお住まいになられていたとは、羨ましいです。
初めて訪れましたが、閑静で理想的な居住環境でした。

No title

こんばんは。
先週末、私は松濤美術館→日本民藝館コースでハシゴしました。
どちらもいい展覧会でしたね。

民藝館は、季節の移り変わりを感じられるところが好きです。
冬はものすごく寒いし、春は梅や桜で華やぐし。
数年前まで民藝館の徒歩圏内に住んでいたので、
小さい椅子を買って、抱きかかえて帰ったこともあります。

あべまつ様

寒い日が続いておりますが、ご健勝のようで何より。
都美のアーツ&クラフツをご覧になったのですね。お早い!

民藝館は展示物より、その建物とと構築物一式に目が
行ってしまいました。
柳は何故あんなにも大谷石を多用したのでしょう?
西館は、民藝館と比べればさすがに個人宅なのでしっぽり
していましたが、やはりあの書籍達が忘れられません。

No title

こんばんは。
ここは私の大好きな場所です。
上野でアーツ&クラフツが始まりましたが、それを見て、
ますます民藝館を訪ねたくなりました。
友人からも西館の見学勧められましたが、まだ未訪です。
ほっと温まるものたちが、いつもにこやかにしているのが嬉しいところです。
駒場界隈もいいところです。
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