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「近世文藝の輝き-早稲田大学所蔵近世貴重書展-」 早稲田大学大隈記念タワー はじめての美術館31

waseda

愛読させていただいているブログ「見もの・読みもの日記」さんでご紹介されていたのを機に、予定を繰り上げて早稲田大学大隈記念タワーで開催されている「近世文藝の輝き-早稲田大学所蔵近世貴重書展-」に行って来た。

大隈記念タワーはまだ新しく他の構内にある博物館とはかなり趣を異にしている。
10階の125記念室では、毎回様々な企画展が開催されているようで、ガラスケースの設備もある。入ると、一見展示空間はさほど広くないように思えるが、実は左右奥にも展示室が広がっていて、むしろこの両翼部分が展示のメインであった。

まず驚いたのは、受付でいただいた手製の小冊子。作品リストは言うに及ばず、展示作品のキャプションまで記載されているので、非常に助かった。キャプションをリストに掲載して下さる博物館は私の知る限り台東区書道博物館とここで2つめ。

展示内容は1600年代~1800年代江戸期に出版された本が中心。「本」と一口に言っても、江戸期には版本が多く出回り、浮世絵作家たちの手による絵中心のものも多い。従って、文学はちょっとな~と思われる方でも楽しめる内容。

早大には、坪内博士記念演劇博物館もある通り、坪内逍遥、市島謙吉らの努力により、数百万点!の内外資料が蔵されることになった。今回は特に文学、演劇、俳諧中心の貴重書が多く展示されている。

中でも目立っていたのは、近松門左衛門、井原西鶴の西軍と南総里見八犬伝と言えばこの方、曲亭馬琴関連著作群である。
井原西鶴は、文章だけでなく自身の本に絵も描いていたとは知らなかった。他の絵師が描いたものとばかり思ったが、解説を読むと西鶴画とあるので、私の勘違いではないと思う。絵師といっても良いほど素人絵には見えない。

≪好色一代男≫には菱川師宣の挿絵もあり。同じ話でも江戸版と大阪版で、挿絵が若干違っていて、これを見比べるのが楽しい。江戸版の方がすっきりしていて、登場人物も少なめだった。
≪男色図巻≫は初版!初印の10冊本。何とレアな。本書には西鶴自身も登場し、挿絵にも坊主頭の西鶴と思しき人物がいた。西鶴って男色だったってことですかね、やはり。

版本、草紙系ばかりかと思いきや、絵画も沢山出ていた。
一番のヒット、いやホームランは渡辺崋山の≪秋江残照図≫1837年一幅(わりと大きい)。なぜ、ここにある。崋山の風景画であるが、自賛付き。1837年ということは死の4年前の作。崋山の作品はこの他に、≪俳諧摺物貼込帖≫も出ていた。

・≪山水図≫司馬江漢筆
・≪地球儀図並讃≫ 司馬江漢画賛
特に地球儀の方は、江漢自筆の哲学観がめんめんと綴られているのが興味深い。この人はやはり傑出した多才ぶり、絵も文も思想家でもある。

・≪柳縁≫
これは珍品。川柳が縁でむすばれた文人たちの寄せ書きだが、そのメンバーが凄い。谷文晁、馬琴、式亭三馬、宿屋飯盛、酒井抱一、大西椿年が狂歌や絵を一幅に描く。
左端の縦長スペースは抱一描く雀。それ以外の部分を3×5=15マスに仕切って、各位が腕をふるう。

・≪子日遊図≫ 窪俊満画
俊満の絵に、蜀山人らが賛を寄せているが、散し書きのような賛の入れ方が気に入った。

・≪杉田玄白先生自画自賛肖像≫1811年
杉田玄白は、漢詩、和歌、絵画などの嗜みもあったそうだ。教養人の誉れ。この絵は左足をあげて酔っぱらっているのか踊っている。自賛も面白い。

・≪勅宣養老水≫
青本。色摺を使用した最初期のものだそうだが、信じられない程、状態が美しく残されている。絵も初期のものらしく素朴で好き。

この他珍本、稀少本多数で全部で142もの展示を全て入館無料で一般公開して下さる早大に深く感謝したい。
*6月18日(木)まで開催中。ただし、日曜日はお休みなので要注意。10::00~18:00

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遊行七恵さま

こんばんは。
鍾馗の活人形は、私もひっかかりました。
あのお人形は相当展示物の中で異彩を放ってましたから。

本当に、さすが早稲田!な内容で思わず、実は私は
高校野球で早稲田ファンだったのですが、あの気持ちは
間違ってなかったんだと思いました(やや意味不明)。

No title

こんばんは
これは6/5に見ましたが、まだ書けなくて困っています。
たいへん面白い内容でしたね。近ければもう一度見たいところです。
わたしは鍾馗の活人形が気に入りましてね。
どことなく暁斎ぼい感じがして面白かったです。
八犬伝は天理でも見ましたが、さすが早稲田!と感歎ばかりです。

jchz様

こんばんは。
お陰様で、本当に良い展示を拝見することができました。
ガラスケースにびっちり貴重書が埋まっているのは拝見するのは楽しかったです。
これだけのものをきちんと解説付きで公開する姿勢が素晴らしいと思います。

やはりこの充実度は早稲田の伝統のなせる業なのでしょうね。
慶応はこの手の催しをしているのか気になりました。

こんばんは

御覧になりましたか。江戸の文化人たちのつながりが見えてくるるようで興味深かったですね。豊富な資料は、さすが早稲田大学。
私は今週は昭和女子大学図書館の貴重書展(~6/13)を見てきたのですが、こちらは今イチで、感想を書こうかどうしようか迷っているところです。
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