スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

「中国の陶俑-漢の加彩と唐三彩」 出光美術館

toyo
既に、昨日(9/6)に終了してしまった出光美術館の「中国の陶俑-漢の加彩と唐三彩」に会期終了間際に行って来ました。
出光らしい内容で満たされた気持ちになれたので、簡単に感想を。


展覧会の構成は以下の通りです。

1:際立つ個性─漢時代の陶俑
2:苛烈な時代の形象─南北朝~隋時代の陶俑
3:洗練されたやきもの─俑の周辺の副葬器物
4:写実的形象─唐時代の人物俑
5:シルクロード交流の記憶─唐時代の駱駝・馬
6:洗練されたやきもの─俑の周辺の副葬器物

本展の少し前に静嘉堂文庫美術館で所蔵品による唐三彩の展覧会を拝見したが、本展では、もっと広く俑全般について展観する内容となっている。
静嘉堂と重複するなという懸念は、全く不要でむしろ、もっと早く行けば良かったかなと思ったほど。

特に私が気に入ったのは第1章の漢時代の陶俑、ことに灰陶加彩たちであった。
ここでは、灰陶加彩の人物や、牛、犬などの動物が並んでいたが、どれもこれも素朴かつプリミティブな作りと表情をしていて好ましい。
埴輪もそうだが、こういう素朴な造形ものにやたらと私は弱い。

造形的には未熟と言って良いのか、やたら顔が大きな犬や「灰陶加彩貼花人物禽獣文器台」など、至るところから人やら様々な生きもの(亀、犬、鳥などなど)一体どれだけ、くっつけたの?という程で賑わっている。しかも、人も動物も何やら動きを伴った形をしている。
こんな器台に乗せられた物は逆に何なのだろう?と不思議だったが、これらの愛らしい埋葬品と共に葬ってくれるなら、死後の世界も楽しいやもしれない。

「緑釉鴨池」も然り。池にこれでもかという程の沢山の鴨がいる。池に比して鴨が大きいのが気になるが、こちらも賑やかさでは負けない。
更に凄いものが、入口入ってすぐに展示されていた。
「緑釉楼閣」で、高さは何と1.5メートル。後漢時代のものだが、よくぞこれだけのものが、今日まで残っていたと、そちらの方に感動した。

緑釉の色は微妙に色の出が異なるが、美しい色をしていた。

後漢時代を過ぎ、北魏時代、南北朝時代、唐時代へと時代が進むに連れて、俑も微妙に洗練され変化していく。

陶俑以外の副葬器物の中では、灰陶加彩神将(二体ペア)+一体。
やはり、ここでも灰陶加彩が気になるが、仏像彫刻のような造形で、邪鬼を神将が踏みつけているポーズは仏像にもよく見られる。
単独一体の神将は、着衣の彩色がまだ残っていた。

唐時代の俑になると、見慣れた三彩のものが増えてくる。
その中に、木俑、木でできた俑が出展されており、かなり朽ちてはいたが人物四体は時の流れと朽ちた状態そのものに感銘を受けた。
好みの灰陶加彩も四体、六体と楽人や武人と手の込んだ俑になっていて、後漢時代の素朴さは失われていた。

「白釉牛と灰陶加彩牛車」のセットは、牛の瞳が大きく、じっとこちら(鑑賞者)を見つめていて、僅かな時間だが私と牛はしかと見つめあっていた。

第4章では「藍釉獅子」と「緑褐釉獣首飾八角杯」に注目。
藍釉の色の深さがとても好き。この獅子は、犬や猫がよくやるように足をなめているポーズが愛らしい。

最終章では、三彩、緑釉、褐釉で作られた唐時代の俑以外の副葬器物が展示されている。
ここでは、「三彩六葉形三足盤」と「三彩練上手枕」ことに、後者の枕はとても美しいマーブル模様を描いていた。
陶の枕は気持ち良いと以前、遊行七恵様がおっしゃっておられたが、硬さや頭がずり落ちたりと言ったことはないのだろうか。。。


最後にいつもとは逆に美術館HPより展覧会の概要を。

中国では戦国時代の紀元前5世紀頃から、それまで主人とともに殉葬されていた生身の人間や高価な道具に代えて、陶器や木製品で家屋や調度・什器、従者や家畜などの模型ともいえる俑(よう)を作って副葬するようになります。これら神殿や墓に供えるために作られる器――明器(めいき)の一種である漢時代の灰陶加彩や唐時代の三彩などは、実用には適さないものでしたが、器物は造形美に富み、俑は生気に溢れています。彼らが語ってくれる当時の人々の暮らしにも、ぜひご注目ください。

古代の素朴な造形美の世界に存分浸ることができました。

*本展は終了しています。

トラックバック


この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

出光美術館で「中国の陶俑―漢の加彩と唐三彩」展を観た!

出光美術館で「中国の陶俑―漢の加彩と唐三彩」展を観てきました。「やきものに親しむ?」とあるので、シリーズの7回目ということでしょうか?僕はこのシリーズ、今回が初めてでした。出光のホームページで調べてみましたら、ほぼ1年に一度、けっこう古くからこのシリーズ

中国の陶俑

中国の陶俑 ―漢の加彩と唐三彩―」@ 出光美術館 http://www.idemitsu.co.jp/museum/honkan/exhibition/present/index.html 陶俑は数点ずつどこかの展示室で見ることはあっても、まとまって見る機会はあまりない。その意味でも貴重な展覧会。 そもそ

中国の陶俑-漢の加彩と唐三彩 ・出光美術館

エジプトの副葬品に引き続き、今回は中国の副葬品、俑の展覧会に行ってきた。 出光の企画は上質で落ち着きがあり、信頼できる美術館のひとつだが、やはり今回も見せる、ということにこだわりを感じた。

コメントの投稿

非公開コメント

あべまつ様

こんばんは。
あべまつ様のおっしゃる通り、他館では灰陶加彩の俑を
ほとんど、いや全く?見かけなかったので、とても嬉しかったです。
こういう原始的なものには独特の面白みがありますね。

No title

こんにちは。

私もmemeさんの
 >第1章の漢時代の陶俑、ことに灰陶加彩たち

に心惹かれました。
素朴なものにこそ、純粋な心が存在するのかも~
と思ったのでした。
俑といえば、唐と思いますが、もっと以前の時代を見ることができたのが
収穫でした。
カレンダー
07 | 2017/08 | 09
- - 1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31 - -
ブログ内検索
twitter
最近のエントリ
カテゴリー
最近のコメント
最近のトラックバック
天気予報

-天気予報コム- -FC2-
カウンター
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。