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「愛についての100の物語」 金沢21世紀美術館

kanazawa

北陸シリーズ第2弾。
金沢21世紀美術館開館5周年記念展「愛についての100の物語」に行って来ました。

本展は既存の境界を超えて多様なジャンルの表現者たちを招き、「愛」をめぐって語り合う場を創出します。キーワードは”オープン・ダイアローグ”(開かれた対話)。物語とは、出会いの場で交わされる開かれた対話そのもの、そのありようは無限であると考えます。~美術館チラシより~

展示は、大きくゾーン1とゾーン2の二つに分かれ、開催期間も異なります。
ゾーン1は8月30日(日)まで、ゾーン2は7月20日(月・祝)の明日までの開催となるためご注意ください。

各ゾーンで印象に残った作家さんを挙げていきます。展示は作家単位に展示室または展示コーナーが設けられていますが、金沢21世紀美術館は迷路のごとく迷うので、入口でもらう展示配置図をしっかと確認して回らないと見落とすものが出てしまいそうです。

<ゾーン1>8/30まで展示
・塩田千春 《記憶の部屋》 2009年
金沢ではベルリンで集めた古い窓を使用したインスタレーション。以前愛知県美で開催された「愉しき家」展で塩田作品に初めて接したものと似ているが、大きさなど更にヴァージョンアップしている。
このインスタレーションを使用して劇団「チェルフィッシュ」が岡田利規による新作書き下ろし演劇(恋愛ものらしい)をライブパフォーマンスされているが、期間、時間限定で私が訪れたときには既に終了していた。

・チェン・ジエレン 《ファクトリー》 2003年 DVD
チェンは1960年台湾生まれの台北在住作家で、私は今回初めて知った作家。1980年代はゲリラ的パフォーマンスやアンダーグラウンドアートなどで台湾の政治体制を痛烈に批判した。1990年代より写真作品で注目を浴び、2002年映像作品へ発展。
この《ファクトリー》は30分の無声映像作品だが、決して飽きさせることなく最後まで見せる。
とにかく映像のつくりがうまい。
台北の7年前に閉鎖された繊維工場を舞台に、20年以上働いていた女工達が戻り作業を再現、女工の震える指やむくんだ足のクローズアップ、廃墟、工場は退職金も賃金も未払いのまま閉鎖し、問題は未解決のまま。
痛烈な社会批判をこれだけ印象的な映像で映し出す力量は計り知れない。
今回のイチオシ。

・森村泰昌 《なにものかへのレクイエム(人間は悲しいくらいにむなしい)1920.5.5-2007.3.2》
こちらも映像作品。森村の映像はなかなか拝見する機会がないが、こちらはソビエト連邦建国者レーニンの演説様子を再現。圧倒的で、迫真のなりきりぶり。脇の群集も良い。

・サラ・ジー 《喪失の美学》 2004年
オープニングで見たのと同じものではないか。展示場所も同じエレベーター横か?

・島袋道浩 《箱に生まれて》2001年
シマブクさんの関西弁による語りが好き。

・木村太陽 
お馴染み《はたらけはたらけ》の他に最新作壁面ドローイング《立ち往生》、《プラス・マイナス・ピープル》など楽しませてくれる。
お下品なんだけど、好き。もちろん、ドローイングは全部読みきった。

・山本基 《100の迷宮》2009年
山本の塩で制作するインスタレーションはオープニングで明確に記憶されている。今回場所を変えて新たに《100の迷宮》を制作。大きさもパワーアップ?いつ見ても、素晴らしい線。塩でできているだけに取り扱い要注意。

・ラファエル・ロサノ=ヘメル 《パルス・ルーム》 2000年
展示空間に300もの白熱電球がぶらさがる。
鑑賞者1名がぶら下がっている二つのグリップを握ると、その鑑賞者の心拍数を感知し、目の前の電球1つにそのリズムが移行、たちまち全ての電球にそのリズムが伝わる。
心臓の鼓動という目に見えないものが、電球によって視覚化されていく過程が美しくはかない。
こちらもオススメ。

<ゾーン2> 明日(7/20)まで
・アニッシュ・カプーア 《Turning Water into Mirror,Blood into Sky》2000年
全部で3点出展されていて、カプーアの魅力にどっぷり浸れる。
中でも《Turning Water into Mirror,Blood into Sky》は赤く染色された水をアルミの水槽に入れ回転させると、さてどうなるか?
答えは見てのお楽しみ。鏡面のように、水にはまったく見えません。
驚愕の作品でした。

・鈴木ヒラク 
広い展示室を鈴木ヒラクの最新作ドローイングとその映写で見せる。旧作の《bacteria sign》も壁一面に並べて壮観な風景だった。
展示室外の床に銀色のマーカーで描かれた《エコー・ドローイング》2009年も見逃さないように。
彼の描く線、形は曼荼羅かプリミティブアートのように増殖している。

・照屋勇賢 《儲キティクーヨー、手紙ヤアトカラ、銭カラドサチドー》 2008年 DVD
これは素晴らしかった。ゾーン2のイチオシ。
照屋の映像作品は初めて見たけれど、見せ方は実に彼らしい。段ボールを利用してミニシアターを作成、これは他の作家でも見たような手法だが、画面の大きさ、段ボールの利用方法がやはり照屋さんだなと思わせる。
映像の中身も、皆違う。小舟が小川流れに乗っていたり、海で漂流していたり、街中の水溜りにあったり、舟は照屋手製の折り紙によるもの。
移民国の国旗を掲げている。
「儲けておいでよ、手紙は後からでよいから、お金は先に送りなさい」はかつて沖縄からの移民船に投げかけられた言葉だそう。

・アナ・メンディエータ 1948年キューバ生まれ、1985年NYで死去
アースボディワークと《魂ファイアーワークのシルエット オアハカ メキシコ》1976年(映像)は土着文化、土に対する彼女のこだわりを存分に見せつけられた。

・横溝静
先日の天保山ミュージアムで写真作品を拝見したが、今回は映像。でもやっぱりちょっと間のびして最後まで見切れなかった。

図録は文庫本をもう少し大きくしたサイズの小冊子、オールカラーでたったの900円。
思わず買ってしまった。ここにご紹介できなかった作家も含めて全部で43名ものアーティスト、表現者が紹介されている。

また、友の会に加入した。県外在住者は入会金500円は別として、年会費はたった2000円。
2回行けば元は取れる。
秋には「オラファー・エリアソン展」も予定されているので、2回行く!という方はぜひ加入されてみては?ただし、当日美術館での申し込みの場合、午後4時までが受付時間なので要注意です。

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金沢21世紀美術館「開館5周年記念展「愛についての100の物語」」を観てきました。

我が家の夏の家族旅行計画は 「どこの美術家に行くか」 から始まります。 今回は迷宮美術館で地方美術館の特集を見ながら検討...

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せいな様

こんばんは。
楽しいご旅行だったようで、何よりでした。
また、記事を拝見させていただきますね。

No title

行ってきました!
今回は白鳥路ホテル、そして発電所美術館まで行ってしまいました。
我が家の夏の旅行が楽しかったのはmemeさんのおかげです
といっても過言ではありません。
本当にありがとうございます!

せいな様

白鳥路ホテルなんですね!
私はここを予約できなかったら時期をずらそうかと思うほど
このホテルが気に入ってます。
浴衣のまま館内歩けるホテルってないですから。
朝風呂もよろしいですよ。

あと、白鳥路は素敵な散歩道。
ここを抜けていくと金沢21世紀が近いです。
夏には上手くすると蛍が見られるかもしれません。

No title

!!!
まさにその金沢白鳥路ホテルを確保しています!
嬉しいなー。
発電所美術館、夫に提案してみます。
いつもありがとうございます(^^)

せいな様

親子で金沢、最適な場所です。
ところで、宿はお決まりですか?
私がいつも利用する金沢白鳥路ホテルはお薦めです。
ホテルなのに天然の炭酸水素塩泉があり、お肌がつるつるになります。

車で富山の発電所美術館まで行かれるのもよろしいかと。

楽しい夏休みをお過ごしくださいませ☆

No title

8月親子で金沢に上陸予定です。
楽しみにしています。
息子の感想も楽しみにしています。

さちこ様

私は大変な勘違いをしておりました。
さちこ様をてっきり私の会社の方かと今日まで思っておりました。
妙なコメントをこれまでお返ししておりませんでしたでしょうか?
失礼がございましたらご容赦賜わりたく存じます。

旅程の全貌は我ながら恐ろしいです。
ご心配いただき、こちらこそ有難うございます。
引き続き拙い記事で恐縮ですが、お立ちよりいただければ
大変嬉しく思います。

ogawama様

> 見たい物の優先順位を決めるのは、難しいです。

同感です。私も今回は原美を飛ばしました。
金沢は8月の横尾展も面白そうです。
妻有トリエンナーレと塩田展とセットでいかがでしょう?

> サラ・ジーの作品はオープニングのと同じと聞いてます。
やはり、そうでしたか。

金沢21世紀美術館

実は春に地元会員になりました。
今回、初めて活用しました。
図録は手にしたら、なじんで離れません。
memeさん
それにしても、またまた超ハードなスケジュール&執筆量!
感謝と心配いたしております。

ため息~

ゾーン2の展示、終わっちゃいましたね。
海の日連休はここと発電所に行こうと思っていたのですが、色々野暮用が入ってしまって断念しました。
こうしてmemeさんの記事を拝見すると、後悔しきり。
見たい物の優先順位を決めるのは、難しいです。
サラ・ジーの作品はオープニングのと同じと聞いてます。

さちこ様

もしや、金沢に行かれたのでしょうか?
照屋さんの映像って本当に珍しくて、新鮮でした。
やはり、センスを感じます。

<ゾーン2>

照屋勇賢 《儲キティクーヨー、手紙ヤアトカラ、銭カラドサチドー》
一歩踏み入れ、それぞれの映像を認識すると、こみあげてくるものでいっぱいに!
memeさんの記事があっての遭遇でした。
あらためてありがとうございました。
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