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「ヴィデオを待ちながら 映像,60年代から今日へ」 東京国立近代美術館

video

東京国立近代美術館で開催中の「ヴィデオを待ちながら 映像,60年代から今日へ」へ行って来た。
かねてより、この展覧会は絶対に時間がかかると予想し、雨模様の日に1日東近美に籠るのも良いななどと考えていたが、気がついたら会期終了まであと1週間。慌てて行ってきたが、案の定時間が足りず2時間半で切り上げ、常設にまわったら、相変わらずこちらも見ごたえがあって、どうにも時間が足りず。

何しろこの展覧会、作品リストがふるっている。
特殊なセロハンぽい紙質で、A32つ折りとサイズが特大。広げるとポスターになりそう。
そして、この展覧会のためだけに作られたTVを置くための台や間仕切り、小さな椅子達、展覧会にはまっていて、ちょっと日本じゃないみたいだった。

作品を「鏡と反映」、「芸術と非物質化」、「身体/物体/媒体」、「フレームの拡張」、「サイト(場)」と5つのテーマ別に何と約50点のヴィデオ・アートを紹介している。

解説が高尚なのだが「なるほど、そういう意図があるのですか~」と思って見ると、いつもなら意味が分からず通り過ぎてしまうような内容でも、思わず手作り椅子に腰かけて見入ってしまうのだった。
あの椅子に誘われたのか、私は。

第1章 鏡と反映
もう、出るわ出るわ大御所のアンディ・ウォーホルの≪アウター・アンド・インナー・スペース≫1965年のビデオ・アート史の魁となった記念碑的作品もしっかと見た。
この作品は上映時間が1時間半ごとなので要注意。
内容は面白くも何ともないのだけれど、気が付くと35分。
二重性絵画、複数化といった彼の平面作品を映像化して表現している。

・ヴィト・アコンチの≪こじ開け≫1971年
これはインパクト大きかった。女性がしっかとつぶった目を、ヴィト・アコンチが無理やりこじ開けようとする、抵抗する女。まるで愛の交歓のようにも見える。アコンチの作品は他にも数本あったが、どれも斬新で視覚など人間の感覚に対してヴィデオで挑んでいるかのよう。

・村岡三郎+河口龍夫+植松奎ニ≪映像の映像-見ること≫1973年
番組放映中のテレビに対しての物理的行為を6つのパターンで見せて行く。
最後にハンマーでテレビを粉々に破壊。これも衝撃的な作品だった。

第2章 芸術の物質化
・マーサ・ロスラー ≪キッチンの記号論≫1975年
これは作者の意図が分かりやすい。普段は料理道具として認識しているキッチンにある様々なものたち、フライパンやフォーク、アイスピック等々をアルファベット順に紹介する。紹介する際、ロスラーが激しい動作を行うことで、途端に料理道具が暴力性を帯びてくるのが不思議。
普段は何気なく見ているものが全て凶器に見える様が面白い。

デニス・オッペンハイムは息子のエリックと共演し、エネルギーや遺伝子の関連性を見せる。
これも考えさせられた。

・泉太郎 ≪裏の手 手の裏≫2009年
彼の作品はいくつかまとめて展示されていた。過去に見たものも含まれていたが、新作もあり。
やはりどれを見ても面白い。ただ、どこが面白いのか作者の意図はと問われると答えられない。ただ、ひとえに泉の映像への愛情を感じるのみ。

第3章 身体/物体/媒体
ここでは、ブルース・ナウマンのパフォーマンス映像が何本も紹介されている。
1本あたりどれも1時間。これを最初から最後まで見る人などいないと思うが、触りだけでも彼が何をしたいのか、しようとしているのかは理解できるだろう。

・リチャード・セラ≪カラー・エイド≫1970-71
220枚の色の髪を1枚1枚引き抜いて行く過程を映像化。それだけなのに、引きぬく際の音と色が美しい。時間があったら、もっと見ていたかった。

第4章 フレームの拡張
・リチャード・セラ ≪鉄道旋回橋≫ 1976年
旋回しながら撮影することで、見る側と見られる側どちらが動いているのかを曖昧にさせる。

・タラ・バーンバウム≪ワンダーウーマン≫1978-1979年
TVドラマを再構成、再構築して5:50で見せる。制作意図は解説を読んでも理解不能だが、理屈抜きで楽しめた。変身シーンと爆破シーンが強烈。

・ポール・ファイファー≪洪水の後の朝≫2003年
このあたりから、時間がなくて走り始めたが、文句なく美しい映像。ループなのだが全てを見切りたい。水平線と太陽がモチーフ。

フランシス・アリス≪ロハーサル1≫ 
小林耕平≪2-6-1≫2007年が気になったが、チラ見。

第5章サイトの作品は観たい作品がいくつもあったのに、諦めた。
・ロバート・スミッソン≪スパイラル・ジェッティ≫1970年
・フランシス・アリス≪信念が山を動かすとき≫2000-02年
はどうしても最初から最後まで見たいので、といってもこの2作品だけで70分以上かかる! 

ところで、この展覧会の図録が実に素晴らしい。
マニアックな内容の展覧会にも関わらず、お客の入りはまずまず。図録もほぼ完売間近で在庫僅少。
全く買うつもりはなかったのだが、1400円という値段の安さに対して中身の出来栄えのあまりの良さに思わず買ったが後悔はなし。
印刷がすこぶる良くて、写真集としても、文献としても楽しめる三重丸な内容。
大きさもポストカードよりちょい大きいくらいのハンディ版。
綴じも糸とじで、今どき珍しい。ちなみに印刷会社は八絞美術。

同時開催の常設も良くて、来週で会期終了だけど再訪する。
お世話になっているogawamaさんの記事でもご紹介されています。

*6月7日(日)まで開催中。

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はろるど様

> あの小さな椅子が妙に居心地よくて、たまにあるどうでも良いような(失礼!)映像にもじっくり見入ってしまいました。
⇒ 同感です。あの小さな椅子にしてやられた感じです。展示が今回は上手かった。

> それにしてもどなたが企画されたのでしょうか。
⇒ 図録によれば企画構成は三輪健仁氏と蔵屋美香(東近美学芸員)となってます。
私が行った日はこのお二人のトークがありましたが、時間がなく断念。

> 専門の方もこの展示はしっかり評価していただきたいなと思います。
「美術手帳」に講評が出ていました。一応誉めていたような。

不満な点は、お手洗い以外で再入場できないこと。食事くらいさせて欲しかった。

ogawama様

こんばんは。
今度の土曜当たりに再訪する予定なので、まだ残っていたら
買って来ましょうか?
でも、もうなくなっている気がします。だって1400円ですもん。

No title

こんにちは。本当に良く出来た展示でしたね。2時間半と仰るのにも納得です。あの小さな椅子が妙に居心地よくて、たまにあるどうでも良いような(失礼!)映像にもじっくり見入ってしまいました。

それにしてもどなたが企画されたのでしょうか。
専門の方もこの展示はしっかり評価していただきたいなと思います。

勉強になった展覧会でした

急いでいたので図録買い損ねました。
この展覧会は後からぐっと来るタイプなので(現代アートの大きな潮流が背後にあることが、ググったりしてわかった)、復習のため欲しいところ。
端折って見たのですが、ブルース・ナウマンと《スパイラル・ジェッティ》が良かったです。
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