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「物語と絵画-文学と美術の出会い」 大和文華館

大和文華館で開催中の「物語と絵画-文学と美術の出会い」に行って来ました。
長きにわたり、関西古美術界をひっぱってきた同館も、来年2010年に開館50周年を迎え、これに伴い、本展覧会を最後に本館建物リニューアル工事に入るため、約1年間休館となります。

というわけで、休館前にぜひ!と思って行った「物語と絵画-文学と美術の出会い」。
弐代目・青い日記帳」のTak様などご専門中の専門分野ではないかと存じますが、当方古典文学ではようやく、伊勢物語、源氏物語のおよそを知る程度。真にお恥ずかしい限りです。

本展の概要は次の通り。
国宝「寝覚物語絵巻」や重文「源氏物語浮船帖」といった文華館所蔵の名品に加え、近年見出された「文殊姫」や「宇津保物語図屏風」など、江戸時代の物語絵の貴重な作品を特別に展示、平安より江戸にいたるまでの物語絵の豊かな展開をたどります。

まず、全体を通しての感想を申し上げるとすれば、期待以上の内容でこれまで拝見したことのない作品のみならず、文華館所蔵品の名品の数々に、金銀箔、砂子など料紙の美を愛でたと思えば、白描物語絵の簡素さに宿る、繊細な線描の美しさに惹かれ、眼福の極みでした。
これを機に更に、古典の理解を深めたい!とは思うのですが。。。はてさてどうしたものか。

どの作品も一目に値しましたが、中でも特に印象に残った作品です。

・《源氏物語図帖》 伝土佐光吉筆 江戸前期
総じて私は画帖作品に非常に弱い。すぐに目が釘付けとなってしまう。土佐派や住吉派特有の緻密な描写と線ときらびやかな彩色がたまらない。
本作も金泥、銀泥、ことに銀が黒く変色していないことが特筆に価する。

・《源氏物語図屏風》 伝岩佐又兵衛筆 六曲一双 江戸前期
ここで、いきなり又兵衛派の作品。工房作かもしれないが、又兵衛特有の下膨れ顔を拝めた。
更に屏風の一番左には女房が、ふすまの陰から赤い糸を首にまいた猫を見つめている。猫がかわいい。

・《伊勢物語下絵梵字経》 鎌倉時代
先に伊勢物語絵を墨で描き、所有者が亡くなった後、供養のために所有していた伊勢物語絵に梵字経を刷ったもの。こういった作品は初めて見たが、よく残っていたものだ。

・《宇津保物語図屏風》 六曲一双 江戸時代 個人蔵
江戸時代の物語絵の優品。本邦初公開。最近発見され、今回の公開に至った。詳細はこちら

・《病草紙断簡》 平安後期
病草紙は奈良博で何点か見たが、どれもちょっとユーモラスな絵が楽しい。病なので不謹慎かもしれないが、どこか笑いを誘う。
今回は針治療され痛みのためか枕を抱く男と鍼灸師、心配そうに見つめる女を描く。

・《遊行上人縁起絵断簡》 鎌倉
最古の転写本。遊行上人と言えば、遊行七重さまを思い出さずにはいられない。今回も大変お世話になりました。

・《地蔵験記絵巻断簡》 鎌倉
人物の表情が軽妙でユーモラス。鎌倉、室町の絵巻の人物表現は素朴で私の好み。

・《伏見常盤》 2冊 富美文庫蔵 江戸
・《大職冠絵巻》 同上
・《村松》 同上
などなど、他にも全部で6種類の豪華な奈良絵本が特別出陳されていた。
金銀の雲、水色のかすみ《伏見常盤》と上下にある金箔の密度がびっちりまぶしいほどの《村松》は本当にきらびやかだった。描写も細かく緻密で素晴らしい。

*奈良絵本→挿絵入りで書写された御伽草子。簡単に言えば物語絵本。
つい先日江戸期の最高レベルの「奈良絵本」が見つかったというニュースもあり。詳細はこちら

ところで、富美文庫はどこにあるのだろう?ネットで検索したが、見つけられなかった。

・《唐絵手鑑》 狩野安信 江戸前期
安信の画業は兄弟に比べて劣ると言われているが、この手鑑を見る限り一生懸命やっているではないかと言いたくなった。

9点の特別初出陳品を含め、素晴らしい展示品の数々。広島で見つかった奈良絵本も機会があれば是非、拝見したいものだ。
また、休館を前に「絵葉書をご自由にお持ち帰りください」となっていたので、何枚かいただいてきた。
図録も10%引きです。

*9月27日まで開催中。

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kazuponさま

休館中は他館から貸出依頼ありそうですね。
所蔵品展なら行ってみたいです。
良いものが沢山ありますから。

ところで、MIHOの若冲ワンダーランドはどのくらい
行かれるご予定でしょうか?
展示替え数が多いので悩みどころです。

No title

大和文華館は地元ですので来年遷都1300年祭の前半開館されないのは残念ですが、秋の再会展が楽しみですね。たぶん来年前半は所蔵品展が各地であるのでしょうか?
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