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「田中屋コレクション 小村雪岱×岩勝平」 川越市立美術館 はじめての美術館11

tanakaya

今日は埼玉県へ遠征した。
行き先は全部で4館。きっかけは、さる方に頂戴したうらわ美術館のチケットであったが、いつ行こうかと思いあぐねていたら、川越市立美術館で大好きな小村雪岱の展覧会が昨日(24日)からスタートしたため、これに合わせることにした。

小村雪岱も岩崎勝平も川越の出身。どおりで、埼玉近美で雪岱の小特集が組まれるはずだ。
今回は「川越を愛した平成の商人」と言われた故・田中利明氏のコレクションから郷土出身2名の作品が公開されている。

川越市立美術館は、川越駅からバスで15分程度。私はついつい小江戸名所めぐりバスに乗車してしまったが、この巡回バスも2種類あるようで、観光でかなり賑わっている様子だった。巡回バスは時間がかかり本数も少ないのでオススメしません。
美術館は博物館と隣接し、ご当地の名物「蔵」の形をした建物である。
2002年にオープン仕立てなので、館内はまだ新しくきれいであった。

特別展展示室は地下1階。
最初は岩勝平(いわさきかつひら)の作品。
この作家、初めて名前を聞いたが、その生涯を振り返ると師であった岡田三郎助の弟子であった女性との結婚がターニングポイントとなっている。
妻の早逝による結婚後の不遇と孤独が画家としての才能までも奪ったとしか言いようがない。

冒頭の自画像は若者らしくかたい表情をしている。そのかたさが後の不遇を予測せしめるかのよう。
戦前の作品で印象に残ったのは、「童女象」。
同じタイトルで3作の油彩があるがどれも味のある表情をしている。
更には、戦後の作品にもつながる婦人像。こちらは水彩、デッサン、油彩と着物を着た女性やら、裸婦やら様々な女性が描かれている。

従軍中も水彩で絵筆をとっていた。

戦後、妻の死後画壇から離れ、孤独と貧乏の間で作品を描き続けるが主なものはパステルによる婦人像である。戦後は素描画家として活動していく。
「裁縫」1957年、「横たわる女」「ショールの女」などタイトルは同一で似たようなモチーフの作品が多い。画像左はこの時期の「赤い着物の女」。

昭和27年頃京橋の繭山龍泉堂で川端康成の知遇を得、東京百景に取り組むが、鉛筆画であっても一つ間違えると最初からやり直すため、1作に数か月かかり思うように金銭を得ることができなかった。
このシリーズのうち「日本大学医学部並びに付属病院」「浜松町あたり」などは味のある鉛筆素描で、作家の力量が伺われる。

晩年、死期を悟った岩崎は何とか画壇復帰をし画家:岩崎勝平として死にたいと願い、必死の思いで作品を新制作協会へ出品するが認められず59歳で死去。
観ているこちらの方が無念な気持ちになってしまった。

お目当ての小村雪岱は版画作品はわずかで、挿絵下図と装丁作品が中心だった。
下図は作家研究には欠かせないものであろうが、一鑑賞者としてはちょっと物足りない。
装丁作品の方は、見返絵だけで買ってしまいそうになる本の連続。
挿絵原画の中では、画像右のお伝地獄(昭和10年)が秀逸だった。こういう原画はもっと見たい。

小村の日本画は恐らく今回初めて見たと思うが、いずれも版画に劣らぬ線の美しさ。
「唐津くんち」は185.5×95.5の大幅だが、屋根の続く街並みを幻想的に描いている。
版画には見られない味わいがある。
「百衣観音」1937年「如意輪観音」1939年も墨画ですっきりとしているが美しい。
これらの日本画は田中屋これくしょんでなく川越市立美術館蔵。

常設展では、没後10年ということで同じくご当地作家の相原久一朗の作品が数多く展示されていた。
冬の風景画が非常に多く、ブルー、グレー、白、黒などの寒色がキャンバスを彩る。
先ごろ見たハンマースホイを思い出した。
「朝陽フラノ岳」1997年は朝陽が顔を出す前のフラノ岳を描いていて、好印象。
一番好きだったのは「薫風」1986年。何と言うことのない田園風景と空だけど、静かで良い。

数少ない日本画の展示では、橋本雅邦の「蓬莱山」が存在感があった。

作品画像、詳細は初日に行かれたArt&Bell by Toraのとら様のブログに詳しいです。

*3月22日まで開催中。

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非公開コメント

とら様

肝心の蔵の街を体験できませんでした。残念。
美術館の隣の大正時代創業のお菓子屋さんでおまんじゅうを
買ったのですが、美味しかったです。

合わせ技一本は上手い例えですね。

No title

こんにちは。川越は良い街ですね。
美術館へは、バスの「札の辻」から歩いています。
雪岱だけでは足りないので、岩崎勝平や相原求一朗が援軍で登場したのでしょう。
柔道ならば、「合わせ技」で「一本」?
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