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「版画がつくる驚異の部屋へようこそ!展」 町田市立国際版画美術館

hanga

町田市立国際版画美術館で開催中の「版画がつくる驚異の部屋へようこそ!展」へ行って来ました。
ご贔屓にしているアートブロガーの「はろるど・わーど」さん絶賛の展覧会。
実はこの展覧会、前回の企画展「中林忠良銅版画展」でチラシを見つけた時から、行くと決めていたのだが、8月は遠征続きですっかり出遅れてしまった。

今朝は珍しく起きたら10時半!になっていて、全ての予定がおじゃんになった。
しかも、体調が思わしくない。
しかし、町田には行きたい。

結局町田への誘惑が勝ち、東京都美でトリノ・エジプトを見た後に町田へ向かった。
先に結論を申しますと、版画好きなら必見。あと鳥や骸骨、博物図譜好きも必見の内容。

<展覧会の概要>
本展は、15世紀~18世紀にヨーロッパで流行した「驚異の部屋」にならい、その雰囲気を版画で構築しようとするもの。版画の世界の広さ、奥深さを垣間見せてくれる変わり種を多く展示。
解剖図や動物図譜など、驚くような作品が大集合します。描かれた事物の珍奇さと、精緻な銅版技法や多色刷りなどの技法の素晴らしさ、二つの驚きを楽しめます。
~展覧会解説より一部引用。

早い話が、珍品、希少版画が勢揃い!
こんなコレクションを持っているのは、日本全国ここ町田市立国際版画美術館だけではなかろうか。
版画展には数多く行けど、知らない版画家さんが多く、新しい版画の境地に目覚めた感じだ。

展覧会は
♦驚異の部屋
♦自然の脅威
♦怪物をさがせ!
♦踊る骸骨
♦番外編

今回はコレクションを同館の企画により構成し、展示している。残念ながら図録は作成されていないが、図録に変わる作品解説付きのリスト全12ページが手作り作成されていた。
この手作り解説にはモノクロだけど図版も少し掲載されていて、感心してしまった。後で読み返すこともできるので、これは永久保存決定!

さて、いつもなら印象に残る作品をつらつらと書き連ねるが、今回は印象に残らない作品の方が少ない。
中でもこれはというものを少しだけご紹介。

・デマジエール「驚異の部屋」1997年 銅版
本展タイトルにもなっている象徴的な作品。冒頭入口にあったが、その線の細さや奥行き感もさることながら、描かれているものが凄かった。天井、壁、至る所に、不気味な動物たちや得体の知れぬ化け物の(想像上の生きもの?)が描かれている。
実際、本当にこんな部屋があったのだろうか。信じがたいが、あったからこんな版画ができたのだろう。

・ダゴティ 「人体構造の解剖陳列」1759年 多色(3版)、手彩色
全部で8点。2枚の紙を縦につなげて大版になっている。手彩色というのが泣かせる。
ただ、作者のダゴティは医学者ではなかったため、解剖図としての正確さには欠けるそうだ。素人目には正しいのかどうかもちろんわからず、ただただ、その色調と細かさに見入った。
国立国際美術館で開催された杉本博司の「歴史の歴史」で似たようなものを見たなぁと思い、帰宅後同展の作品リストを確認したら、ドンピシャ。
「歴史は歴史」展で展示されていた解剖図(杉本のコレクション)も同じダゴティのものだった。
これで、杉本博司ファンも、本展必見ではないか。

・ソーントン 「フローラの神殿」
解説曰く版画で作られた植物図譜の金字塔。
その言葉に偽りなし。
博物図譜としての機能も果たしながら、背景が画面ごとに異なり工夫されている。その植物に似合った背景を用意している上に、その背景が実に芸術的で素晴らしい。
これは、本展のマイベスト。
特に好きなのは「エジプトハス」と「白百合」「夜の女王」「ピッチャープラント」だが全10点どれも見ごたえがある。色刷りの美しさをぜひ堪能していただきたい。

・「地獄」 作者不明 1483年 木版 手彩色
西洋の地獄図。日本の鎌倉や室町時代の地獄図も怖いが、こちらも相当怖い。
背景の朱色は古今東西共通しているのか炎をイメージしているようだ。

・ジョン・マーティン ジョン・ミルトン著「失楽園」より 1827年 メゾチント
全7点あるが、どれも光と影が上手く表現されていて、他の作品とはかなり趣を異にしている。
神に逆らって暗黒へと落とされるサタンの物語の挿絵だと思われる。
どこか版画らしからぬ、むしろ写真に近い雰囲気をもつ。

最後に「エジプトの部屋」と題するコーナーがあり、ここには「エジプト誌」出版総部数わずか300部、かのフランス将軍ナポレオンがエジプトについて考古学から自然科学、地誌、民俗までの包括調査を指示し、その結果を書物で残そうとしたのが「エジプト誌」。
この書物には、多色刷りの手彩色による銅版画が900枚近く入っていた。
今回は、その一部が公開されている。もちろん、こんな珍しいものを見るのは初めてのこと。

博物学編、考古学編から出展されていたが、圧巻だったのは考古学編の空想復元図2枚。
①フィエラ島の神殿内部
②テーベのメムノニウム神殿
いずれもその細かさと言ったらもう言葉を失う。全て極小のドットが打ち込まれ細かい背景や模様を創り出している。色彩も見事だが、図録がないので色彩が思い出せない。。。
ちょうど午前中にエジプト関連の展覧会を見ていたのも役立った。
これは絶対の必見作品。

番外編にはだまし絵のような版画とクロード・メランの「ヴェロニカの聖顔布」1649年があったが、後者の聖顔布は花の頭から一本の線だけで描かれているのが見事。
布にキリストの顔が浮かび上がる趣向。

う~ん、思い出してみるとやっぱり面白かった。めったとない内容です。ぜひお運びください。
美術館では、サイズの異なる虫眼鏡も無料貸出可能です。どんどん借りて、版画の細かさを実体験してみてはいかがでしょう。

*9月23日(水・祝)まで開催中。

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「版画がつくる 驚異の部屋へようこそ!展」 町田市立国際版画美術館

町田市立国際版画美術館(町田市原町田4-28-1) 「版画がつくる 驚異の部屋へようこそ!展」 8/8-9/23 解剖図や動物図譜、それに自然の驚異や空想の世界を描いた作品など、ヨーロッパの中世、及び近代版画、約100点を展観します。町田市立国際版画美術館で開催中の「

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noel様

杉本博司さんを出して、客引きしてしまいました(笑)。
ギャラリー小柳で新作の個展も開催されています。

でも、私の今の一推しは水戸・茨城県近美の「冨田渓仙展」なのです。
連休中にお出かけ可能ならぜひ!

No title

>杉本博司ファンも、本展必見

そう言われたら行きたくなるではありませんか! うーん...(苦笑)

はろるど様

こんばんは。
同じく「失楽園」シリーズはぜひ全点拝見したいです。
また、所蔵品展で物語シリーズと題して全点出展して欲しいですね。

よし様

> 町田といえば、武相荘ですね。一度訪れてみたいです。

⇒ 以前も同じようなコメントをいただいたような。。。
  私はまだ行っておりませんが、気になられるなら即決行って難しい?

No title

memeさんこんばんは。私は感想であまり触れませんでしたが、最後のナポレオンがまた見事でしたね。そのどれもが精巧なこと精巧なこと…。あれ単体でも企画展が成り立ちそうです。

フローラの神殿、本当に色鮮やかでした。
あとは物語好きとしては神曲や失楽園あたりも全点揃いで拝見したいです。

武相荘

町田といえば、武相荘ですね。一度訪れてみたいです。
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