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「視界の魔術 だまし絵」展 名古屋市美術館

damashi

まもなく渋谷Bunkamuraザ・ミュージアムで開催予定の「だまし絵」展を名古屋市美術館で見て来ました。
特別展HPはこちら(作品画像や作品リストがご覧いただけます。)

我が母曰く、「オランダで見たゴッホより面白かった!」とのことで最高評価を得たこの展覧会。
そこまで言うならと気になって、やっぱり名古屋で先に見ることにしたのです。
行きつけの名古屋にある『まねき寿司』ご主人によれば、開幕当初から物凄い人気でチケット買うのに40分待ちだったとか。

私が行ったのは金曜だったのでチケットは待ちなしで購入できましたが、会場はやはり大勢お客様が入ってました。
拝見してみれば、この人気ぶりも分かるなぁとだってとっても面白いし、見ごたえあるし、素晴らしい内容です。花丸マークの展覧会でした。

展覧会の構成は
第1章 イメージ詐術(トリック)の古典
第2章 トロンプルイユの伝統
第3章 アメリカン・トロンプルイユ
第4章 日本のだまし絵
第5章 20世紀の巨匠-マグリット・ダリ・エッシャー
第6章 多様なイリュージョニズム -現代美術におけるイメージの策謀

だまし絵と言われる錯視芸術を古典から現代まで洋の東西を問わずたどる盛沢山な内容。特に大英博物館、メトロポリタン、マルモッタン、プラハ国立美術館など海外から集めた作品が多く、よくぞこりだけ借りだしたと拍手したくなります。
これを見れば、誰でも皆驚き楽しめること間違いなし!

第4章の日本のだまし絵は会期中展示替えが何点もあり、GW期間中(4/28~5/10)まで長澤芦雪の「幽霊・髑髏子犬・白蔵主図」藤田美術館蔵が展示されていたようで、この3幅対は名古屋市美だけの限定展示だっただけに、逃したのは痛かった。

名古屋市美では会場の都合もあってか作品リストや章だて順の展示順になっていなかったので、多少見づらい点はありましたが、作品リストにチェックマークを付けた作品多数。
西洋のだまし絵、特に古典的な作品は普段目にする機会がないので衝撃的でした。以下特に印象に残った作品。

日本初公開!かの有名なアルチンボルドの≪ウェルトゥムヌス≫ スコークロステル城は、やはり凄かった。
「ダブル・イメージ、ひとつの画像の中に、別の画像に見えるよう潜ませたものの姿があなたには見えるか?」と挑まれているかのよう。しかも、この作品想像していたのより大きく、背景が黒で顔になっている野菜や果物は非常にカラフルなので見栄えします。

63もの野菜・果物・花で人間の顔を形づくるなど、何を思ったのでしょうか?場内に顔を構成しているそれらのものの名前入りで図解解説がありますが、よくこれだけ入れられたと感心します。

同じくダブルイメージの作品でもう1点。
・アルチンボルドの流派 ≪水の寓意≫ ベルギー王立美術館
水、火、大気、大地の4元素のうちの水を表現した作品。魚類で顔を形作っている。

図録には記載されていたのかもしれませんが、展覧会を通じてなぜだまし絵を描くに至ったかは場内にある解説には記載されていなかったように思い、それが残念。もう少し突っ込んだ解説が欲しかったです。

・パウルス・ロイ作 ≪ルドルフ2世・マクシミリアン2世、フェルディナント1世の三重肖像画≫ プラハ城 1603年
右から見るとマクシミリアン、フェルディナント2人の肖像、左から見るとルドルフ2世1人だけ。
どうなってるの?
見る方も驚きますが、描いた方もそこまで計算して描く訳ですから、う~んどうやって描いたのと疑問が渦巻く。

・ドメニコ・ピオラ ≪ルーベンスの十字架昇架の場面のあるアナモルフォーズ≫
アナモルフォーズ=歪像画で、ゆがみ絵の類。円筒を中央に置いて、そこに映った像を見るときちんとした絵になる。
この絵も、普通に見たら抽象画かと思うような訳の分からない円になっているが、そこに円筒を置いて見るとあら、不思議。ルーベンスの十字架昇架の一場面になるのだった。
だったら、最初からちゃんと見えるように描けば良いのに、敢えてゆがませる意味はどこにあるのか?
う~ん、もっと知りたくなってきた。

・コルネリス・ノルベルトゥス・ヘイスブレヒツ ≪食器棚≫ フレズノ市博物館 1663年
トロンプルイユとはフランス語で「目だまし」の意だそうだが、トロンプルイユの名手ヘイスブレヒツの作品が多く展示されていた。
彼の作品は画中画、作品の中にはがれかけたキャンバスがあったり、本物そっくりに静物画を描く。
中でも一番リアルだなと感じたのがこの作品。

・ロラン・ダボ ≪フランス・スペイン最終和平条約のトロンプルイユ≫ 1801年頃 マルモッタン美術館
普通なら見過ごしてしまいそうな作品だが、割れたガラスがナポレオン没落を暗示しているとなると、思わずじっと見てしまう。

額からはみ出して絵を描いている系統の作品もある。
・聖血の画家(工房)作 ≪ルクレティアの自害≫ 16世紀 プラハ国立美術館
工房で多数こういった作品を描いていたのか?自身の胸を短剣でつく姿がリアル。


日本の古典的だまし絵に目を向ける。
こちらはお馴染み国芳に勝る作家はいない。やはり彼の作品はだますだけでなく、そこに特有のユーモア精神があるから好き。
・鈴木其一 ≪正月飾図≫ 個人蔵
描き表装の見本のような逸品。其一はこんな描表装の作品が割とある。

・柴田是真 ≪滝登鯉図≫ 野村美術館
こちらも描表装。構図が変わっている。

・呉春、松村景文 ≪柳下幽霊図≫ エツコ&ジョープレイスコレクション
異母兄弟の合作。この幽霊図はすごかった。絹のにじみで霊界と現実界との境界を描きだす。

後半は近代現代。
中でもマグリットの作品で未見なものがいくつかあって、嬉しい。
・≪望遠鏡≫1963年 メニル・コレクション
・≪落日≫ 1964年 メニル・コレクション
デルヴォーも、あまり彼らしくない作品が1点。
・≪窓≫ 1936年 イクセル美術館

最終章の現代美術では1点強烈な作品があった。
・パトリック・ヒューズ ≪水の都≫ 2008年 作家蔵
鑑賞者が動くと絵も動いて見える。近づいて見ると実は・・・。
詳細は会場でぜひ確かめてみてください。体験しないと面白さは分かりません。

パトリック・ヒューズの名は知らなかったけれど、こんな面白い作品ばかり描いているのだろうか?

本城直季のsmall planetシリーズで和んで会場を出た。現代アートはヒューズを除いて、ほとんど過去に見たことのある作家のものだったが、「だまし絵」の観点でまとめて見ると楽しい。

*6月7日まで開催中。
下記に巡回します。
●Bunkamura ザ・ミュージアム
2009年6月13日(土)~8月16日(日)
●兵庫県立美術館
2009年8月26日(水)~11月3日(火・祝)

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Tak様

こんばんは。
プライスさんは、本当に太っ腹(体も心も)な方ですね。
西洋画から日本画、現代アートまで幅広く楽しめる
稀有な機会だと思います。

No title

こんばんは。

プライスさん会期中ずーと展示していいよ~と
所蔵品貸して下さったそうです。
おかげで展示替えなしで楽しめます。
「柳下幽霊図」渋谷で拝見して来ました!

一村雨さま

こんばんは。
確かに場内で日曜美術館で見た話をされていた
お客様がいらっしゃいました。
かくいう私もTVで紹介されたのを見て、やっぱり早く
見て来ようと思ったのです。
マグリットがお好きな一村雨様も必ずご満足いただけるかと。

No title

ちょうど、日曜美術館でも紹介されていたので
人気が高まったのではないでしょうか。
子どもでも楽しめる展覧会ですしね。
Bunkamuraが待ち遠しいです。
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