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「ルーブル美術館展-美の宮殿の子どもたち」 国立新美術館

ru-buru

もうひとつの「ルーブル美術館展-美の宮殿の子どもたち」を国立新美術館で見て来ました。

この展覧会の特徴は、ルーブル美術館の7つの部門<古代エジプト美術、古代オリエント美術、古代ギリシャ・エトルリア・ローマ美術、絵画、彫刻、美術工芸>から出展された「子ども」にまつわる至宝約200点を展観していることです。

ルーブル美術館のロワレット館長は「名作を並べるだけのミニ・ルーブルではなく、子どもという感情を呼び起こすテーマを通して、異なる文明、時代と対話する。そこに今回の面白さがあります」と本展について語っています。

個人的には、本展こそ日本の国立新美術館でないと見ることができない、貴重な機会ではないかと思いました。
なぜなら、たとえ私が次回ルーブル美術館に行ったとしても、この展覧会に出展されている展示品をまとめて見ることができるかと言えば、無理だと思うから。
7つの部門に亘り、子どもに関する展示品だけを見つけることは広大なルーブルでは困難です。さらに、そこに至るまでに他の膨大な作品群を目にするわけで、それだけに絞ってという鑑賞は現地に行ったらなかなかできるものではありません。

以下展覧会の構成から簡単に内容を振り返ります。
各作品の画像はこちらの展覧会HPをご覧ください。

第1章 誕生と幼い日々
まずは紀元前2033年~前1710年頃のテラコッタ製の「二人の子どもを抱く女性の小像」から始まります。はるか昔より、子どもを抱く母の像が沢山制作されていたことが分かります。
造形も文明が違うと、実に様々。
ここでは、美というより歴史と文明の差を感じました。
・フラゴナール「子どもを抱く若い女性」 フラゴナールにしては上手くない。
・アンニーバレ・カラッチ 「赤ん坊の顔」 素描 小さいものだが、美しい。
本展での絵画的な見どころは素描の素晴らしさだと思う。これは全章を通じて、良い作品が出展されていた。

第2章 
子どもの日常生活
・オスターデ 「学校の先生」 1662年
オスターデ好きな私としては嬉しい1枚。この作品は学校の様子を描いたものだが、子どもが妙に老け顔でかわいくないのが気になった。オスターデの光の描写が上手い。

・シカルディ 「二人の若い娘を表したボンボン入れ」 
工芸品。べっ甲や金クリスタルガラスをかぶせた細工の入れ物に若い二人の娘が描かれている。

ゲーム盤や駒、これらが紀元前1295-1186頃のものだから驚く。他に紀元前12世紀の「台車にのったhリネズミ」やライオンなどのおもちゃ類も石灰岩でできており、造形的にも面白い。
猪形のがらがらや「関節の動く人形」まであったが、こちらも紀元前2~4世紀で、紀元前から既におもちゃが存在していたという現在と変わらぬ文化のあり方が分かる。

グルーズやオスターデの淡彩作品あり。絵としての魅力はいまひとつ。

第3章 死をめぐって
第3章の最大の見所は、「少女のミイラと棺」 ラメセス朝時代 前1295-1186年頃。
このミイラの前に立った時、背中に鳥肌が立ってしまった。あまりにリアルで怖かったし、あの場所だけ空気が冷たく感じたのは気のせいだろうか。
棺の周囲に描かれたのが少女の生前の姿だという。これは必見もの。

・フランソワ・リシャール 「小さな赤頭巾」 油彩
赤頭巾ちゃんとベッドに横になる狼の絵なのだが、リアルに描かれている。でも、死をめぐるテーマで赤頭巾ちゃんなのは何故だろう。

第4章 子どもの肖像と家族の生活
ここでは美しい彫刻塑像が沢山出ている。
・「少女」 テラコッタ16世紀 
・ジャック・フランソワ・サリ 「紙を編んだ少女の胸像」
・ジャン=ルイ・クアノン 「アレクサンドリーヌ=エミリ・ブロンニャールの胸像」
これらはルーブルに行ったら見過ごしてしまいそうな小さな胸像だけれど、ひとつひとつは美しいし、少女たちの表情がうまく表現されている。

・レオーニ 「少年の横顔」 18世紀 素描
・フィリベルト・ルドゥー 「少年の肖像」
・レオポルド・ボワイー 「幼いベルト・ジュリエット・デュボワ」
などの作品と共に、ベラスケスと工房「フランス王妃マリー=テレーズの幼き日の肖像」が展示されている。このベラスケスもいまひとつ。むしろ前記した3作品の方が好ましい。

習作ではバロッチの「二人の子どもの頭部の習作」が一推し。
ルーブル美術館主任学芸員の一推し作品でもある。この頃類型的に描かれた子どもを一人の人間として描いている所がポイント。表情が写実的でやさしげ。
ルーベンス「少女の顔」も必見。ルーベンスはあまり好きではないけれど、子どもを描いたものは別。
彼の描く子どもはどれも美しく愛らしい。

他に、ここではル・ナン兄弟の「幸福な家族」(でもちっとも幸福そうに見えない絵)やジョシュア・レノルズ「マスター・ヘア」1788年など絵画あり。

第5章 古代の宗教と神話のなかの子ども
ここでは古代ローマ時代、ヘレニズム時代、などの神話と共に描かれた子どものテラコッタや大理石彫刻、レリーフなどが展示され、博物館的な内容となっている。
「ヘラの遣わした蛇を絞め殺す幼児ヘラクレス」ブロンズ ベネツィアなどが印象深い。

第6章 キリスト教美術のなかの子ども
キリスト教に詳しくない自分としては、宗教的な意味合いも理解できず作品を鑑賞することとなるのが残念。
・ティツィアーノ「聖母子とステパノ、聖ヒエロニムス、聖マウリティウス」 1517頃
この絵の迫力はさすがに誰しもに伝わると思う。
・ブーシェ 「幼子イエスを抱えて座る聖母」 素描
素描といえどもブーシェの画技が垣間見える作品。

第7章 空想の子ども
・グェルチーノ 「両手を挙げた子どもの習作」
ペンと淡彩で描かれた習作。
・アントワーヌ・コワベル 「サトゥルヌスの表徴物を持つアモール」「空を飛ぶ二人のプットー」
・ルーベンス「レベックを弾く小天使」
これらの淡彩、習作はどれも素晴らしい。

最後を飾るのは
・ブーシェ「アモールの標的」 油彩 1758年
・マリー・ピエール 「忠誠の勝利」 油彩 1758年
いずれも下絵として描かれたそうだが、見事な大作。
ことにブーシェの「アモールの標的」はロココの魅力が溢れていた。

展示空間としても、国立新美術館の過去の展覧会の中では、工夫がされていて良かったと思う。
照明も落とし気味にして配慮されていた。

3月25日にスタートしたばかりだが、日曜日29日の午後に出かけたが会場内はかなり混雑していた。
ゆっくり見るなら金曜夜間の方が良いのかも。

*6月1日(月)まで開催中。

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No title

こちらこそTBありがとうございました!
本当にルーブルの奥の深さは底知れないですね。いつか行かなきゃ。。。

21世紀のxxx者さま

はじめまして。
コメント&TBありがとうございます。

そちらのブログにもお邪魔した所です。
私はこの展覧会、上野とは別の視点でルーブル美術館を
楽しめて良かったです。
人類の歴史の長さを痛感しました。


参考になります

はじめまして。Takさんのリンクから来ました。
私もこの展覧会に行ってきました。ちょっと馴染みの薄い文明の作品なんかもあって、難しいけど楽しめました。

トラックバック入れさせていただきたいと思います。よろしくお願いします。
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