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「没後80年 岸田劉生 肖像画をこえて」 損保ジャパン東郷青児美術館

ryusei

損保ジャパン東郷青児美術館で開催中の「没後80年 岸田劉生 肖像画をこえて」に行って来ました。
劉生は私にとって近代日本洋画に関心を持てるきっかけを作ってくれた大切な画家のひとり。ちなみにもう一人は古賀春江。
なので、劉生の作品は割と見ているつもりだった。
でも、この展覧会を見たら私が見たことのある作品などまだまだ僅かだと知る。

肖像画だけでもこんなに見たことのない作品があったのか!という驚き。
これがこの展覧会の一番の感想。
特に岸田劉生本人の自画像。最初の展示室は、劉生だらけ。
豊田市美にも劉生自画像は何点かあって見ていたし、他でも見ていた筈なのに、作品リストでチェックしていったら、記憶のない自画像がどんどん増えて行く。
全体を見渡してみると、顔の向きも左だったり右だったり、真正面だったり皆それぞれ違っている。
タッチは最初期のものはゴッホ風、印象派風で、これもやがて変化して行く。

7月5日まで開催している展覧会にも関わらず、早めに訪問したのは5月31日までの期間限定展示作品「黒き帽子の自画像」(個人蔵)をぜひ見たかったから。
他にも5月31日までの展示作品として「自画像」1917年6月23日(平塚市美術館)のコンテで描いたものも良かった。
劉生の肖像画は、どれも年代だけでなく月日までしっかり残っていて、まるで絵日記、彼の生きた証に見えた。

それにしても、こんなに自画像を描いた理由というのは何だったのか。
館内の解説パネルに書いてあったようななかったような。
とどのつまり、自己への関心、自己探求といって良いのか。

次の展示室では劉生の友人・知人の肖像画が集められている。
ここでの作品は見たことのある作品が多かった。
・「真田久吉氏像」1913年4月5日 宮城県美術館
これは、何と1日で完成させた油彩。
しかし、その後デューラーや北方ルネサンス絵画の影響を受け、画風が一気に変わる。
写実?と言って良いのか、血管、陰影、首のしわまで描きだす。
肖像画の何点かは小さな花を片手に持っているポーズが多かった。あのお花は、敢えてモデルに持たせていると思うのだが、それも影響の一端?

・「高須光治君之肖像」豊橋美術博物館、「男の像」個人蔵
いずれも劉生門下に入った高須光治を描いたが、やはり何度見てもかっこいい。下絵であろうと言われる「男の像」は油彩と違って、更にワイルド。

最後は家族・親族の肖像画。
ここで、有名麗子像が登場。
私は麗子像より、妻のしげるを描いた作品。
娘の麗子を含め家族の写真も展示されていたが、写真の妻しげるは美人だった。
描かれた「画家の妻」大原美術館、豊橋美術博物館などの作品より写真の方が美人。

同じく劉生の妹「支那服着たる妹照子之像」は劉生実妹の照子を描いているが、こちらも美人。

しかし、娘の麗子は実に様々に描かれている。今回展示はなかったが日本画の麗子も2007年の劉生展覧会で見て、そちらはもっとおどろおどろしかった。
一見醜く卑しい姿を描き、そこに神秘性、静粛を表す美を見出すという劉生の思考を具現化したデロリ。これも岩佐又兵衛作品からの影響とは知らず。

劉生の言葉、著作から引用して作品解説がされていたのは良かった。
劉生が作品の解説をしてくれてるような感じを受ける。

「装飾の美」「写実の美」「想像の美」が劉生の内なる美だという。
彼の考えていたことは「劉生日記」など著作が残されている。思考の画家、岸田劉生。
日本洋画界に残した足跡はあまりに大きい。

<過去関連記事>
「画家岸田劉生の軌跡」 2007年9月

*7月5日(日)まで開催中。途中5月31日まで、6月2日から何点か展示替えがあります。

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21世紀のxxx者さま

こんばんは。
本展の後に、東近美で「切り通しの写生」を見て
やはり深く感銘を受けました。
何度見ても素晴らしい。
初期の肖像画群が印象的でした。

No title

私もこの展示に行ってきました
>「装飾の美」「写実の美」「想像の美」が劉生の内なる美
確かにこの言葉がありましたね。この3つを統合したような絵を目指しているみたいな感じだったような。デロリの美も含めて、同じような題材で様々な面が観られて非常に楽しめました。

はろるど様

劉生は震災後、京都に移る前に半年ほど名古屋に滞在し
何かと愛知県と関わりがあります。
草土社名古屋展の影響を受け、愛美社という画家の団体
(宮脇晴など)も生まれ、彼らの作品と共に劉生の作品は
豊田市美などで相当数所蔵しています。
かっこいい高須光治は愛知県豊橋市の出身ですし。

劉生という人は相当自我が強かったんだろうなぁと
自画像を見ているといつも感じます。

No title

こんばんは。劉生の言葉を借りたキャプションも重みがありましたね。
著作も難しそうですが一度挑戦しようと思います。

これまで漠然と苦手意識のあった画家でしたが、
今回の展示で彼の「凄さ」にようやく気がつきました。
今まで何を見ていたのだろうと…。反省します。

あおひー様

こんばんは。
確かに肖像画に絞ったことで、これまでにない展覧会の
内容になっていました。
自画像だけでも、あんなにあったとは知らなかった。
ファンを自称するには、おこがましいですね。

No title

こんばんは。
わたしも今回の解説はよかったなあと思いました。

あと、肖像画のみに絞ったのも正解だったかと思います。
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