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「4つの物語 コレクションと日本近代美術」 川村記念美術館

kawamura

川村記念美術館で開催中の「4つの物語 コレクションと日本近代美術」を見て来た。

この展覧会は、川村美術館の所蔵品で抜けている日本近代の作品を他館や個人所蔵から借りて、自館の所蔵品とあわせて、4章に分け日本近代絵画63点を多角的にとらえると同時に、所蔵品をこれまでとは異なった視点で見つめ直すことを企図しています。~チラシより

展示作品リストはこちら(PDF)。
美術館ではリストが用意されていないので、これから行かれる方で作品リストが必要な方は事前に印刷の上、持参されることをお薦めします。
HPに掲載されているのだから、印刷して希望者には配布してくれても良いのになぁ。

各章の構成順で印象に残った作品は以下の通り。

1.レンブラントと絵画技法の摂取/展開-肖像とリアリズム

・高橋由一 「寒河江市隠像」 1887-88)年  油彩 山形美術館寄託
由一ファンとしては1枚でも見てない作品を見たいもの。真っ白な下向き▽髭が大変印象的な肖像画。本当にあんなに三角なお髭だったのだろう。

・渡辺幽香 「五姓田芳柳像」 1889)年 油彩 東京藝術大学
渡辺幽香と言えば、横浜で見た赤ん坊が石にくくりつけられている油彩を思い出す。こちらも別作品を見られて嬉しいが、東京藝大所蔵なので、以前みたことがあるかもしれない。

・原撫松 「影の自画像」 1907年 油彩 東京国立博物館
高松次郎の作品かと思うような異色の自画像。肖像画といえども、実に様々なもの。

・岸田劉生 「麗子座像」 1922/25年年 油彩 個人蔵
劉生作品は同じ個人蔵で、水彩の「村娘図」の2点が出展。いずれも数十年ぶりに公開とのこと。
これを逃すとまた数十年?麗子のカーディガンの紫と敷物の赤の対比が強烈。

・松本竣介 自画像 1941(昭和16)年 油彩 岩手県立近代美術館
神奈川県近美所蔵の「自画像」含め他1点の計3点出展。やはり松本作品は好き。この自画像は未見。

高島野十郎の自画像は、写実が行きつく所まで行って、逆に怖い。写実を超えて既に別の何かになってしまったような。

2.ルノワールと日本の油絵-裸婦と家族の肖像

・中村彝 「少女」 1913年 油彩 横須賀美術館
少女の恥じらうような裸体。このモデルは中村屋の娘かな。

・山下新太郎 「端午」 1915年 油彩 石橋財団石橋美術館
ルノワールの裸婦と一緒に本展チラシ表面に採用されている作品。これ、本当に色彩豊かで良い絵です。印象派の影響を受けているのがよく分かる。日本の近代洋画でこれだけの作品があったことは誇らしい。

・田中保(たなかやすし) 「金髪の裸婦」 1920-30年代 油彩 目黒区美術館
田中は「裸婦の田中」としてエコ・パリの画家として海外で活躍、そのままフランスで客死し、日本に帰国することがなく、国内での著名度が低い。プロフィール詳細はこちらが詳しい。
本作も鮮やかな金髪が目を引く。ちょっと異色な作風。

3.マレーヴィッチ、ヴァントンゲルローと同時代の抽象絵画-近代と精神

・村井正誠 「聚落」 1943年 油彩 世田谷美術館
・吉原治良 「雪(イ) (作品) 」 油彩 三重県立美術館
特に吉原の「雪(イ)」はいつもの吉原の作風とは違って、これは好きだった。

4.ヴォルス・ポロックと戦後美術-運動と物質

川村所蔵のヴォルス作品は訪問する度に気になっていたが、他館では見かけない。ヴォルスは一体何者なのか、どこの国のいつの時代の画家なのか調べたら、ベルリン生まれで主にフランスで活動した作家で、写真家としても活動していたと知る。しかし、それよりも驚いたのはその壮絶な生涯。
その最期は、腐った馬肉を食べて食中毒死!詳細はこちら
作風にクレーぽさを感じるなと思ったら、短期間だがバウハウスで学んでいたので納得。
水彩中心で、油彩は数十点しな残っていないと貴重だが、本展では2点出展されているいずれも油彩というのは、川村美の誇る所蔵品と言ってよいのではないか。

書家の作品として、井上有一と比田井南谷、森田子龍のものが数点あった。
比田井の名は、本展で初めて知ったが、「作品1」、森田の「凍」が良かった。

思っていたより楽しめた。

お馴染みロスコールームも復活。こちらのお部屋では、絵画が自分に迫って来るような感じが強い。
やはり、床の色は黒に近い焦げ茶。それも落ち着く理由だとやはり思う。
NHK日曜美術館で作家の高村薫さんがロスコー絵画について語られていた。今月発売の新刊「太陽を曳く馬」川村所蔵のロスコーの作品を下巻に使用している(下図)。
kaoru
高村薫の大ファンかつ、新作ではあの合田雄一郎が戻って来たとあれば、読まずにはいられません。
この小説、現代アートも絡んでいて(ロスコー絵画を意識した?)、高村さんの美術論も孕んでいるような。まだ、上巻途中ですが、この本のおかげで寝不足です。

☆耳寄り情報☆
7月24日以後、出版を記念し美術館のミュージアムショップで、前回のロスコー展ポスター(非売品)を先着45名に配布。上記著作もショップで販売中。
なくなり次第終了です。お早めに!


*9月23日(水・祝)まで開催中。

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「4つの物語 | コレクションと日本近代美術」

川村記念美術館で開催中の 「4つの物語 | コレクションと日本近代美術」展に行って来ました。 とても綺麗な2種類のチラシ。 一般的なチラシよりも若干縦長。 スキャニングするとその良さが半減。 チラシコレクター心くすぐります。 川村記念美術館所

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一村雨様

こんばんは。
地を這うと言えば「地を這う虫」やはり高村薫作品でありましたよね~。
一村雨様も高村薫作品はお好きでしょうか?

> またまたググッと押しつぶされるような文体に気がつくと
> どっぷりハマってしまうのですね。
⇒ まさに!重いのですよ、相変わらず。

> 川村では私も野十郎の自画像に恐れおののきました。
> 麗子の紫色が印象に残りました。
⇒ 日本近代洋画は好きなので、1章、2章が特に楽しめました。
 野十郎は東京都美で「ろうそく」の絵が出品されてましたよね?
 「ろうそく」の方が良かったです。

No title

しかし、memeさん、まるで合田雄一郎が捜査活動をするように
徹底的に地を這うように美術館に通われてますね。
こちらは、夏バテで息切れしております。
しかし、新作がロスコーの表紙とは恐れ入りました。
またまたググッと押しつぶされるような文体に気がつくと
どっぷりハマってしまうのですね。
川村では私も野十郎の自画像に恐れおののきました。
麗子の紫色が印象に残りました。
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