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「大和し美し 川端康成と安田靫彦」 千葉市美術館

chiba

千葉市美術館にて「大和し美し 川端康成と安田靫彦」を見て来ました。
今年の3月に名古屋の松坂屋美術館で「川端康成コレクション展」を拝見したのですが、千葉市美の「大和し美し 川端康成と安田靫彦」」は全く別の展覧会と思って良いほど、内容が濃いものでした。
*松坂屋美術館「川端康成コレクション展」の過去ログはこちら

常設展で使用する展示室もフルに使用し、全展示室でこの企画展の作品紹介がされています。
何しろ総展示作品数は、図版番号があるものだけでも238点、更に特別出品されているものが30点以上と物すごいボリュームです。

それでも、見終わった後にどこか温かいものを感じたのは、やはり川端康成と安田靫彦の交流やコレクションへの温かいまなざしが伝わってきたからではないでしょうか。

展覧会の構成は次の通り。ただし、展示順とは

第1章 文豪・川端康成の世界
ノーベル文学賞関連資料をはじめ、川端文学の装丁・挿絵などを紹介。こちらは、前述の松坂屋美で拝見したものが殆どでした。

第2章 日本画家・安田靫彦
今回の大きな見所のひとつで、名古屋展では端折られ川端康成だけに焦点を当てていて、安田作品はほとんど出ていなかった。
今回は、茨城県立近代美術館の「安田靫彦」展でちょうど展示替えのため見ることができなかった≪飛鳥の春の額田王≫に巡り合えて大満足。
館外初出品らしい≪唐傭≫愛知県立芸術大学蔵などのめったと見られない作品(この作品は安田が蒐集し気に入っていた傭に着想を得た)や最初期の≪遣唐使≫など安田作品を1コーナーではあっても十分堪能できる。

彼の描くモチーフには古美術品なども登場し、自身のコレクションを愛する様子が強く伺われた。

第3章 美との邂逅 川端康成と安田靫彦
ここでは、二人の間の美術に関する交流とコレクションの一部を展開。
ここでは安田コレクションのみ紹介する。
まず、安田靫彦が琳派の俵屋宗達、尾形光琳を好んでいたことを初めて知る。ただ、彼が集めた宗達の作品は≪枝豆図≫≪狗子図≫と線の柔らかい、優しい題材のものが特徴的。
そんなほのぼのとした作品を愛したという安田の人となりが感じられる。

第4章 良寛敬慕
個人的に、一番良かったのがこの第4章。
あくまで個人的と強調するのは、私が良寛の書に関心があり好きだから。
今回は、安田旧蔵の良寛の書の数々に魅せられました。あの一見なよなよっとした線が、実にしなやかに軽やかに踊る様が好きなのだ。私の中のイメージとしては良寛の書は柳の枝に近い。

良寛筆唯一の≪自画像≫(下図)や伝良寛作と言われる≪手毬≫まで出展されていた。この手毬とても素敵な色使いとデザインで愛らしい。
jigazou

図録掲載していないのではないかと思われる特別出品として≪一行書 一把の楊枝≫や漢詩≪清夜三更≫などこれほど良寛の書を鑑賞できる機会はなかなかないのではないかと思う。

第5章 二大コレクションとの対峙
安田と川端コレクションの特徴と対比を試みる内容。これはとても面白かった。
埴輪など同じようなものを集めていたり、テーマは同じでも集めた作品は微妙に異なる。

凄いと思ったのは安田旧蔵の≪ととや茶碗 銘玉川≫。これ、私の素人目で見ても相当の名碗のようにお見受けしました。

第6章 大和し美し
最後に再び安田作品の展示で終焉。
2人が追求した美の形跡をたどった後、安田作品がどのように鑑賞者に映るのかという主催者側の関心から設けられた展示室。
私にとって最後の展示室は、まさにエピローグ。
見事に余韻に浸らせてもらいました。

幾通りもの見せ方で、二人の美をめぐる内容。
素晴らしい構成と展示だったと思います。

大好きな千葉市美術館ですが、2009年9月初旬から2010年2月中旬まで千葉市美は空調設備工事のため休館となるそうです。展覧会は8月9日を最後にお休み。
とても寂しいので、早くリニューアルを心待ちにするばかりです。

*5月10日(日)まで開催中。お見逃しなく!

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非公開コメント

Tak様

こちらこそ、コメントありがとうございます。

千葉市美の休館が寂しいです。
次年度の再開記念展は若冲でしょうか?

本当に更に頑張れ、千葉市美術館!です。

安田靫彦

こんにちは。
TBありがとうございました。

安田靫彦実はちょっと苦手だったのですが
この展覧会でそれも解消。
なるほど!と納得できました。

千葉市美術館がんばれ!

一村雨さま

こんにちは。
金曜・土曜は夜間開館もありますよ!
ぜひぜひ。

遊行七恵さま

> 靭彦の陶人形の中で、一枚とてもmemeさんの面影に似たものがありました。
> 紅い衣の絵です。

えっ。私に似てる・・・そんな作品ありましたか?
愛知芸大所蔵作品ではないですよね?絵であって傭ではない?
う~ん、やはり再訪したくなってきました。
気になります。

AKIO様

はじめまして。
コメントありがとうございます!
千葉・東京・長野・富山(富山は水墨美ですか。あそこは良いですよね)と
楽しまれたご様子で何よりです。
AKIOさんのおっしゃる通り、今回の千葉市美の展示は本当に驚きでした。
良寛の書を見に再訪するかもしれません。

No title

後期でしたので、額田王があったのですね。
この一枚を見に行きたいなぁと思っているのですが、
日曜までなんですよね。

No title

こんばんは
靭彦の陶人形の中で、一枚とてもmemeさんの面影に似たものがありました。
紅い衣の絵です。
わたしはあの絵を見てメモに「memeさん似」とつけています。
それにしてもいい内容でしたね。

千葉市美術館

初めてコメントします。この連休を利用して関西から来ており、私も5/3に千葉市美術館を訪れました。
川端コレクションについては昨年1月に京都文化博物館で既に見ておりますが、そこでは東山魁夷との交流がテーマでした。同じ内容かと思いきや、ある意味予想を裏切る驚きと充実した内容であり、本当に来て良かったとの印象です。
その後、静嘉堂文庫美術館・東京博の新国宝の土偶にお目にかかり、昨日は善光寺御開帳と富山県水墨美術館を経由して関西へ帰って来ております。
これからも色々参考にさせてください。
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