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「塩田千春展-流れる水」 入善町下山芸術の森 発電所美術館

nyuuzen

早朝7:20羽田発小松空港行の飛行機で、今朝から北陸入り。
初日の目的地は富山の水墨美術館&発電所美術館だが、レール&レンタカーで富山駅からレンタカーを使用したかったのと、早朝の飛行機はお値段が安かった等々の理由で小松空港を目指した。

小松→富山までJR、富山からは前述の通り駅レンタカーで入善を目指す。

さて、行って来ました。「塩田千春展-流れる水」開催中の発電所美術館
これで2回目の訪問(1回目は内藤礼さんの「母型」)です。

そして今回も私が到着するのと前後してお客さんが帰られ、帰る時に新しいお客さんが来られたので、結局あの広い空間を独り占めしてしまった。

噂には今回のインスタレーションの様子は聞いていたし、5月だったかに行われた資生堂ギャラリー主催の塩田千春アーティストトークにもしっかり参加して、塩田さんについての予習も完了。
しかし、毎度のことながら、噂や話やスライドでは作品の本質に決して触れることはできないと痛感する。

中に入って、早速作品と対面した。
shiota

会場の展示の様子は「Art Lover Blog」様で沢山の画像が紹介されています。

白く塗られた病院用のベッド(これは塩田作品ではよく使用される)が天井から扇状に床に向かって広がりつつぶら下がっている。
全部で35台のベッド。
床に向かっているのか、天井の高みへとベッドが昇っていくのか、それは見る人の感じ方受け取り方によるだろう。
最初、私はベッドが宙吊りになっているのを見て、痛ましい気持ちになった。

ポツ、ポツ、ポツ。
音がする。
耳をすますと聞こえてくるその音は、天井から水の雫が落ちている音だった。
ベッドの周りを歩いてみると、高さ5センチ程度の鉄の枠の中に水がたまっている。

その時だった。
美術館の係の方が展示室内に入ってこられ、壁からぶら下がっているハンドルを引っ張っる。
すると、天井に据え付けてある6つ(だったと思う)のシャワー口から一斉に水が勢いよく流れて来た。

音が変わる。
サーっ。
ベッドの近くまで行くと水しぶきが自分にもかかる。
ベッドに跳ね返った水は、鉄の枠に落ちてたまり、外の排水溝に流れて行く。
どんどんどんどん水が天井から降ってくる。

その状態のまま、2階にある展示コーナーへ上がって、上からインスタレーションを眺めて見ると、これはこれで壮観な景色だった。

「美術館が立地している黒部川扇状地から湧き出る水を思わせる、天井から吊るされたベッドにはシャワーから伝うように「命の水」が流れるというイメージを作品化した」~展覧会チラシより引用~


2階にも最新作が展示されている。
・「待つこと」
またベッドのインスタレーション。こちらには白いシーツと布団、枕がセッティングされており、その横には点滴用のスタンドやチューブ、そしてベッドの上には古びた家族の写真が何点か置かれている。
額に赤い針金がぐるぐると巻きつけられているものもある。

・「旅立ちの時」
2つの革鞄とひとつの木箱。真ん中の鞄には電話が1つと受話器が複数ぶら下がっている。右端木箱には川石が、赤い糸と針金でまとめられている。左端の鞄は3つの中で一番高い位置にあり、中が覗けなかったが、恐らく空だったのではないか?
旅することが多い塩田の日常を作品化したものと思われる。電話でいつも現実に引き戻されると彼女は言っている。

クレヨン、水彩、赤い糸を使用したドローイングが5点。
・「出口」
・「内へ」
・「対話」
・「横たわる」
・「流れる水」
いずれも人をモチーフにしているのが特色で、赤い糸がイメージさせるのは「血」だろう。

全ての作品を通じて感じるのは、塩田千春作品でテーマとされることの多い「生と死」。
特に今回は「生」を強く意識した作品となっている。
塩田自身はかねて死、生きることへの不安を作品化し続けて来たが、出産などの体験により次第に「生」を強く感じるようになったという。

シャワーから出る水はいつまでもいつまでも流れ続けているので、係の方に水道代は?と伺ったら、発電所美術館のある地域は地下水が豊富な水系であるため、水道代の徴収がないとのこと。
しかし、「地下水をくみ上げるポンプの電気代はかかりますが・・・。」と説明いただいた。

最後にシャワーの水を止める瞬間もまた見所のひとつ。
勢いよく流れ出ていた水がとまり、静寂が訪れる。水に映りこむベッドの影も何か語りかけてくる。

そして、窓の外から雨音が聞こえてきた。
夏の通り雨。
美術館を出る頃には、通り雨は止んでいた。
夢のような、日常と非日常がクロスした不思議な経験。
発電所美術館での塩田展は、塩田千春が海外を拠点として活動しており、予算的に通常困難な企画だったが、今年は隣県の新潟で妻有トリエンナーレが開催され、塩田の参加も決まったため、トリエンナーレ作品制作とからめてのタイミングなら可能と本展にGOサインが出たのだそうです。
景気のせいか美術館の予算も削減され企画展も年3回→2回を余儀なくされる中、これだけハイレベルなアーティスト招聘、制作、学芸員さんはたった1人でとても頑張っていらっしゃる。
天井のシャワーも業者に依頼すると、予算超過になるため何と、学芸員さんが設置されたとか。
それで入館料500円は安い!
が、県外在住者にとっては入館料より交通費の問題の方が大きく、でも交通費など美術館には還元されないのだ。
塩田千春の世界にどっぷりと浸れたのは本当に幸せだったと思う。

9月6日(日)9月23日まで開催中(好評につき会期延長)。もちろん、オススメします。

車の場合、ETC車なら入善スマートICより5分。
私はETCカードを名古屋に忘れたので、黒部IC利用、そこから約10~15分程度でした。
東京からなら、飛行機で富山空港(ANA)を目指し、そこからレンタカーで入善を目指すのがもっとも時間的に効率が良いと思います。
富山空港→富山IC→黒部または入善ICまで約1時間。飛行機は1時間として東京から2時間圏です。
運転得意なら、小松空港利用でJR使用せず金沢21世紀やらをからめてもよし。

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塩田千春展―流れる水@発電所美術館

新潟県糸魚川の谷村美術館(村野藤吾設計)の特別開館期間に合わせ、富山県入善の発電所美術館まで足を伸ばした。「塩田千春展―流れる水」を鑑賞。ここは大正時代のレンガ造りのモダンな発電所の遺構をリノベーションした美術館で、建物は国の有形文化財(1996年)にも登...

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せいな様

あの美術館は場の力を持っています。
あの存在だけでもアートかもしれません。

今回の展示は水と塩田作品が上手くからんで
五感に訴えてきますよね。

No title

行ってきました。
この記事を拝見して行くことにしたのですが
行ってみて「本当に行って良かった」そして「百聞は一見にしかず」を
深く実感しました。
教えて頂き本当にありがとうございます。感動しました。
息子も本当に楽しかったそうです。

テツ様

> あのシャワーの強烈な音と爽やかな涼感。
> 後に残る静寂と滴り落ちる水音もはかない気持ちにさせられ。
> まさに心と身体に残る作品でしたね。

⇒夏にぴったりの展示ですよね。
 水音があんなにもはかない気持ちにさせられるとは。
 生と死を見事に水で表現していたように思います。

No title

あのシャワーの強烈な音と爽やかな涼感。
後に残る静寂と滴り落ちる水音もはかない気持ちにさせられ。
まさに心と身体に残る作品でしたね。

塩田千春展は来館者も多く好評だそうで、会期延長が決まったそうです。

さちこ様

21世紀美術館は発電所美術館とセットでぜひ。
でも、まだまだ愉しい展覧会が山積みです。

夏休みの残りで展覧会楽しめますよ~。

会社の上空をmemeさんが!

あの飛行機を出勤時に見ていました。
塩田千春さんのお名前すら知りませんでしたが、21世紀美でしたら、行かねばと。
慟哭のような感情が襲ってきました。
自分としては、何かを感じたことがうれしかったです。
ありがとうございます。

noel様

こんばんは。
遠いと思っていましたが、飛行機とレンタカー使うと
意外に早く到着できると分かりました。
ぜひ、おでかけしてみてください。

KIN様

お盆の前に行けるではないですか。
1日あれば大丈夫!

No title

う、うらやましい... 塩田千春は私も注目しています。が、発電所はさすがに遠い~~!とあきらめてました。 レポート読ませて頂いて展示の様子が目に浮かびます。ああ、体感したいです~~ 

No title

うーうー。
ええ、21世紀美の感想、書いても良いことですわよ。
と言うか読みたいですわ。
悶絶して、行きたくなって、仕事が手につかなく
なったとしても!
うー、谷村美ですか。お盆中は仕事の現場があり、
絶対に行けない!会社辞めないと行けない!
そんな羨ましい情報公開しないで!いややっぱり
知りたい!(どっちなんだ)

KIN様

まさか、こんなに早く私のブログを読まれるとは予想しておりませんでした。
本文中に、KIN様お先に~と入れようかと思ったほどでしたが
一応思いとどまりました。

あの~、この後金沢21世紀の塩田さんの作品の感想も書くんですけど
よろしいでしょうか?
あと、新潟の糸魚川市にある村野藤吾の谷村美術館に行こうとしたら
今年の1月に閉館してまして!
でも、来月8/1~16の間だけ限定開館するのです。
絶対行く!会社は辞めないけど行く!

うー、うががが!
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