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「ビュフェとアナベル-愛の奇蹟展」 そごう美術館

そごう

横浜そごう美術館で開催中の「ビュフェとアナベル-愛の奇蹟展」に行って来ました。

フランスの画家ベルナール・ビュフェ(1928-1999)が、自ら命を絶ち今年で10年を経過した。
ビュフェは19歳でアンデパンダン展に出品し、若くして才能を評価され、20代で一躍パリ画壇のスターへと登りつめる。
そして、30歳の夏、当時モデルとして活躍していた美しいアナベルと南仏で出会い、その半年後に二人は結婚。以来ビュフェの死まで、仲睦まじく生涯を過ごし、ビュフェはアナベルをテーマにした作品を数多く制作している。

本展では、ビュフェとアナベルをテーマに、デビュー間もない頃の風景画や静物画、≪サーカス≫シリーズまで、静岡県三島市のベルナール・ビュフェ美術館の所蔵品から約60点を2人の写真とともに天覧するもの。

ビュフェ美術館には一度行ったことがあり、同館の所蔵品ということで行こうか迷っていたが、今回は行って正解。
残念ながらデパート美術館ゆえ、作品リストはないので、印象に残った作品だけメモしてきた。

作品は基本的に制作年代順に並んでいる。
初期の≪アトリエ≫1947年や≪波≫1946年の繊細な線が、アナベルとの出会い、結婚を機にどんどん力強く太い線に変化していくのがよく分かる。

二人が出会った時に居合わせた、というより引き合わせたカメラマンが撮影した写真が何枚か展示されていて、私が想像していたより、ビュフェははるかにかっこいい男性だった。もっと、神経質な外見を予想していたが、少なくとも外見上はそんな風に見えず、アナベルの隣で優しく微笑んでいる。

前半に、≪パレットのある自画像≫1948年が展示されていたが、そこに描かれているのは到底20代の青年とは思えないやせ衰えた病んだような男性なので、余計実際のビュフェを見て驚いた。
他人からではなく、自分自身を見つめた時、ビュフェにとっての自分の姿があの病んだ男性であるのなら、心の中にかなりの不安、恐怖、闇があったのかもしれない。

対するアナベルは、モデルで活躍というのが頷ける、ショートカットの似合う美人で、絵に描かれている通りの容姿だった。
二人は、家庭に恵まれなかったという生い立ちを共通点としており、すぐに意気投合したと思われる。

≪アナベル夫人≫1959年(チラシ表)、≪アナベル≫1959年、≪青い闘牛士≫1960年などアナベルを描いた作品は数多い。
展覧会中盤から、アナベルから見たビュフェについてのコメントが、要所要所に案内されていて、アナベルがいかに、ビュフェの制作活動を見守り、理解していたのか伝わって来た。
アナベル曰く、「作品が一見、アナベルと違うモチーフであったとしても、それが自分(アナベル)を描いたと分かる。」のだとか。

大作、≪大運河≫1962年や≪マンハッタン≫1958年は、前半で見た風景画とはまるで趣を異にしている。

しかし、晩年近くなるとビュフェの絵は、暗く更に黒い部分が多くなり、骸骨が絵のどこかしらに現れる。この頃から、常に死を意識し始めていることが伝わって来た。

ビュフェは、「絵を描くことこそ、自分にとっての生である。」と言っている。
パーキンソン病を患い、いよいよ絵筆を取れなくなり、死を選んだのは彼の人生にとって必然であったのだろう。残念ながら、アナベルといえども、彼の絵を描く行為の代わりにはなれなかった。
彼女は、ビュフェの死を作品から早く予感していたが、彼女の中でも彼の死を容認していたのかもしれない。あくまで私の想像だけれど。

*8月31日まで開催中。
本展覧会は、この後いわき市立美術館 2009年9月12日(土)~11月3日(火・祝)に巡回します。

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「ビュフェとアナベル - 愛と美の軌跡」 そごう美術館

そごう美術館(横浜市西区高島2-18-1 そごう横浜店6階) 「ビュフェとアナベル - 愛と美の軌跡」 7/29-8/31 世界一のコレクションを誇る、静岡のベルナール・ビュフェ美術館のビュフェ絵画、約60点を展観します。そごう美術館で開催中の「ビュフェとアナベル - 愛と美

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ベンゼン様

それが、ネットも難しいです。
恐らく学芸員などいないでしょうし。
そごう美術館はいらっしゃるかもしれないですが。

高島屋はこのところ本当に力が入った展覧会が
多いので、図録の作品リストコピーでも置いて下さると
嬉しいですよね。

No title

そーなんですか、知らなかった。
デパートは初めてだったもので。
情報ありがとうございました。
でも、ネットに出すくらいはして欲しいです。
ネットか館内かどちらかにあればいいのですが。

高島屋といえば今度クリムトやりますね。

では、また。

ベンゼン様

デパートで開催される展覧会で作品リストはまずありません。
名古屋の松坂屋美術館で先月拝見した「能」の展覧会で
初めてリストが作られており、感動しました。

近頃では、公立美術館でも愛知県美は毎回、神奈川近美も
現在の企画展ではリストが作成されていないです。

そごう美術館はデパート系にしては頑張っていると思っています。
あとは関東だと日本橋タカシマヤ。
美術館ではないですが、最近良い展覧会を沢山やってくれます。

No title

こんにちは。
内容は、まあまあでしたが美術館の対応が良くなかった。
ここは初めてでしたが、リストは毎回無いのですか?
おかげで全部メモる羽目に。
再入場は出来ないわ、売り切れたポストカードの補充はしないわ。

大運河のほかに最後の方にあった「カランクの海」が骸骨に混じって異彩を放ってました。

では、また。

はろるど様

三島で見た時より、今回の展覧会の方がコンセプトがしっかり
していて、分かりやすかったです。
代表作も出てましたし。

骸骨はあまり見ないようにしてました。怖いから。

No title

感想がまだですが、私も先日行ってきました。この展示は当りでしたね。ビュフェは大好きですが、昔に三島へ行ったときの記憶が蘇りました。

最後の骸骨、まだ頭の中から離れません…。
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