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「小杉放菴と大観 ―響きあう技とこころ―」 出光美術館

houan

2009年となって、既に3ケ月が経過しようとしています。
この間、様々な展覧会を見て来ましたが、今回の出光美術館は素晴らしかった!
いつも、充実した、ハイレベルな展覧会を企画する美術館として高評価を得ていますが、東京に出てから見た出光の企画展では一番良かったです。
単に、私の好みにマッチしたってことなんですが、あれだけまとめて放菴作品を見られてHAPPYでした。

本展は単なる放菴の回顧展ではなく、日本画の大家横山大観との関わりにスポットを当てて2人の作品を展観するという点がポイントであり、私がツボにはまった理由です。

印象に残った作品と共に展覧会を振り返ります。

第一章 洋画家・未醒時代
お酒が大好きだった後の放菴は洋画家時代の画号を未醒とした程。
冒頭で絵の師であった、五百白文哉「日光東照宮」、放菴の「日光東照宮」と並んでいます。この頃は、師の作品に忠実だった様子が伺われます。
その後、西洋画の道に進みますが、池大雅の「十便帖」の複製に留学先のパリで出会い、東洋の美に帰る転機を得るのです。
このあたりのエピソードがドラマチック。
、放菴の作品のいくつかに池大雅風表現が感じられ、生涯放庵の中で大雅というのはどんな存在であったのか、そのあたりも気になります。

洋画時代では「湖畔」(1914年)は油彩ですが、どこか日本画風の清冽な色彩、塗りでした。

第二章 日本画家・放菴時代
第三章 壁画に込めた祈り
この2つのコーナーはお気に入りが目白押しでした。
・「柳下人物」 1926年頃
・「陽光」 1936年 木蓮大好きな私は、放菴の描く木蓮がとりわけ好き。
・「四季(夏 河童)」 1961年 3匹の河童が楽しそうに泳いでいる?いいなぁ、こののどかさ。

壁画ではやはり、これでしょう。
・「天のうづめの命」 1951年
油彩なのに、日本画のような表現です。戦後出光興産タンカー「日章丸」竣工記念に贈った作品。
出光佐三との結びつきを知るエピソードとして、こちらも有名。
竣工にふさわしい、天の岩戸を開かんとさせる祝の舞。こちらも河童に劣らず楽しそう。

第四章 運命的な出会い
ここから、大観と絡めた作品展示が始まります。
大観作品は、いかに出光といえども沢山は揃わないので、日本各地の美術館から借りた名品が並んでいました。民間美術館はどうしても自館の所蔵品だけの展示になり、マンネリに陥りますが、出光では他館からの貸し出された作品も展示することで、新鮮さをキープ。これ大切です。

第五章 響きあう技
新しい日本画の技法を模索していた大観と洋画の技法「片ぼかし」を使用した放菴、二人の技が日本画に新表現を与えます。
・「月下逍遥」 1921年 横山大観 横山大観記念室
・「香具山」 1920年 小杉放菴
・「達磨」 1920年 横山大観
・「秋色山水長巻」 1920年 小杉放菴 
一番感動したのは、「秋色山水長巻」。あの海の青色!あの青はどうやったら出せるのでしょう。
絵の中に自分が吸い込まれそうな作品でした。

第六章 東洋思想への憧れ
放菴は父親が神社の神官であり、国学者であったこともあり、漢学籍を絵を描くかたわら続けていました。その影響が作品の随所に表れています。
・「七夕」 1918年 小杉放菴
・「山窓無月」 1919年 横山大観 永青文庫
大観作品の中では、これが抜群に良かった。細川の殿は良い作品をお持ちで、よくぞ貸出してくれたと感謝しました。
・「寒山拾得」 昭和時代 小杉放菴
こんな可愛い寒山拾得は初めて。私はほのぼの系に弱いのかと、自分の新たな一面を発見。

第七章 出関老子
ここでは、ご存知有名な放菴の「金太郎」が展示されている。
何度見ても楽しい。何より、金太郎の表情が最高だと思います。

第八章 掌中の山水人物-放菴画帖の魅力-
こういう小さなアイテムも放菴の魅力の一つです。放菴は一時、漫画挿絵を手がけていました。
どれも好きなのですが、中でもお気に入りは「古事記八題」 昭和16年
訪問時には弓を天に向かって放とうとしている天雅彦が展示されていました。
図録には展示替えで、実際見ることができなかった残りの7作品も掲載されていますが、残り7つも素敵です。
これ、欲しい~~~。

第九章 麻紙の放菴・放菴の麻紙
福井の岩野平三郎の麻紙なくしては、放菴作品は得られなかったと言っても過言ではない。
それほどまでに、彼は麻紙を重視していました。この福井の名工との知遇を得たのも、もとはと言えば大観の仲立ちがあったればこそ。
やはり、お互いが作品に与えた影響は大きかったのだと結びます。
・「竹」 1930年
放菴作品の中では、珍しい竹の水墨画。こんな余白を活かした水墨画も素晴らしい。
竹のしなやかさが感じられます。
・「梅花小禽」
同じタイトルが2作品横並びしていました。個人的には右側にあった黄色ぽい背景の梅作品が好きでした。

いつもながらの丁寧な解説で、普段展覧会概要の理解が乏しい私にも、すんなりと内容が理解できました。ありがとう!出光美術館。

*3月22日(日)まで開催中。

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あべまつ様

こんばんは。
楽しい忙しさで、追われていらっしゃるとのこと、
無理のない程度でブログの更新を楽しみにしております。

この展覧会、おっしゃる通りぐっと締まった内容でした。
展覧会構成やコンセプトも上手いし、解説も長過ぎず短すぎず、その上丁寧。
出光は次回以後の展覧会もとっても楽しみです。

No title

こんばんは。
私も土曜日に行ってみて、出光の企画に唸ってきました。
そもそもあんまり得意じゃない近代日本絵画で、大観時代の作家を
あまり見ていないので、不安があったのですが、
放菴はとても牧歌的でゆったりしていて、癒されました。
カッパの芋銭との交流も楽しげでした。
春の嵐の日ではあったけれど、収穫の多いぎゅっと締まった
展覧会と思いました。

遊行七恵さま

こんばんは。
> 最近の展覧会では、ピカ1☆でした、わたしには。
> 天稚彦、かっこよかったですね♪
⇒同感です。ホントなんだかじわじわ来ました。

あんな可愛い寒山拾得他にはないですよね。
ほのぼのした作品だけでなく、大観作品と並べることで
展示がきりりと締まったように思います。

No title

こんにちは
最近の展覧会では、ピカ1☆でした、わたしには。
天稚彦、かっこよかったですね♪
それにしても寒山拾得が可愛くて可愛くて・・・
「おぢいちゃん」の独り言もよかったですね。
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