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「伊庭靖子展-まばゆさの在処-」 神奈川県立近代美術館鎌倉

神奈川県立近代美術館鎌倉で開催中の「伊庭靖子展」に行って来ました。
この作家さんのお名前は随分前から知っていて、作品も一度(2005年森美開催:秘すれば花展)は見ています。
日本の美術館での個展は初めてのようで、今回は近年制作された作品約40点を中心に展観する内容でした。
出展作品画像は作家さんご本人のHPをご参照ください。

彼女の作品の特徴は自身で身近なものを撮影し、その写真のイメージをもとに絵画へと転換することにあります。また、モチーフはリネン、クッション、ソファ、枕、オレンジ、ゼリー、磁器など対象となっているものが、かなり限定されており、作品タイトルがありません。
「タイトルがない」というのは、美術館泣かせ。
作品リストを作っても、全て「Untitled」になってしまうので、大きさや制作年などでしか区別ができません。
そこで、神奈川県近美は知恵をしぼり、作品リストに小さなモノクロ画像を掲載、その上で①制作年②サイズ③所蔵先④カタログNO⑤作品展示番号(裏面に展示室図面+作品番号で位置が一目で分かる)も併せて記載するという工夫が凝らされています。
制作年の後ろには、ご丁寧に制作順序を示す番号までカッコ書きで記載されていて、頭の下がる思いでした。こんな分かりやすい作品リストは初めて。

過去のケースのように1枚単独で見ると、やや印象が薄くなりがちですが、40点以上まとめて拝見するというのは楽しい経験でした。
これだけまとめて見ると、改めて伊庭さんの写真のような絵画が鑑賞側に与える感覚・呼び起こすものが、何となく自分の中に見えて来たような気がします。

私が受けた感覚というのはまず第1に「清潔感」。次に「透明感」。
例えば、海が見えるような真っ白なシーサイドハウスの応接間やキッチンに、伊庭さんの作品はぴったり。
都会のマンションでも白を基調にした部屋なら、一気にその部屋の清潔感が高まる気がします。

個人的には「プリン」と第2展示室にあったリネン模様のクローズアップ、2008年、2009年の作品が好きです。
プリンは全作品中、自分が一番食べたいと思ったのと、あのプルルンとした質感、カラメルのてり感が堪りません。プルプル感は紫色のゼリーをクローズアップした作品にも強く出てましたが、私はゼリーよりプリンが好き(絵には関係ないけど)。
リネン模様の方はより美しく洗練された感じを受けました。
普段見慣れているものを拡大し描くことで、見過ごしがちなその物の持っている質感を鑑賞者に見せる。写真では見えない質感を絵画への転換により、鑑賞者に見せてくれることが彼女の力量であり、目指すところではないでしょうか。

それにしても枕やリネンが多いのはなぜ?お好きなのでしょうか。

私の好きな小林孝亘さんの過去の作品にも「pillow」と題された枕のみキャンバスに描いた作品があります。今回伊庭さんの作品にも同じような枕を描いた作品があり、小林さんのそれを思い出しました。
筆跡を残さない所など似た感じは受けますが、同じものをキャンバスに大きく描いた作品でも受ける印象は違いました。そんな比較をしても楽しめると思います。

*3月22日まで開催中。

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ogawama様

ogawamaさんは、接写アプローチがお好みだったのですね。
私は、質感の方に目が行ってました。
しつこいですが、プリン好きです。
だって、本物より美味しそうでしたよ。

No title

よい展覧会でした!
「写真では見えない質感を絵画への転換により、鑑賞者に見せてくれる」
私は写真的アプローチしか捉えられなかったのですが、memeさんは更に踏み込んで伊庭さんの技法を見ていたのですね。
伊庭さんの、モノを選ぶセンスが好きです。

はろるど様

こんばんは。
接写アプローチ!まさにそれぴったり。
接写型質感アプローチ、これで決まりですね。
別館も行って来ましたが、小品が良かったです。
アップできるかな~。

No title

こんばんは。清潔感に透明感、まさに仰る通りですね。また絵を見て思わず掴みたくなるのもまた新鮮でした。あのクッション、きっととてもふかふかなのでしょうね。

細微を伺う接写的なアプローチ、これからもまた注目したいです。
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