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「寝るひと 立つひと もたれるひと」 東京国立近代美術館常設展ギャラリー4

ゴーギャン展に行かれた後、いや行かれる前でもよろしいのですが、必ず東近美の常設にもお立ち寄りいただきたいと思います。

前回の東近美2階の特集展示は「木に潜むもの」。
こちらも橋本平八、小谷元彦、遠藤利克の共演で木にまつわるテーマを面白い視点で見せてくれた展示でした。

続く第2弾?は題して「寝るひと 立つひと もたれるひと」。
作品リスト、概要、作品画像はこちら

この特集に合わせて作成されたミニパンフが洒落ている。前回もそうだったと記憶しているが、明るいオレンジ色の表紙に白抜き文字で小さくタイトル。
今回の特色は横長で表紙、背表紙だけが横に短く、中身のページがはみ出している所がポイント。
このはみ出し部分の一番上になっているのが、実にそそられる。美しい女性の眼を閉じた顔と箱に回された左腕、そして箱の一部。

表紙をめくると・・・・・そこにあるのは艶めかしい脚を折り曲げ箱に入った女性の仰向け裸体写真。作品名は≪イン・ザ・ボックス-ホリゾンタル≫ルース・バーンハート 1962年がいきなり登場する。

思わず、京極夏彦の「魍魎の匣」を思い出した。
箱娘だ。
次に思ったのは女性の脇腹あたりのあばら骨。
あばら骨は美しくないと思っていたが、こうして見ると意外に気にならない。
それにしても、この写真1962年の作品だということにも驚いた。

今回の特集展示は、画中の空間と平面としての画面、そして鑑賞者の身体感覚の三者の関係を様々に揺さぶる作品全19点で紹介するというもの。
企画と編集担当は、近美学芸員の蔵屋美香さん。パンフレットデザインは森大志郎さん。
このお二人のコンビは前回の企画展「ヴィデオを待ちながら」と同じ。

展示作品のメインになっているのは、萬鉄五郎。
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いつも3階?にあるお馴染み萬鉄五郎の≪裸体美人≫(上図)が2階へ移動し、美人がこちらを睥睨している。
同じ寝そべる行為も、冒頭の写真とは全く表現を異にする。さらに熊谷守一の≪畳の裸婦≫1962年も同様に同じポーズの横たわる裸婦を描いているが、こちらもまた受け手の感覚は異なる。

更に、イケムラレイコ≪横たわる少女≫1997年、これなどは横たわるというより転んで寝転んでいるようにも見えたり、小出楢重≪裸女と白布≫1923年では、鑑賞者とは反対側を向いて横たわる裸婦を描いている。

この時、ご一緒していた遊行七恵さんは、小出ファンとおっしゃり、翌日初めてお目にかかったあべまつ様も、この特集展示を既にご覧になられており、萬が良いとおっしゃる。

そして私は、今回誉めあげたオレンジの表紙パンフレットには掲載されていないが、古賀春江の≪涯てしなき逃避≫のための下絵、裸婦、≪感傷の生理に就いて≫のための下絵数点を興味深く拝見した。
古賀のデッサンなどめったとお目にかかったことがなく、彼の作品制作過程と人間のポーズのとらえ方の試行錯誤、描こうとしていたものをちょっぴり感じることができた。
地味なデッサンだからパンフに掲載されなかったのだろう。残念でならない。

視点を新たに何度も拝見している所蔵作品を眺めると、また違ったものが見えてくる。そんな所が面白い。


なお、この他3階、4階の常設展示も名品が目白押し。
特に印象に残ったのは、俄然マイブームになっている北野恒富≪戯れ≫1929年、小杉放菴≪青鸞≫(いずれも展示期間:8月9日まで)、菱田春草≪四季山水≫1909年(展示期間:8月9日まで)、岸田劉生の銅版「天地創造」より3点。
現代アートでは川村記念美術館で昨秋に企画展があったモーリス・ルイスの≪神酒≫1958年。これ、川村には出展されていなかった。

写真コーナーの川田喜久治も私好みの写真だった。
素描コーナーでは特集「黒い風景」と題して、鉛筆、コンテ、木炭と画材と作者によって黒い風景の違いを探る。
ここでは速水御舟≪風景素描≫1918年、松本竣介≪工場付近≫1941年、萬鉄五郎≪小石川風景≫1913年、林武の強く黒い線で描いた風景画など、様々に楽しませてくれる。

*特集陳列は9月23日まで。常設展示は一部展示替えがありますのでご注意ください。

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あべまつ様

こんばんは。
過大評価でなく、正当な評価です。

北野恒富は、美術館名品展、先日の京都近美のモダニズム展でも
拝見した記憶があり、相当なマイブーム来てます。
東近美の蔵屋さんの企画は当たりが多いですね。

遊行七恵さま

> 「これを見たときmemeさんは・・・」という感じで。
⇒ 私、どうせ碌でもないこと言ってましたよね、きっと。
  何しろ、知識と教養がないので・・・本当にごめんなさい!
  あげくに、記憶力も悪く作家名が全て「あれ」とか「あの人」になりつつある自分が怖い。

No title

こんばんは。
memeさんに過大評価を頂き、テレテレしております。
近美の常設は東博の常設とともに、侮れないところですね。
私は版画が好きなので、線の野太い作家が好きなのです。
この企画は久々に飛び抜けていたし、パンフはよかったし。
大満足でした。
北野恒富≪戯れ≫きれ~!でしたね!!

こんばんは
記事を読んでいると、色々楽しかったことが思い出されてきます。
「これを見たときmemeさんは・・・」という感じで。
いいものをいっぱい見ることが出来るので、常設というのは本当に好きです。
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