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「京都画壇の風雲児-生誕130年記念 冨田渓仙展」 茨城県近代美術館

keisen

茨城県は、関東地方の中でもとりわけ文化力が高い土地柄ではないだろうか。
私見ながら、今回の茨城訪問でいよいよその意を強くした。昨日記事を書いた天心記念五浦美術館のあまりの素晴らしさに驚嘆し、更にここ茨城県近代美術館も毎回充実した企画展で楽しませてくれる。

茨城県近代美術館へは今回が4回目の訪問。前回の安田靫彦展」も良かったが、今回の「冨田渓仙展」は、更にそれを上回る内容であった。

<展覧会の概要> チラシ&美術館HPより
本展では、富田渓仙(1879-1936)の初期から晩 年までの代表作を網羅し,約120点によりその画業と多彩な個性の発露を紹介します。
また、溪仙と交流のあったフランスの詩人で駐日大使も務めたポール・クローデル(1868-1955)の依頼によって描かれ、現在はパリのジョルジュ・ポンピドゥー・センターに所蔵されている「神庫」がこのたび83年ぶりに里帰りするのも、大きなみどころのひとつ。関東では約30年ぶりの開催です。

冨田渓仙は、福岡県に生まれ、京都で四条派の都路華香に師事。写生などを学ぶ一方で、中国などへの旅行により才能が開花。禅僧:仙に系統しつつ、ヨーロッパの新しい美術の影響を受けながら独自の画風を気付いた画家です。

さて、私にとって渓仙作品の印象は薄く、自身のブログでその名前を検索したら、「冨田」は正しいのに、ウ冠の「富田」で作家名を書いていた上、2件しかヒットしないという存在だった。
それが、この展覧会によって、漸く自分の中に渓仙の画風、作品のイメージが形となった気がする。

展覧会構成と印象に残った作品は以下の通り。
なお、前期と後期で場面替え、展示作品の入れ替えが一定数あり。
展示作品リストはこちら。前期のみ、後期のみ展示作品が色分けされているので、とても分かりやすい。こんなところにも美術館の良心が感じられる。

第1章 模索の時代-明治44年(1911)年頃まで-
・≪伎芸天≫ 1906年 清水寺 前期のみ
初期の大作。四条派らしい作風と仏画研究の成果の現れ。

・≪春郊外牧童≫1910年 個人蔵
水に入る牛、緑、構図がとても渓仙らしい。早くも個性を出し始めているのが分かる。

・≪樊籠帖≫1911年頃 宮城県美術館
いわゆる画帖だが、これは楽しい。どんどん次のページをめくりたくなる感じ。南画風。

・≪若菜摘≫ 京都国立近代美術館
中国人女性3人が船に乗っている。先月富山で見た関雪展でも、こんな唐人を描いた作品があったが流行だったのだろうか?

第2章 画風の確立-明治45(1912)年頃から大正9(1920)年頃まで-
 
・≪蘭亭曲水≫ 宮城県美術館

・≪深草石峰寺≫
石峰寺といえば、若冲。小さな羅漢が愛らしい。渓仙風になっている。

・≪沖縄三題≫ 福岡市美術館
四幅対。沖縄に行った際の作品が他にも何点か出展されている。見ていると、東博で特集陳列されている趙之謙を思い出した。

・≪十二か月≫1917年 福岡県立美術館
にじみやぼかし、技術が活かされ、各月それぞれ見どころあり。十二幅のうち、五幅と六幅で入れ替え。

・≪愛宕暮雪・浜町夕照≫ 1919年 京都国立近代美術館 前期のみ
六曲一双屏風。右が愛宕、左が夕暮れの浜町。いずれも良いが、個人的には右隻好み。

・≪長江鵜船≫ 1919年頃 茨城県近代美術館
同じく六曲一双屏風。こちらはガラスケースなしで近くで見られるのが素晴らしい。スペースの問題?それともファンサービス?

他にチラシに採用されている高島屋史料館蔵の≪風神・雷神≫も展示されていた。

第3章 詩情の酵化 -大正10(1921)年頃から昭和5(1930)年頃まで-

・≪前赤壁図≫1921頃 滋賀県立近代美術館 前期のみ

・≪春日野≫ 1923年 個人蔵
奈良の鹿を渓仙風にするとこうなるんだな。工夫された構図。

・≪麒麟・鳳凰≫ 1924年 櫛田神社
必見の大作。ダイナミックで圧倒される。

・≪蘭亭曲水≫1926年 個人蔵 前期のみ
京近美の≪蓬莱仙境図≫と隣り合わせで権を競っている。色彩のあでやかさがとにかく美しい。
小品だが、私はこちらの方が好み。

・≪神庫≫1926年 ポンピドゥーセンター
見どころにあった83年ぶり里帰り作品。次はもう見られないかもしれない。

・≪奈良の藤≫ 個人蔵
日本画とフランス語の詩が一つの画面で融合しているが、ちっとも違和感を感じさせないところが凄い。日本画とフラ語って合うのかもしれない。
ポール・クローデルの詩との共作は他に数点あり、いずれも良かった。

・≪紙漉き≫ 1928年 東京国立近代美術館 前期のみ
・≪淀城≫ 1931年 西宮市大谷記念美術館 前期のみ

第4章 さらなる洗練 -昭和6年(1931)年頃から昭和11年(1936)年まで-

・≪枝の鶯≫1931年 個人蔵 前期のみ

・≪万葉春秋≫ 1936年 京都国立近代美術館
二曲二双の見事な屏風。ひたすらに美しい。

・≪伝書鳩≫ 京都市美術館 前期のみ
二曲一双屏風。こちらは余白の美。シンプルな画面構成によって、却って想像力が膨らむ。

絶筆作≪嵐峡雨罷≫も出展されていたが、なぜか最後ではなく途中にあった。
会場は十分広いと思うが、作品がそれ以上に大きく数多いため、作品リスト通りに展示されていなかた。恐らくメイン会場は次の巡回先である福岡市美なのだと思う。

後期も続々と名品が出てくるので、これは再訪決定。他の作品もどうしてもこの目で見たい。

*前期:8月30日(日)まで
 後期:9月1日(火)~9月23日(水・祝)まで開催中。
 本展は、茨城県美術館の後、福岡市美術館にのみ巡回します。

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