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「手のひらのモダン コドモノクニと童画家たち」 横須賀美術館

kodomo

横須賀美術館で開催中の「手のひらのモダン コドモノクニと童画家たち」に行って来ました。
随分前から楽しみにしていた(当初は初日に行こうかと思った程)のに、やっとという感じ。

童画に興味を持ち始めたのは、昨年11月のちひろ美術館東京で開催された「茂田井武展」を皮切りに、今年2月に上野の国際こども図書館での展示「童画の世界-絵雑誌とその画家たち」ではまった。前者は、茂田井にスポットを当てた細く深い内容、後者はこども向けの戦前までの絵雑誌を体系的に網羅し、しかも活躍した童画家も紹介するという広~い内容で、あれが無料だとは今もって信じがたい。あの展覧会は図録なぜ買わなかったんだろう、私。
*「茂田井武展」は、8月8日(土)~ 9月27日(日)まで神奈川近代文学館で開催中です。

<参考>2つの展覧会過去記事
「茂田井武展」
「童画の世界-絵雑誌とその画家たち」展


国際こども図書館での紹介されていた絵雑誌の中で、段違いに絵が素晴らしかったのは「コドモノクニ」だった。これはもう子供向けというには惜しいような内容。
私の好きな古賀春江までが表紙を手がけているのだ。上記記事で、私は「原画だけを集めた展示をぜひ見たいと」書いている。

そして、それがこんなにも早く実現するとは!

「コドモノクニ」は、1922年1月に創刊され、44年3月に終刊を迎えるまで23巻265冊を数えた、日本を代表する絵雑誌。
今回の横須賀美術館「「手のひらのモダン コドモノクニと童画家たち」は、「コドモノクニ」にスポットをあて、同雑誌の絵画主任であった岡本帰一、創刊号の表紙を飾った武井武雄をはじめ、川上四郎、清水良雄、初山滋、深沢省三、村山知義を中心に各画家の原画作品を紹介する。

雑誌「コドモノクニ」の芸術性と、そこで活躍した童画家たちを紹介しながら、絵雑誌という子どものための美術から近代化していく社会の様子を見て行こうというもの。~展覧会チラシより~

構成は以下の通り。
第Ⅰ章 『コドモノクニ』の編集理念とグラフィズム
第Ⅱ章 『コドモノクニ』につどった童画家たち
第Ⅲ章 1920~30年代 子どもたちの生活

今回は、気に行った作品を特にあげず、気に行った画家をあげていく。
やはり、初山滋。
この人の作品は、ニュアンスが他の画家と明らかに違う。絵本に使用しなくても良いんじゃないかと思う抒情性豊かな作品が多い。水彩技法の特徴を活かしている。
すなわち、「ぼかし」「にじみ」を上手く使用して画面を仕上げている。
彼は、狩野派画家から3か月大和絵を学び、その後、独学で尾形光琳を学び、後に日本画家の指導を受けているとのことで、なるほどそれであればと納得した。

かえすがえすも、初山滋の展覧会を見逃したのは悔やまれる(当時は全く存在すら知らなかったから仕方ないが)。
安曇野ちひろ美術館と個人蔵のものが半々で出展されていた。

線が美しいのは、武井武雄。童画界のキングと秘かに思っている。
水彩作品が多い中、2点だけ銅版があった(前期は1点のみ)が、彼の線の美しさが反映されていた。
武井の作品の多くはイルフ童画館所蔵のものが大半で、このイルフ童画館には機会を見つけて行ってみたい。沢山の武井作品が展示されていることだろう。

そして、今回新たに私がマークしたのは川上四郎。
川上を紹介するコーナーの一番最初にあった≪裏の一本橋≫1927年個人蔵(後期展示のみ)にいきなり参ってしまった。素晴らしい描写力。
この人もすごい。東京美術学校西洋画科に入学し、かの藤島武二に指導を受けている。

絵画主任の岡本帰一は当時大変人気があった。
ちょっと西洋風の線の強い作品なので、大変個性的である。依頼が多すぎたのか、42歳の若さで世を去る。

村山知義は、あの「マヴォ」の一翼を担っていた画家と同一人物とは信じがたいが、童話作家の女性との結婚をきっかけに童画も手掛けるようになったのではないか。
彼の原画には、ほとんど物語が付いていて『コドモノクニ』のライバル誌『子供之友』に掲載された水彩作品が並んでいた。
渋谷のギャラリーTOMは村山知義の子息が創設者である。

なお、『コドモノクニ』と参加画家詳細については国際こども図書館が特設HPを作っています。
関心がある方はこちらをご参照ください(作品画像も多数あり)。

全体として振り返ると、解説が子供向けを意識してか、やや不十分で『コドモノクニ』という雑誌についてもう少し掘り下げて欲しかった。
また、特にコーナーを設けてとりあげられている7名以外の作品が少なかったのは残念。
『コドモノクニ』には東山新吉(魁夷)や古賀春江、竹久夢二など錚々たる面々も参加しているが、原画は出ていなかったのが惜しまれる。童画家という枠には入らず、テーマから外れると言えばそれまでだが、ちょっと期待していたのだった。

とはいえ、これだけ多くの絵本画家の原画を一度に見られる機会はめったとありません。
この展覧会は横須賀美術館の単独企画展!巡回なしです

横須賀美のナイスロケーションと充実した常設展も見ごたえありました。
なお、レストラン「イル・マーレ」は予約が望ましいです。
私は、18時頃予約なしでしたが、屋外テラスならすぐに食事ができました(屋内は予約で一杯)。


*8月23日(日)まで開催中。残りの会期終了まで休館はありません!月曜も開いています。
横須賀美術館
10時~19時(土曜日は20時まで)

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遊行七恵さま

横須賀美へのバスは1時間に3本しかありません。
これが最大の難関です。

七恵さんと好きなものが重なるというか、私の百歩先行く
七恵さんを追っかける自分という感じです。
ただ、建築は本当に谷口吉生の美術館が好きでお会いする前から
分かりもしないのに、関心がありました。
伊東忠太と谷口ってある意味対極ですね。

No title

こんばんは
おお~~っ行かれましたか!!しかもこの巡り順を書いてくださったおかげで、土地勘のないわたしにも目処が立ちつつあります。ありがとうございます。
がんばるぞ!

初山の展覧会はよかったですよ。水彩の美を満喫しました。
しかしmemeさんとは本当に好きなものが重なりますね~
今度わたしのほうで童画関係のニュースが入れば、またお知らせいたします。
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