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豊島区新収蔵作品「小熊秀雄展1」 熊谷守一美術館 はじめての美術館18

豊島区にある熊谷守一美術館に行って来ました。
熊谷守一作品はもちろんですが、今回初訪問の目的は「小熊秀雄展1」。
展覧会HPはこちら

1930年代、池袋界隈にはいくつものアトリエ村(アトリエ付住宅群)があり、そこでは、寺田政明、靉光、麻生三郎、大野五郎、鶴田吾郎、長谷川利行、松本竣介、丸木位里、丸木俊らが暮らし、あるいは交流していました。この芸術家たちの交流や熱気を「池袋モンパルナス」と呼び始めたのが、小熊秀雄です。

小熊秀雄と言っても、私を含めその名を知らない方が多くいらっしゃるのではないでしょうか?
私だけが知らないという場合もありますが、まずは以下簡単に略歴をご紹介します。

北海道小樽市で生まれ、幼少期を樺太で過ごし、青年期に旭川新聞社で新聞記者を務める。この頃から詩作を始め、27歳で上京後は雑誌社や業界新聞で働きながら、雑誌『民謡詩人』などに作品を発表。
1935年に長編叙事詩集『飛ぶ橇』で詩人としての地位を確立、自由や理想を奔放に歌い上げる作風で、詩壇に新風を吹き込んだ。詩作にとどまらず、童話・評論・絵画など幅広い分野で活躍した。
1929年から1940年まで、豊島区旧長崎、旧池袋町を、転々とし、貧困の中、結核により39歳で亡くなる。

今回の展覧会は、平成20年度に豊島区が新たに収蔵した小熊秀雄の絵画作品のうち、1930年代の東京の街並み。風俗などを伝える作品の一部を紹介するもの。
展覧会タイトルが「小熊秀雄展1」となっていることからも、分かるように今後池袋モンパルナスの検証を行う場としてシリーズ化していくそうです。係の方によれば、来年度も同時期に開催予定とのこと。

前置きが長くなりました。

展示作品数は関連資料を除けば、わずか約30点ですが、観る者をぐっと惹きつける作品でした。
冒頭にあった小さな油彩画「すみれ」1930年代。
この作品が忘れられません。その色使いとすみれを描く描線が特有で、日本人画家らしからぬ印象を受けました。思わずしばらく凝視。
油彩画はこの「すみれ」とチラシにも掲載されている「夕陽の立教大学」1935年の2点のみですが、後者も夕焼け空で赤く染まる風景が、一見稚拙なようにも見えますが、心に残る1枚に仕上がっています。

もっとも多く展示されているのは開明墨汁という当時手に入った墨汁を薄めたようなもので描かれたデッサン。これが、また良いのです。
たとえて言うなら、ベン・シャーン風。この作風なら、挿絵画家としても大成しそうなほど個性的なタッチです。
小熊夫人を描いた作品が複数ありましたが、彼は愛妻家だったのでしょうか。

小熊の色を味わうなら、水彩も見逃せません。
「月夜の幕開け」(1930年代)は、物語的、幻想的な作風で不思議な作品で、他の題材、例えば「カフェ」などのスケッチ風のものとは一線を画していてように思います。

会場には小熊が作った詩も併せて展示されているので、詩を読みつつ、絵を眺めていると、当時の小熊の様子が偲ばれ深い感慨に浸りました。
狭い会場ですが、主催者側の意図や思いが伝わる丁寧な内容で大変感心しました。

次年度も楽しみにしたいと思います。

*3月15日(日)まで開催中。
場所:豊島区立熊谷守一美術館 3階ギャラリー 
本展は入場無料ですが、1階、2階の熊谷守一作品を鑑賞する場合、500円の入館料が必要です。
東京メトロ有楽町線・副都心線 要町駅2番出口下車 徒歩8分
要小学校を超えてすぐの道を左折すると、後は看板の指示通り進んでください。

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