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「現代美術も楽勝よ。」展 水戸芸術館現代美術ギャラリー

mito

埼玉の3館同時開催の「長澤英俊展」か水戸巡りかでさんざん悩んで結局、今日は水戸詣で。
埼玉にしなかった最大の理由は、遠山記念館のシャトルバスである。
9月20日から無料シャトルバスの運行時間が変更されて、より利用しやすくなっていることを発見。
ということで、長澤展は会期末ぎりぎりになりそう。

で、本日の水戸はツーデーパスも使用できず金銭面でも苦しい状況の中、東京駅から高速バス「みと号」を利用することにした。
ツインチケット(2枚綴りの回数券)は3500円。片道7500円で水戸まで約2時間。
行きは水戸駅の手前、水戸芸術館に徒歩数分の泉町1丁目に停車してくれるため非常に便利だった。

バスを降りてすぐに水戸芸術館へ向かう。
大変失礼ながら、今回の「現代美術も楽勝よ。」展はあまり期待していなかった。見ても見なくてもどちらでもいいかなと思っていたが、せっかくここまで来たらと入館した。

開館9時半に入ったので、お客さんはほとんどいない。
最初の展示室で私が見たものは、チューリップが活けてあるガラスの花瓶。
そして、よく殺人現場で見かけるような人型が白いロープでかたどられている床。
あれ?これも作品?

不安になって受付のスタッフの方にお尋ねしたら、これは本展覧会のために制作されたミステリー仕立ての映画「学芸員Aの最後の仕事」の舞台セットなのであった。
映画は10時に放映されるとのこと、上映時間1時間6分はかなり予定外であったが、2時間ではないので見ることにした。
*映画は1日5回:10:00~/11:30~/13:00~/14:30~/16:00~放映。

開始時間までの間、他の作品を観賞する。

本展は、水戸芸術館の所蔵品の中から写真、絵画、インスタレーションなど、国際的に活躍するアーティスト作品を展示し、現代美術の楽しさを紹介するもの。
更に上記の通り、展示室である会場全てが映画の舞台セットになっているため、作品以外の道具や機材も置かれたままになっている。美術作品と映画の世界を同時に楽しんでもらおうという趣向だった。

以下展示室と構成及び出品作のご紹介。

第1室 「○」
1.曽根裕 「19番目の彼女の足」 1993年
何とも意味ありげなタイトル。自転車が円環となってつながっている。

2.野村仁 「ジュラ紀の巨木:豊中」 1998-2000
今年は野村の作品によく出会う。これ、結構良かった。

第2室 「風景」

3.ジュリアン・オピー 「日本八景 国道300号線からみる本栖湖の富士山」 2007
これは、何度もお目にかかっている。昨年のオピー展が懐かしい。

4.畠山直哉 「スローグラス」 2002年
これはスマッシュヒットだった。未見の写真作品で、全部で6点あったかな。
フロントガラスから見た光景で、窓の向こう側には雨が降っている。どれも色合いが美しい、まるで抽象絵画のようでもある。水滴と窓ににじむ風景の色がマッチして何とも言えない光景を生み出していた。やはり、畠山直哉の写真っていいなぁと改めて思う。

第3室 「空を見上げる」

5.I.F.P 「アナザーワールド(空の眺め)」 1992年
こちらも未見作品だが、かなり大がかりなインスタレーション。天井から空の写真をはめこんだライトボックスを4つ?だったが上に行くほど小さなライトボックスで、提灯のようにぶら下がっていた。
思わず見上げると、空空空。室内なのに、空が見える。面白くなってきた。

6.小林孝亘 「Cloud」 1999-2004
大好きな小林さんの未見作。隣の空に呼応するかのように、水色の空を背景に不思議なもこもこ雲が大きく描かれていた。雲の形がやたらとかわいい。はぁ幸せと感じる一作。

7.野村仁 アナレンマシリーズ3点 1990年
またも野村作品、こちらはアナレンマシリーズ(太陽の動きを写した)午後と正午と午前。

第4室 「黄色と青」

8.アニッシュ・カプーア 「龍」 1992年
出た!と思わず声が出そうになった。おぉ、カプーアのあの深い深い青を使用した彫刻作品。もちろん未見作。龍には見えなくて、むしろ青い盆石に感じた。
カプーアはインド生まれの仏教徒。これに、禅の思想を感じ取れるだろうか。

9.河口龍夫 「関係-時のフロッタージュ」 16点 1996-1998
水戸芸術館での展覧会での作品。
話題の河口龍夫による作品は、今一つでも多く見ておきたいところ。願ったり叶ったり、似たような作品は過去にも見ているが、水戸芸所蔵のものはもちろん未見。
かつて私が名古屋にいた頃、水戸芸術館は現代アートの聖地のように思っていた。行きたいのに、遠すぎて行けない。名古屋から水戸はあまりにも遠かった。
ちなみに、本作品は化石のフロッタージュなのだが、刷るという行為が作者である河口と化石とのエネルギー交換なのである。
額縁は全て、黄色の蜜ろう=これは生命をイメージしている、で作られている。

黄色と青というタイトルに相応しい構成と作品選択。

第5室 「計画を立てる:

10.イリヤ・カバコフ 「はぎとられた風景(1931)」 1998年
ペインティング作品。もちろん未見。右上がはがれていて白の下地が見えている。ここに作者の言わんとする所があるのだろう。過去に開催された同館でのカバコフ展の映像も隣で流れていた。これが見たかった!

11.川俣正 「アーケード・プラン No.3」 1994年
kawamata
思わず大地の芸術祭かと思わせる作家のラインナップ。カバコフに続いて、川俣正。
いつもの板系インスタレーション。

12.蔡國強 「水戸風水龍脈図」 1994年
水戸芸術館は過去、こんな面白い企画展をやっていたのか。
これは非常に面白く興味深かった。私自身風水に興味がある影響も大きい。中国風水学の権威である天津大学建築学部教授と水戸のための風水プロジェクトを計画し、その祭作成された水脈図。
水戸の大地に龍の姿をした龍脈がある。水戸は風水的に良好な土地なのか。時間があったら、過去の展覧会記録をじっくり読みたかったが諦めた。

13.クリスト&ジャンヌ=クロード 「アンブレラ、日本とアメリカのジョインプロジェクト」
アメリカと水戸で同時に傘を広げるという大がかりなプロジェクトを行っていてその記録や構想図案。

第6-1室 「人間」

14.ジュリアン・オピー 「歩く人々」 2007年
この映像作品、何度見てもいい。

15.王慶松 「老栗夜宴図」 2000年
この作品は映画を見た後で観賞した方が良いかもしれない。横長の大きな写真。

16.17.マグダレーナ・アバカノヴィッチ
フェイスシリーズ 3点 1987年
「ベンチの上の立像」 1989年
確か、アバカノヴィッチは、塩田千春が最初に師事したいと思っていたアーティストではなかったか。
結局、アバカノヴィッチでなく、アブラノヴィッチに師事することになったのだが、名前がよく似ていて・・・と以前参加したアーティストトークでおっしゃていたと思う。

強いインパクトがあったのは、ブロンズの「ベンチの上の立像」。
顔も手もない立像は、語ることを奪われた当時の東欧諸国の実像を表していると同時に恐怖感を覚えた。

18.ベルナール・フォコン 写真6点
フォコンの名前も写真も初めて見た。フランスのアーティストで子供のマネキン人形を使用して物語の一瞬をとらえたような写真を撮る。
「磔刑」「4番目の愛の部屋」など、これは見ておいて良かったと思う。

第6-2室 「自然」

19.河口龍夫 「関係-再生・ひまわりの種子とマムサスの歯」 1998年
ここでも、河口先生再登場。マムサスとはマンモスのこと。マンモスの化石がヒマワリの種子の生命エネルギーに再生することを夢見て制作された。

20.ロバート・メープルソープ 4点写真 1998年
メープルソープの写真が突如現れる。晩年の作品だが、やはり良いものは良い。

21.日高理恵子 「樹を見上げてⅥ」 1992年
過去に開催された「こもれび展」の出品作品と思われる。この「こもれび展」参加アーティストの面々が素晴らしい。小林孝亘しかり、今回出展されていなかったが伊庭康子さんも参加していた。
図録をショップで拝見したが、印刷もよく思わず手が出そうになったがじっと我慢。

第7室 「闇」
22.ジェームズ・タレル 「ソフト・セル」 1992年
tareru

1人ずつしか体験できない作品。10分間「ソフト・セル」と題された個室に入り闇と向き合う。そこで見えるものは、果たして何か!
ちょうど待ちなしで参加できた。これに入れただけでも水戸に来た甲斐あり。10分間の暗闇をぜひ体験してみてはいかが?「感覚の中に入り込むことで見えてくる光がある」byタレル。

第9室で映画「学芸員Aの最後の仕事」が上映されていて、第8室では使用された小道具、大道具類が展示されている。
映画は、Nadegata Instant Party(中崎透+山城大督+野田智子)を中心に制作。
演じているのは、ボランティアスタッフや実際の水戸芸術館学芸員の皆さま。
ちょっと文化祭の映研制作映画のようなノリだが、1時間最後まで飽きさせずに見せたのだから立派。
肩の力を抜いて楽しむのがポイント。

なんやかんやで十分楽しんで約2時間。水戸芸術館を後にした。
個人的には、本展の観賞プログラムとして企画されている「ピローdeトーク」(要電話申込)に参加してみたかった。
アーティスト、タノタイガによるギャラリートーク。カップル間のプライベートで親密な対話方法を美術館というパブリックな空間に導入。移動式ベッドに乗って気さくに感想を語り合う対話方式の観賞とのことだが、一度体験してみたい。参加費は入場券のみ。
どなたか、参加された方の感想を知りたい。

これ以外に「お子さんと一緒に美術館散歩」や「淑女のためのギャラリーガイド」など様々なプログラムが用意されている。

水戸芸術館では、観賞者参加型、新しい観賞方法を模索している姿勢がよく伝わって来た。

*10月12日(月・祝)まで開催中。

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