スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

「生誕170年記念 -楊州周延展-」 太田記念美術館

太田記念美術館で開催中の「生誕170年記念 -楊州周延展-」に行って来ました。

楊州周延(ようしゅう ちかのぶ)は、明治期の浮世絵師で当時、月岡芳年、小林清親に続く人気絵師でした。
私も過去何度か楊州周延作品を見て来ましたが、そのイメージは明治期の浮世絵特有の赤、紫などの色のどぎつさでした。
正直、あの毒々しいまでの特に赤色、紫は苦手で、ちょっと敬遠したくなる感じだったことは否めません。当然、今回も生誕170年記念だし、やはり一目見ておこうという気持ちがあったくらいで、過大な期待はしていませんでした。

ところが、やはり実際行ってこの目で見ないと分からないもの。
「えっ、これが周延の作品?」と意外な感想を思わずもらすような浮世絵が何枚もあるから驚きです。
すっかり、展覧会が楽しくなってしまいました。

以下印象に残った作品です。

�.新時代を迎えた女性たち
・「真美人 三十一 眼鏡の婦人」 1897年
・「真美人 十四 洋傘をさす女学生」 1897年(下図)
真美人

1階に展示されてた「真美人」シリーズは全36枚もので、女性の日常生活の一コマを浮世絵にしたもの。冒頭に書いたどぎつい周延の浮世絵イメージを最初に破壊してくれたのが、このシリーズでした。
本展ではこのシリーズが一番のお気に入り。
特に眼鏡の婦人は、明治らしい息吹を感じ、江戸時代って終わったんだな、新たな時代の到来がひしひしと伝わります。
美人画もこんな形式に変化してくるのも面白い。
そもそも江戸時代に眼鏡をかけた美人の浮世絵ってなかったのでは。
色合いもあっさりしていて、一見すると周延のもの?って分からないほどです。

・「時代かがみ 明治 慈善会」 1897年
こちらの「時代かがみ」もシリーズ作品で、明治に行われた行事等を浮世絵化したもの。
明治30年(1897年)に、既に慈善会と称するバザーがあったんですね。
他にも「隅田川ボート競走会」など当時の世相の一端を知ることができます。
これも、あっさり系の作品。

2階展示室
・「あつま風俗 七 夕立」
・「あつま風俗 三 遊歩」
・「あつま風俗 一 歌留多あそび」 他全7枚の展示
1月~12月まで1カ月を1枚とした12枚もの。
これも周延らしからぬどちらかと言えばあっさり系。
金魚鉢や虫かご等のちっちゃな小道具類や女学生の自転車姿が愛らしい。
周延の作品に愛らしいという表現を使用することなど、思いもよりませんでした。

�.過ぎ去りし江戸へのノスタルジー
周延は元武士。しかも彰義隊とともに上野戦争、さらには函館戦争にも参加するという、浮世絵師としては非常に稀有な経歴をたどりました。
それゆえ、江戸時代の幕府での行事の様子、武士の生活などを絵画化しています。

・「松野栄 大久保彦左衛門盥登城之図」 1889年
盥に乗って江戸城に参内したという逸話(実際はそんなことしてない)を絵画化。
実際にこんなことしてたら面白いな~。

�.静謐なる歴史物語世界
周延は歴史故事や物語、芝居を題材にした作品も描いています。

・「時代かがみ 建武之頃 竹馬の古図」 1896年
・「時代かがみ 慶長の頃 阿国歌舞伎」 1896年 他
1階にもあったこの「時代かがみシリーズ」は。南北朝から主に江戸時代を中心にその時代の風俗を描いています。

また「東錦昼夜競」シリーズは上下で2分割した画面構成。
これは明治の新聞浮世絵でも見られるような画面分割で、上下で異なる絵が描かれています。
下部の絵部分が画面4分の3位を占めていて、残りの4分の1は絵と文章で構成。

・「日清戦争守永中尉之奮戦」 1895年
日清戦争までは、浮世絵で戦争の状況を描いており、その後日露戦争時には写真に撮って変わられました。今回歴史でなく実際に起きていた戦争浮世絵はこの1枚のみです。

ところで、私は東京に出てすぐ5月に、大田記念美術館の会員となりました。
年会費4千円で年間24回まで入場無料、招待券2枚等の特典があります。
会員になって良かったと思う美術館の一つです。
維持会員の募集は4月26日申込書到着締切で、それ以後だと翌年度の募集まで待たねばなりません。
浮世絵にご興味おありの方はご検討されてはいかがでしょう。
毎月展示替えがあり肉筆浮世絵コーナーも楽しみの一つです。

*3月26日(木)まで開催中。

トラックバック


この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

生誕170年記念 楊洲周延展 @太田記念美術館

 楊洲周延展は、最近、国際基督教大学博物館 湯浅八郎記念館で見たばかり。この太田記念美術館の楊洲周延展は初日に見に行った。ICUではまだ開催中なので、現在東京で楊洲周延展が二つ開かれていることになる。 太田記念美術館はICUに比べずっと暗いので、双眼鏡...

コメントの投稿

非公開コメント

浮世絵師の名前

浮世絵師の人名ですが、「揚州周延」は「楊洲周延」が正しいのですよ。
参考サイト
http://ja.wikipedia.org/wiki/

とら様

こんばんは。
ICUの展示は結局行けませんでしたが、太田の展示が良かったので満足です。
周延も落ち着いた色の浮世絵は、時代を写す鏡のようで、とても楽しめました。
5月から太田で芳年の「月百姿」全作品が公開されます!
今からワクワクしますね。

No title

月岡芳年では「月百姿」シリーズ、楊州周延では「二十四孝見立画合」・「時代かがみ」・「新美人」シリーズといった落ち着いた色の画が良いですね。維新から時間が経って、社会が落ち着いた画を求めるようになったからでしょうか。
維新後の激動期の「血みどろ絵」など赤の強烈な画は、芳年にせよ周延にせよゾッとしません。
カレンダー
10 | 2017/11 | 12
- - - 1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 - -
ブログ内検索
twitter
最近のエントリ
カテゴリー
最近のコメント
最近のトラックバック
天気予報

-天気予報コム- -FC2-
カウンター
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。