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「国立トレチャコフ美術館展 忘れえぬロシア」 Bunkamuraザ・ミュージアム

rossia

「国立トレチャコフ美術館展 忘れえぬロシア」に行って来ました。
実は、この展覧会は今年私が楽しみに待っていたものの一つ。ロシア絵画にはなかなかお目にかかれる機会が少なく、イリヤ・レーピンの作品も出展されると知り、いそいそと向かった。

結論から言ってしまうと、すごくすごく良かった。
この展覧会は、郡山などにも巡回するようなので、時期を改めてもう1度行こうかと思うくらい。
印象に残った作品、ほぼ全部に近い。でも、図録は諦めました。やはり買うべきだったかなぁ。。。

第1章 抒情的リアリズムから社会的リアリズムへ
アレクセイ・ヴェネツィアーノフ 「干し草作り」 1820年代半ば
干し草の香がこちらまで漂って来そうな感じ。少年の表情がとても良い。

イワン・シーシキン 「木陰で休む家畜の群れ」 1864年
これをリアルと言わずして何とする。牛や羊の毛並みは本物のよう。しかも横向きの牛のすねた眼が何とも言えず、リアルであった。

ワシーリー・ペローフ 「眠るこどもたち」「鳥追い」 1870年
ワシーリー・ペローフは子供をよくモチーフにしていたそうだ。この「眠るこどもたち」も2人の子供がすやすやと寝息を立てていそうな雰囲気。指1本1本にも作者の神経が行き届いている。

第2章 日常の情景
ワシーリー・マクシモフ 「嫁入り道具の仕立て」 1866年
一見すると、若草物語の風景?と思わせるような食卓の様子と娘たちが並んでいる。ドレスが細部まで描かれ、フワフワ感や透明感まで感じた。

アレクセイ・コルズーヒン 「修道院の宿舎にて」 1882年
オランダ風俗画、フランス・ハンスなんかが描きそうな1室に何人もが入り混じった風俗画。
いやらしい商人の娘に対する目付きや床に散らばったゴミなど、細部まで描きこんでいる。

第3章 リアリズムにおけるロマン主義
この第3章が最大の目玉だったと思う。次から次へと名品が出て来た。

フョードル・ワシリーエフ 「雨が降る前」 1870-1871年
タイトル通り、今にも雨が降りそうな空の様子。単に暗いだけでなく、一部はうっすらと明るくなっているのがよりリアル。こういうのがリアリズムの中にあるロマンなの?

ニコライ・ドゥボフスコイ 「冬」
ぼた雪みたいなかたまりが沢山あって、この絵は面白かった。同じように冬の風景を描いた作品は他にもあったけど、これが一番。

アルヒープ・クインジ 「エルブルース山ー月夜」 1890-1895年
彼は今回出展している画家の中ではとりわけ個性的。ちょっとシュルレアリスム風の月夜で、闇の中に浮かびあがる山とそこから流れる渓流の描写、光の表現にははっとさせられた。

アブラム・アルヒーポフ 「帰り道」 1896年
この作品が本展マイベスト。でも、マイナーな作品のようでポストカードも何もなかった(悲)。大草原に向かって前を見て進んで行く少年。こちら側には背中しか見えないところが、想像力をかきたてられる。これぞ、ロマン主義の表出ではないか。

イワン・クラムスコイ 「髪をほどいた少女」 1873年
クラムスコイは次章で著名な「忘れえぬ女」があったが、「髪をほどいた少女」も憂いある表情に、一本一本線で描かれた少女の毛髪表現は素晴らしい。

第4章 肖像画
イワン・クラムスコイ 「忘れえぬ女」 1883年
文字通り忘れられそうにない名作。絵の前に立ったら、感動して背筋が寒くなった。なんという表情なんだろうか。私は彼女に見下されてしまったのか。挑発的な瞳の秘密は何だろう?睫毛は長く濃い黒。画像やチラシ、ポスターで見るより、本物ははるかに迫力がある。
これが原因で図録に手が伸びなくなってしまったかもしれない。
帽子の房飾りや縁どりの表現など本物そのもの。漆黒のドレスのリボンはつややかで滑らか。

クラムスコイによる肖像画は「画家シーシキンの肖像」1879年、「自画像」1874年とあったがいずれも佳作で素晴らしかった。

イリヤ・レーピン 「画家レーピンの息子、ユーリーの肖像」 1882年
「文豪ツルゲーネフの肖像」 1874年共々、やはり上手い!ツルゲーネフなどは性格まで絵から立ち上って来るように感じた。

第5章 外光派から印象主義へ
なぜ、ロシアの画家にはフランスの画家と比べて、世界的な評価が与えられないのだろう?
今回の印象主義作品は、印象派作家に勝るとも劣らぬものもあったと思う。

ワシーリー・ポレーノフ 「モスクワの中庭1877年 」「アブラムツェヴォの池」1883年
ロシア絵画と言えば、重厚長大的なイメージが先行するが、この両作品はそんなイメージを見事に払拭してくれる。

イワン・シーシキン 「陽を浴びる松」 1886年
光の表現が見事。

イリヤ・レーピン 「秋の花束」 1892年
レーピン大活躍。リアルリズムあり印象主義あり。やはり私はレーピン大好き。

ワレンチン・セローフ 「エヴドキヤ・モロゾの肖像」 1908年
最後から2番目にあった肖像画。モデルの目と表情がどこかで見たような。もの言いたげな感じが忘れられない。

素晴らしい75作品。毎年トレチャコフ美術館の所蔵品展やって欲しいなぁ。

*6月7日まで開催中。

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ogawama様

> 図録を我慢した替わりにリピートしたいです。

なるほど、確かに名案?ですね。
やっぱり、印刷より本物。私も再訪しようかな。

充実してました

素晴らしかったです。
私のお気に入りはマコフスキーですが、第3章が名品揃いで、1枚1枚感動しながら見入りました。
図録を我慢した替わりにリピートしたいです。

キリル様

「帰り道」ポストカードになってなかったのがショックでした。
すごく欲しかったのに。
沢山の所蔵品がある美術館なので、どんどん出して~
と声を大にして叫びたいです。

とら様

こんばんは。
確かに、あの≪息子像≫とっても愛らしく、利発そうでしたよね。
上條花梨という現代作家さんの作品を思い出しました。少しだけ似てます。

No title

こんばんは。
帰り道はとてもよかったです。これはモスクワでみたのを憶えているので、印象深かったんだなーと今さらながら思いました。
また別の切り口でトレチャコフ展やってもらえると愉しそうですよね。

No title

今回のマイ・ベストは、レーピンの《息子像》でした。

21世紀のxxx者さま

私はロシア絵画好きなので、本当にうれしかったです。
図録の印刷がもう少し良かったらなぁ。

No title

この美術展は私も全部心に残る勢いですw よくこんな名画を沢山貸してくれたものだと思いつつテンションあがりっぱなしでした。レーピンなんかは特に大活躍ですね。
まだまだ会期が残っているので何回も通ってしまいそうです。
またTBさせて頂きました。よろしくお願いします。
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