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「まぼろしの薩摩切子」 サントリー美術館

kiriko

本日六本木界隈では、六本木アートナイトと題して、夜を徹したアートの祝宴やらイベントやらが行われています。
サントリー美術館も、通常土曜日は20時閉館ですが今日は特別に23時まで開館。しかも、20時からは学芸員さんによるスライドレクチャー、21時半からは女性ヴァイオリニスト川井郁子さんのスペシャルミニライブが開催されるということで、本日スタートの「まぼろしの薩摩切子」展に行って来ました。

薩摩切子はスライド・トークによれば幕末のごくわずか約17年間という極めて短い期間にのみ薩摩藩の主導により作成されたガラス器です。作成期間が短く、ガラスという繊細な素材を使用しているため現存している作品も少ない中、本展では現存する作品の大半約150点と後継した薩摩系切子約10点を紹介します。

展覧会の構成は次の通り。
1.憧れのカットガラス
2.薩摩切子の誕生、そして興隆
3.名士たちの薩摩切子
4.進化する薩摩切子
5.薩摩切子の行方

作品リストはいつものように作成されていますが、今回の問題は、出品作品のどれもが同じような名前になっていること。ブロガー泣かせです。所蔵先もサントリー美術館を中心とし、相当数かぶっているため、ここで区別するのも難しい。

ということで、あれやこれやと作品名を連ねた感想は諦め、全体を通しての感想にとどめようと思います。

薩摩切子の魅力は、まずカットと色、最後にデザインでしょうか。
今回の展覧会では、過去注目されてこなかった無色の薩摩切子にもスポットを当てています。
江戸切子も冒頭の方に展示されていましたが、薩摩切子ほどの透明感がなく、白濁していました。
薩摩切子は純粋に透明無色のガラス器で、細かいカットはアイルランドなど西洋のガラス器の技術を
模倣し、それを超えるかという程に精緻です。

「無色切子」の中でも圧巻は、今回の展覧会にあたり徳川記念財団所有のガラス製品を調査し、薩摩切子であることが判明したという雛道具一式。こちらは、篤姫腰入れにちなんで作成されたと推定されています。ままごとセットのような無色透明な小さな小さなお道具は、まさに神がかり的技術。
どうやって、あれほど小さく繊細で美しいガラス製品を生み出したのか、ひたすら感心するのみです。
カットも細かく刻んであるので、ライトに照らされてキラキラ光る姿は宝石といっても良いほどでした。

薩摩切子の楽しみ方その2は、色。
赤にも実に様々な色合いがあり、深い赤、紅色、明るい赤。
そして赤の器は照明によって、美しい赤い影を落とします。器と共に、ぜひ影の美しさも堪能されると二重に楽しめることは間違いなしです。
青も同じく濃紺、藍、紫と様々に変化し、器を彩ります。
青の器では、蝙蝠を前面にかたどった舟形鉢が素晴らしかったです。

後期になると、赤や青系統だけでなく、研究が進み、緑や黄色の切子も出現し、貴重な作品が数点展示されていました。

最後はデザイン。
切子でできた文鎮、香水瓶は愛らしく、手に取ったら二度と手放せなくなるような姿をしていました。
こういった愛らしいデザインはなかなか西欧のガラス製品には見られないような気がします。
薩摩の日本ならではの意匠は、切子自体の姿だけでなく、ガラスに刻まれた模様にも特徴が表れていました。薩摩縞という着物の模様をガラス器にも使用した作品や、ぼかしを使ってより複雑な印象を作り出したり。後半の製品は、江戸後期のものとは思えないほどモダンで、現代で作成されたと言われても疑う者などいないのではないかと思われます。

華麗なる薩摩のガラスを楽しむ絶好の機会でした。薩摩切子を特集した展覧会は27年ぶりだそうです。

*5月17日まで開催中です。

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Tak様

こちらこそ、遅くまでおつきあいいただき有難うございます!
時差ボケの片鱗も見せず、展覧会シンドロームに突撃されている
ご様子には感心しきりです。

薩摩切子のドラマチックな幕切れとあのミステリアスとも
言える色彩はまさに幻の工芸ですね。

No title

こんばんは。

昨夜はどうもありがとうございました。
帰国してからも落ち着きなく飛び回っています。

しかしあの血のような「赤」深いですね~
銅を使っているとお話にありましたね。
さらにチラシのものなどグラデーションまでありクラクラ。

話題になりそうな展覧会ですね。
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