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「皇女たちの信仰と御所文化 尼門跡寺院の世界」 東京芸術大学美術館

amamonzeki

「皇女たちの信仰と御所文化 尼門跡寺院の世界」展に行って来ました。
事前予習なしに入った展覧会。
そもそも尼門跡(あまもんぜき)とは、皇族・公家など、高貴な女性の入寺によって営まれてきた独特な品格を 持つ寺院で、現在京都・奈良に13か所(以下)を数えるのみ。しかも大半が一般非公開となっており、私も含め、その存在自体を知らない日本人も多いのです。
当然、そこに伝わる寺宝が公開される機会もなく、ひっそりとベールに包まれた小世界であったと言えるでしょう。
本展では、13の尼門跡、大聖寺、宝鏡寺、曇華院、光照院、円照寺、林丘寺、霊鑑寺、中宮寺、法華寺、三時知恩寺、 慈受院、宝慈院、本光院に関連する作品、約180点でその世界を紹介します。

で、行って来たわけですが最初から最後まで、ずっと疑問になっていたのは「なぜ、皇女たちは生まれながらにして尼門跡入りが決まっていたのか?」です。
冒頭で、皇女として生まれてから尼門跡入りするまでの過程、10歳(?)で前髪を切り揃えるとか、
が年齢とともに説明されていました。
どう見ても生まれた時から、尼門跡入りが決まっているとしか思えませんが、なぜそうなるのかが分からない。図録を拾い読みしたのですが、理由の説明は見つからず。
帰宅して、ネットで検索したらやっと私の疑問にひとつの回答を提示して下さっているブログ「千尋の美術散歩」が見つかりましたので、ぜひご関心ある方はクリックを。

どうやら、天皇といえども財政は苦しく一般人で言うところの里子(あまりに失礼な例えですが)に出す先が尼門跡であったようです。
なるほど~。だから親側の天皇家との交流もあり下賜されたお人形やら、お道具類が沢山出てくるわけですね。
こうして、高貴な身分の女性たちを受け入れた尼門跡は、生け花や文学、香道、当時の文化的教養と信仰を身につける場として今日まで続いていることを本展ではとっくりと教えてくれます。

ところで、この尼門跡の文化的価値を見出したのは日本人ではなくコロンピア大学名誉教授のバーバラ・ルーシュさん。きっかけは、無外如大禅尼(京都・景愛寺開基)の頂相彫刻と出合ったことでした。景愛寺は応仁の乱で廃絶、その寺宝を受け継いだのが景愛寺支院であった宝慈院です。
その出会いがなかったら、今回の展覧会は生まれませんでした。その道のりは以下産経ニュースをご覧ください。
http://sankei.jp.msn.com/culture/imperial/090410/imp0904101514015-n1.htm

いつもでしたら、印象に残った作品などをつらつらと挙げるのですが、本展はそれが非常に難しい。
作品名などむしろどうでもいいような気がします。
展覧会全体が一つの作品、文化そのものですから、とくと全部をご覧いただくしかありません。

と言いつつ、衝撃的だったのは尼僧の血で書いたお経や、爪でかたどった仏三尊、尼僧の髪の毛でを使った書、究極は手の皮膚の上に書いたお経(これは写真のみ)。何やら、すさまじいまでの信仰心を感じてしまいました。

その一方で幼くして両親と離れ離れになってしまった尼門跡入りした女性たちの遊び道具は華麗で知的で雅です。
今で言うぬいぐるみ「動物」などは、リアルでいてしかもかわいい。
変わりものでは、明治男性版人生ゲームの「男子一代出世競べ双六」(5/10まで展示)。
尋常小学校をスタートとして、商工官農4コースを選び、ゴールは全て安楽隠居。これを作成したのが
大知文秀尼というから驚きます。制作目的は何だったのでしょうか?

御所人形もかつて見たことがないような珍しい物「びんぷく立姿」(5/4まで展示)がそろっています。

地階の展示室の中宮寺の密教法会の再現、法華寺雛会式の再現、更にはキャノンの高精細プリントを使用して霊鑑寺上段の間を再現など、出来うる限り、尼門跡の儀式やお寺の様子などを伝えます。
霊鑑寺の襖絵は本物も2つ出展されていましたが、「官女唐子襖図」は大勢の子どもたちと遊ぶ官女が描かれ、尼門跡にふさわしい襖絵でした。

最後にご紹介する見どころは、中宮寺「天寿国繍帳裂」などの裂、布類。
同じく中宮寺蔵の「藍鼠地子犬雪輪文様小袖裂幡」(江戸時代・5/10まで展示)は、キュートな子犬が描かれたとても珍しいもの。
他にも、明治以後の神仏分離政策で皇女の門跡入りを禁じられ、財政的に厳しくなった尼門跡を支援した昭憲皇太后大礼服(5/31まで展示)などなど沢山の珍しい布モノが出ています。

作品リストに掲載されている作品は全部で195点。リストと展示順がバラバラなのでちょっと見づらいですが、いっそ作品リストなどうっちゃって、会場の解説や音声ガイドだけで見た方が良いかもしれません。

*6月14日(日)まで開催中です。本展覧会の巡回はありませんのでお見逃しなく。
会期中、かなりの作品に展示替えがありますので、ご注意ください。

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一村雨さま

同じくです。
私も中宮寺と法華寺しか知りませんでした。
法華寺は名前を知っているだけで、行ったことが
ないので、機会をみて行ってみたいと思いました。

No title

またひとつ、日本の美の系譜を学んだ展覧会でした。
けっこう京都奈良に出かけているのに、知っているお寺が
ふたつしかなかったことに愕然としました。
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